2020年12月19日土曜日

紙地図等高線から地形3Dモデルを作成する方法

 紙地図等高線から地形3Dモデルを作成することが、web情報を閲覧しながら試行錯誤して出来るようになりましたので、そのテクニックをメモします。

見様見真似の活動のため間違っている点や非効率の側面があるかもしれませんが、自分自身用のメモとして記録しておきます。

次のweb記事が特段の参考になりましたので石井淳平さんに感謝します。

石井淳平 GRASS GIS v.surf.rstコマンドで等高線からDEMを作成する

試行錯誤活動の中で特にハードルが高く、その突破に時間がかった項目に●をつけました。。

1 技術メモ

1-1 等高線デジタイズ方法(QGIS作業)

・QGISのEPSGは(千葉県なので)6677としました。

1-1-1 等高線資料のQGIS画面ジオリファレンス

(略)

1-1-2 等高線のデジタイズ(等高線ファイル作成)

ア ファイル特性の設定

・QGISでレイヤ→レイヤを作成→新規シェープファイルレイヤ

・ファイル名入力(パス名・ファイル名に日本語不可)

・ジオメトリタイプ→ライン

・追加次元 Z値(+M値)にチェック●

・新規フィールド 名称→elev(日本語不可) 型→小数点付き整数 →フィールドリストに追加●

イ 等高線トレース

・新規レイヤを書き込みできるようにして等高線をトレースする。1本のトレース終了時にID番号(通し番号)とelev値(標高値)を記入する。

(等高線は部分的に存在していても、完全につながっていなくても、標高の間隔が不定でも可。)

・最後にシェープファイルとして保存する。


等高線トレースの様子

1-2 等高線ファイルを含むGRASSマップセットの作成(GRASS作業)

・GRASSでデータベース、ローケーション(EPSGは6677)、(等高線ファイル格納予定)マップセットのフォルダーを作成する。(日本語不可)

・GRASSでマップセットに等高線ファイルをインポートする。(ベクトルデータのインポート)


GRASSにインポートされた等高線ファイルの様子

1-3 等高線→DEM変換作業(QGIS作業…GRASSプラグインによる作業)

・プラグイン→GRASS→GRASSMapsetを開く→GISDBASE(データベース)、位置(ロケーション)、Mapsetについて等高線ファイル格納のものを選択→OK (この状態ではQGISにGRASSの等高線ファイルは表示されない。●)

・プラグイン→GRASS→GRASSツールを開く→GRASSツール→領域(画面で領域を設定する)→解像度で解像度を設定(EPSG6677はm単位であり、東西・南北に1を設定するとドット1つが1m×1mを代表する。東西・南北に0.5を設定する0.5mメッシュ精度のDEMを作成することになる。)●

・GRASSツール→モジュール→Raster→Surface management→Interpolate surface→v.surf.rst→モジュール→オプション(v.surf.rstは検索でも出てくる)

・オプションで入力するベクトルマップ名の選択、Attribute field(interpolated values)(標高フィールド)の選択、Name for output surface elevetion raster map(出力ファイル名 日本語不可)などを選択・入力する。

・最後に実行。(実行するとGRASSツール出力欄が開き作業進行状態が表示され、最後に成功しました。)(この状態ではQGISに出力ファイルは表示されない。●)

・「出力を見る」クリック●→QGISレイヤパネルにDEMレイヤ(ラスターファイル)が入る。ただし、画面には表示されない。!!!●


GRASSツールの画面の様子

1-4 出力DEMファイルの表示・利用(QGIS作業)

・出力DEMレイヤクリック→プロパティ→シンボロジ→モードを連続的を等間隔分類に変更する●(関連してクラスを例えば5に、カラーランプを反転するなどの調整をする)→適用→OK→出力DEMファイルが画面にカラーで表示される。(このレイヤの状態ではDEMとして機能しません。●)

・出力DEMレイヤクリック→エクスポート→名前を付けて保存→ラスタレイヤの保存→出力モードの生データにチェック(形式GeoTIFF●、ファイル名入力、座標参照系(例EPSG6677)OK→GeoTIFFファイルの出力(このファイルがDEMファイルとして3Dモデル構築に使えます。)


出力DEM表示例(QGIS)

