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2015年6月12日金曜日

萱田地区4遺跡墨書土器 出土文字出現ベスト50

全国及び千葉県の墨書土器出土文字出現ベスト50と同じ方法で萱田地区4遺跡(白幡前遺跡、井戸向遺跡、北海道遺跡、権現後遺跡)から出土した1470史料の出土文字出現ベスト50を求めてみました。

萱田地区4遺跡墨書土器 出土文字出現ベスト50

全国及び千葉県のベスト50とどのように重複するか調べてみました。


萱田地区4遺跡墨書土器 出土文字出現ベスト50で全国及び千葉県ベスト50にはいるもの

萱田地区4遺跡墨書土器 出土文字出現ベスト50で全国ベスト50にはいる文字は次の10つです。

生
冨
×
○
入
大
子
十
一
山

全国のベスト50位の文字が千葉県-萱田地区4遺跡と地域を具体化するに従って逓減する様子をグラフにすると次のようになります。

墨書土器文字 全国上位50語と千葉県、萱田地区4遺跡上位50語との関係

墨書土器の文字は恐らく全国的に見ても、このような関係で分布しているものと想定します。

現代と異なりマスコミはありませんから、遺跡内部のマンツーマンのミニコミ(交流)が基本となって墨書文字の言葉(祈願語)が流行したのだと思います。

現代のようなマスコミが無いので、遺跡間における言葉の偏在性はきわめて大きなものがあるのですが、一方全国の祈願語と萱田地区4遺跡の祈願語が20%も重なっているということに注目する検討視点も有り得ると思います。

蝦夷戦争を戦う中での東国における官人の活動が旺盛であったので、祈願語の20%は全国と同じにそろえられていたという見方もできると思います。

参考
2015.06.09記事「千葉県墨書土器 出土文字出現数ベスト50」
2015.06.07記事「全国墨書土器 出土文字出現数ベスト50」

2015年6月9日火曜日

千葉県墨書土器 出土文字出現数ベスト50

昨日この記事をアップしようとした直前に外付けハードディスクがクラッシュしてしまい、作成したファイルが全部パーになってしまいました。

本日最初から作業し直してデータをつくり、記事をアップします。

全国墨書土器 出土文字出現数ベスト50と同じ方法で千葉県版データを作成してみました。

千葉県墨書土器 出土文字出現数ベスト50

参考に全国版の情報を再掲します。

参考 全国墨書土器 出土文字出現数ベスト50

上記二つの情報から、千葉県ベスト50の文字で全国ベスト50に入るものに○をしてみました。

千葉県墨書土器 出土文字出現数ベスト50で全国ベスト50に入るもの

千葉県ベスト50のうち29の文字が全国ベスト50にも入ります。

統計的な検定ではありませんが、感覚的には、千葉県で出土する墨書土器の文字と全国で出土する文字との間には一定の相関があり、千葉県だけが特異な文字を多出するということではないようです。ある程度似ているということです。

ちなみに、第1位「×」と第2位「大」は同じです。

詳しく見ると千葉県と全国の順位に幾つかの顕著な相違がみられます。

千葉県で7位「天(則天文字)」、12位「(□(天ヵ(則天文字))」は全国50位には入りません。
同じく千葉県10位「出」、40位「出ヵ」も全国50位には入りません。

特に「天(則天文字)」は中国直輸入の舶来文字ですから気になります。
ちなみにその出土遺跡を調べると、市原市の片又木遺跡からの出土が大半を占めています。

また「出」は習志野市の谷津貝塚E地点からの出土がきわめて多くなっています。

文字の遺跡間偏在性は極めて大きなものがあります。

この記事では統計分析は全くしておらず、単に順位を紹介しているだけですが、墨書文字の遺跡間偏在性が大きいので、その特性を利用して遺跡間の結びつきを検討することも可能であるような予想を立てています。

あるいは文字内容は別にして、特定文字だけにかたよる遺跡と、多様な文字が出土する遺跡を統計的に分別することは可能ですから、その情報から遺跡の社会交流面での特性を明らかにすることも可能だと考えます。

2015年6月7日日曜日

全国墨書土器 出土文字出現数ベスト50

全国墨書土器・刻書土器データベース(CSVファイル)明治大学日本古代研究所の117000件の情報を釈文情報毎に集計して、出土文字出現数ベスト50を求めてみました。

全国墨書土器 出土文字出現数ベスト50
釈文情報に文字内容がないデータは省いてあります。(例「□」、「□(則天文字)」など)
なお、例えば「大」、「大ヵ」、「□(大)」、「□(大ヵ)」などは別に集計されています。

千葉県のあるいは花見川-平戸川筋の古代遺跡から出土する墨書土器の文字と比較するための参考とするために集計してみたものです。

この結果をざっと見ると次のような感想が生れます。

・「×」(バツ)(及び「+」(プラス)を合わせて)が一番多く、魔除け記号を想定させます。

・記号として「━」(ヨコボウ、マイナス)、「=」(イコール)が出てきます。その意味を今後検討したいと思います。

・「○」が出土します。白幡前遺跡出土の「○」は則天文字の「星」として解釈し、具体的には白星(勝利)を意味すると考えました。

・数字として「十」、「万」、「千」、「七」、「三」、「一」が出土します。「十」、「万」、「千」は事物が豊富であることの祈願、「七」は七福神などで用いられるようなラッキーセブンの意味を、「三」は物事の基本的要件を3つに分類する思考の中で、それらの調達を、「一」は一番(トップ)であることの祈願に、それぞれ関連すると考えます。

・生活に関わりの深い地物を表現する文字が出土します。「井」、「田」、「山」、「木」、「白田」、「土」、「川」など。
地域開発に関わる祈願と関連する言葉であると考えます。

・「生」は白幡前遺跡で多出する出土文字で、戦死回避の意味として考察しました。「生」はおそらく単純な延命とか病魔から逃れるという静的な祈願語ではなく、身に迫る白兵戦を想起して、その場で相手を殺して自分は生き延びたいという極めてアクティブな思考を伴う祈願語であると考えます。

・「寺」が多いことに驚きます。白幡前遺跡における検討では、寺院活動と墨書土器活動との間に強い相関を感じることができませんでした。全国的にみて「寺」文字がベスト10に入っているという意味を今後検討して、その検討結果を白幡前遺跡の検討にフィードバックしたいと思います。

・「王」の意味は天皇のことであるか、魔王などの悪神の意味であるかケースバイケースとは思いますが、悪神の場合が多いのではないかと考えます。

・方向を指示する言葉が出現します。「東」、「西」、「南」はそれぞれケースバイケースとは考えますが、具体的な意味を込めていると考えます。「東庄」は千葉県東庄町の例を含めて古代荘園の固有名詞に対応すると考えます。

・「大」(大きくありたい)、「上」(出世したい)、「善」(よくありたい)、「成」(達成したい)、「吉」(よくありたい)、「足」(不足を補いたい)、「得」(獲得したい)、「福」(富栄えたい)、「本」(根元となるものを得たい)、「長」(長寿でありたい)、「冨」(富栄えたい)、「有」(獲得したい)、「厨」(食料が豊富でありたい)、「太」(多くありたい)、「子」(子どもが欲しい)、「真」(祈願する内容が本当であってほしい)、「網」(魚や鳥を捕りたい)などはそれぞれの字義通りの祈願語であると考えます。

・「中」、「由」、「人」、「主」、「平」、「内」、「白」なども言葉に含まれる字義による祈願語であると考えることができます。