1-5 Qgis2threejsによる3Dモデル構築

・Qgis2threejsのDEMで4で作成したGeoTIFFを指定して3Dモデル表示。

・3Dモデルを.gitfファイルで出力。


Qgis2threejs画面例

2 感想

・大小とりどりの「判らないこと」を試行錯誤で「判ること」にする作業は膨大な時間がかかり、結局この作業が出来るようになるまでに丸4日間かかりました。最も時間がかかったのは次の2点です。

1 QGISにGRASSが使えるバージョンと使えないバージョンがあり、使えないバージョンを使っていることに気が付くまでに丸2日間を要しました。

2 GRASS操作は全く始めてであり、基本操作習熟に丸1日間を当てました。

・丸4日間使ったとはいえ、紙等高線→3Dモデル作成スキル習得の価値はきわめて大きなものがあります。このスキルを得た満足感は大きなものがあります。

・このスキル習得により遺跡学習の意欲が強まってきています。

・GRASSのv.surf.rstモジュールは等高線にそって伸縮ゴム布を被せたような3Dモデル作成という機能を持っていますが、その調整が可能であり、今後その調整の様子を理解したいと思います。同時に類似別機能を有する関連モジュールがあり、それらの機能も理解したいと思います。

・考古遺跡学習のみならずGRASSをつかった地形分析に興味が深まります。

・GRASS活用の突破口が開いたことは自分にとって意義の大きなことです。


2020年12月15日火曜日

技術メモ QGISで作成した3Dモデルの3DF Zephyr Liteへのインポート方法

1 QGISで作成した地形3Dモデル(.gltf)の3DF Zephyr Liteインポート必要性

QGISで地形3Dモデルを作成し、その様子を動画で記録することができれば便利です。

QGIS3Dモデル画面(Qgis2threejs画面)をマウスでいじっている様子をGameDVR(Windows10付録ソフト)で録画する方法もあります。しかしこれではあまりに簡易であり、もう少ししっかりした動画を作成したくなることがほとんどです。しっかりした動画を手間をかけないで作れるソフトとして3DF Zephyr Liteがとても有用です。そのため、QGISで作成した地形3Dモデルを3DF Zephyr Liteにインポートする必要性が生まれます。

2 QGISで作成した地形3Dモデル(.gltf)の3DF Zephyr Liteインポート方法

QGISプラグインQgis2threejsで作成するは.gltfファイルです。これを直接3DF Zephyr Liteに投入できません。そこで、Blenderで.objファイルに変換して、それを3DF Zephyr Liteに投入します。


.gltfファイルの3DF Zephyr Litへの投入手順

なお、Blenderからエキスポートするファイルは.objファイル(及び.mtlファイル)だけではありません。テクスチャ画像(.pngファイル)も別作業でエクスポートする必要があります。この作業を省略して、単に.objファイルだけエクスポートして、それを3DF Zephyr Liteにインポートすると画像は貼り付きません。

.pngファイルと.objファイル、.mtlファイルは同じフォルダーに置く必要があります。


Blenderでのテクスチャ画像エクスポートの様子

3 3DF Zephyr Liteでの動画作成操作

3DF Zephyr Liteに.objファイルをエクスポートすると3DF Zephyr Liteに3Dモデルは底を正面に向けた状態で結像します。この状態をキズモで正立させてからアニメーターで動画を作成します。

2020年12月1日火曜日

2020年11月ブログ活動のふりかえり

 ブログ「花見川流域を歩く」とそのファミリーブログの2020年11活動をふりかえります。

1 ブログ「花見川流域を歩く」

・11月の記事数は23です。

ア アリソガイ製ヘラ状貝製品学習

・アリソガイ製ヘラ状貝製品の3Dモデル観察を深め、アリソガイの使用法についてまとめました。使用法検討でBlenderによる3Dモデル分析を行いました。

イ 「ちばの縄文」展示の3Dモデル作成

・千葉県立中央博物館企画展「ちばの縄文」展示物の3Dモデルと観察を行いました。自分が縄文社会を理解する上で特段に重要と思う展示物が多く、密かなる興奮を伴う活動となっています。

ウ 加曽利E式土器企画展観覧

・今年で3年目となる加曽利貝塚博物館企画展「あれもEこれもE 加曽利E式土器 北西部地域編」を観覧しました。

2 ブログ花見川流域を歩く番外編

・3Dモデル技術に関するものなど5記事を書きました。

・微小展示物(コハク)の3Dモデル作成にチャレンジし、3回目の撮影でようやく成功しました。

・3DF Zephyr LiteとBlenderをセットにして操作技術習得を進めました。3Dモデルの穴埋めとか、メッシュ間引きとか基礎技術が少し身に付き出しました。

3 ブログ花見川流域を歩く自然・風景編

・17記事を書きました。

・早朝の暗い時間、まだ光量の少ない日の出前後時間の撮影の仕方を工夫して、Photoshopの機能も利用して、より自分の好みに合った鮮やかな写真ができるように努力しています。

4 ブログ世界の風景を楽しむ

・11月は休載となりました。

5 ブログ芋づる式読書のメモ

・11月は休載となりました。

6 11月学習の特徴

・アリソガイ学習、展示物3Dモデル作成観察、3Dモデル作成スキル向上が活動の柱になりました。

・展示物3Dモデル作成観察では鉢ヶ谷遺跡出土中期土偶と小型深鉢土器の観察を行い、鉢ヶ谷遺跡と中部高地との関係について問題意識を深めました。また、養安寺遺跡出土コハクの観察と別途実施している同遺跡出土アリソガイ観察から、養安寺遺跡と有吉北貝塚との関係について問題意識を深めました。

7 12月学習のイメージ

ア 縄文社会消長分析学習

・養安寺遺跡と有吉北貝塚を最初の事例学習対象として、発掘調査報告書の詳細理解を行い、加曽利E式期頃の社会消長理解を深めることにします。

・この学習の中に継続しているアリソガイ学習を含めます。また「ちばの縄文」企画展と「あれもEこれもE」企画展展示物3Dモデル観察もこの学習の一環として行うことにします。

イ 3DF Zephyr Lite & Blenderのスキル向上

3DF Zephyr Lite & Blenderの操作スキル向上に意識して取り組み、この冬に「モノ」にします。

8 地名学習について

10月~11月にかけて数人の方から地名学習記事についてコメントをいただいたり、連絡をいただきました。地名学習については過去に熱中していた時期があり、ブログ記事も多数になります。そのブログ記事が検索でヒットして読んでいただき、興味を持っていただいたのだと思います。

縄文時代にも地名が存在していたことは100%確実であり、その縄文時代の地名(縄文晩期の地名)が連続して弥生時代にも使われたことも確実です。さらに弥生時代の地名も・・・、地名が完全に途切れた時期は房総では(日本では)なかったと想像します。縄文時代の地名(縄文語による地名)が現代にまで伝わっているものが存在することは確かであると思います。

このような意味から現在熱中縄文学習と過去熱中地名学習はリンクします。

なんと地名「千葉」は縄文語「チパ」(イナウの意)に由来し、古語枕詞「ちはやふる」の「ちは」に通じているという地名「千葉」語源説もあります。「地名「千葉」は縄文語起源 梅原猛仮説」参照

地名に関するコメントや連絡に刺激されて、いつか縄文学習が一段落する時があれば、地名学習に回帰してみたくなります。

9 展示物3Dモデル作成記事について

縄文土器等の展示物撮影と3Dモデル作成のスキルはそれを始めた2年前と比べると格段に効率的にできるようになってきています。

一方、それを記事にするときは、その対象物についていろいろ調べることをある程度徹底して行うので、時間がかかります。

そのため、記事にしていない3Dモデル素材が急激に増えています。展示物観覧を生かし切れていません。もったいないような気がします。

そこで、観覧撮影して作成した3Dモデルは原則全て記事にして情報公開して皆様と情報共有することにします。3Dモデル記事全てについて詳しい検討をすることは時間的に無理ですから、記事によっては検討やメモ・感想のないものもあれば、詳しい検討がなされるものもあるという状況を前提にすることにします。

参考

ブログ「花見川流域を歩く」2020年11月記事

〇は閲覧の多いもの

ブログ「花見川流域を歩く 番外編」2020年11月記事

ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」2020年11月記事


ブログ「花見川流域を歩く」2020年11月全23記事のサムネイル