2020年9月30日水曜日

貝殻成長線や擦痕の強調表示画像処理

 千葉市有吉北貝塚出土の縄文中期アリソガイ製ヘラ状貝製品の普通写真をPhotoshopハイパス機能を利用して画像処理すると貝殻成長線や擦痕が見事に浮かび上がってきました。

撮影写真がまるでピンボケのように逆に感じてしまいます。

画像処理技術恐るべしと感じました。

撮影写真→画像処理写真のアニメ (有吉北貝塚372図2)


参考 現生アリソガイの撮影写真→画像処理写真のアニメ

2020年9月25日金曜日

Photoshop輪郭検出試行

 考古出土物の特徴を線画で表現した絵をAIを使って作成できれば、考古学習に役立つように感じます。土器などでは写真にすると把握しにくい特徴が沢山あります。線画で表現すれば特徴を浮き彫りにすることができます。

この記事ではミミズク土偶を例にPhotoshopの輪郭検出機能を使って、それがどの程度効果的であるのか試行してみました。

1 試行対象としてミミズク土偶と実測図

2020.08.26記事「本当は怖いミミズク土偶」で検討した縄文晩期安行3a式ミミズク土偶(千葉市内野第1遺跡)[千葉市埋蔵文化財調査センター展示]を試行対象としました。


ミミズク土偶の展示の様子と実測図

実測図は千葉市内野第1遺跡発掘調査報告書から引用

2 3Dモデル画像の輪郭検出


3Dモデル画像の輪郭検出

実測図は千葉市内野第1遺跡発掘調査報告書から引用

展示物を正面から撮影することは困難ですからフォトグラメトリーにより3Dモデルを作成しました。そのテクスチャ付き3Dモデル正面画像を対象にしてPhotoshop「輪郭検出」機能と「輪郭のトレース」機能を利用して線画を作成しました。

「輪郭のトレース」機能では3回の操作を行いそれを1枚に「乗算」したものですが出来はあまりよくありません。画像の明るいところ、暗いところにトレース機能が影響を受けているようです。

一方「輪郭検出」機能はワンタッチでできる機能で「輪郭のトレース」よりも出来がいいです。また画像の明るいところ、暗いところの影響をあまり受けていません。

3 3Dモデルテクスチャ無しの輪郭検出


3Dモデルテクスチャ無しの輪郭検出

実測図は千葉市内野第1遺跡発掘調査報告書から引用

3Dモデルテクスチャ無し画像は線画ではありませんが、それ自体が情報量を減じた、形状だけを表現した要約資料と言えます。

Photoshop「輪郭検出」と「輪郭のトレース」ともに期待できるような結果を得られませんでした。その理由はおそらくPhotoshopが微妙な色の差異に着目して輪郭を探しているからだと思います。テクスチャ無し画像は色がグレーの濃淡だけであり、Photoshop「輪郭検出」「輪郭トレース」を適用しても大きな価値は生まれないようです。

4 感想

通常写真をPhotoshop「輪郭検出」機能を利用すれば写真を線画として要約することができる可能性を感じ取ることができました。Photoshop「輪郭検出」を、自分が期待するような方向でより粗くできるかどうかさらに検討したいと思います。


2020年9月24日木曜日

マウス交換

 1 マウス交換

使っているマウスの調子が悪くなり、交換しました。

力の入れ方とか持ち方を調整すれば使えなくもないのですが、マウスを長持ちさせることにエネルギーを注いでも意味がありませんから、交換しました。

具体的にはファイルを「つまむ」動作が途中で途切れたりして、場合によってはファイルが無関係のフォルダーにコピーされてしまう事故にもなります。

前回マウス交換の時と全く同じ症状であり、マウス左クリック板が継続利用のために変形してしまったためです。マウスを寿命まで全うさせたことであり、満足感もあります。

2017.12.13記事「マウス交換


歴代高機能マウス

左 7年前 Logicool Performance Mouse MX

中 3年前 Logicool MX MASTER 2S

右 今回 Logicool MX MASTER 3

2 マウス交換に難渋

10分もあればマウス交換できるとタカをくっくっていたのですが、難渋して、ハラハラドキドキして、サポートセンターに電話しようかとまで悩み、結局3時間かかってできました。

後から振り返ると、受信機をUSBに挿すとき不十分だったという物理的接触不良に気が付くことに時間がかかったことと、新たに機能を利用した別パソコンとの同時利用設定に手間取ったことです。いずれもわかってしまえば「あたりまえ」のことですが、わからなければ延々と試行錯誤を繰り返すしかありません。おそらくソフトや機器の設定に時間をかけることがばからしいので、そうした体験が少なくなり、ますます設定作業が不得意になるという悪循環に陥っているとおもいます。悪循環はしかたがないことです。今さらパソコン設定専門家を目指す意欲はありません。このような難渋体験は必要経費として支払うしかありません。

3 快適に趣味作業ができるLogicool MX MASTER 3

マウス交換ができると、右手の力の入れ方をコントロールするというばかげたエネルギーをつかわなくても自由に作業ができますから、快適です。

昼食後に居眠りしたくなる時間もマウスが快適ですから趣味作業がつぎからつぎへと進みます。

使っているAパソコンからマウスのカーソルを別のBパソコン画面にそのまま移動して、ファイルをつまんでAパソコンに持ってくることもできるようになりました。Bパソコンでだけしか使えないソフトが2つあり、ワンドライブ経由でのファイル移動などより極めて迅速に作業ができます。

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新旧マウスをLogicool Optionsに設定した画面


Logicool MX MASTER 3の機能設定画面


2パソコン同時利用設定画面


2020年9月22日火曜日

アートフィルター写真3枚を使った自分流加工写真の作り方

 カメラ(Olympus E-M5MarkⅡ)で1シャッターにつきアートフィルター写真6枚をブラケット撮影しています。

アートフィルター写真を有効活用するために、複数のアートフィルター写真を異なる方法でブレンドして自分好みの加工写真を作って楽しんできています。その方法は組み合わせを変えることによって無数にあるのですが、最近になってどのような写真でもほぼ自分が満足できる結果が得られる特定の方法を定式化しましたのでメモしておきます。

1 利用写真とPhotoshopレイヤー順番・描画モード

利用写真はポップアート、ドラマチックトーン、リーニュクレールの3画像を使います。

Photoshopレイヤ順番は上から、ポップアップ画像のハイパス処理画像(描画モード:ビビッドライト)、ポップアップ画像(描画モード:ピンライト)、ドラマチックトーン画像(描画モード:差の絶対値)、リーニュクレール画像(描画モード:デフォルト=通常)


Photoshop画面

説明

2 加工の変更方法

1の方法で好みの画像にならない場合、ドラマチックトーン画像(描画モード:差の絶対値)の描画モードを差の絶対値ではなく、他の描画モード(ブレンドモード)に変更します。他の描画モードにすることによってたいていは自分の好みの画像を作ることができます。


描画モード(ブレンドモード)を変更した時の変化の様子

3 感想

レイヤ1番上の「ポップアップ画像のハイパス処理画像(描画モード:ビビッドライト)」は画像全体を引き締めるような効果(精細感アップ)を持ちます。

レイヤー2番目の「ポップアップ画像(描画モード:ピンライト)」が基本となる画像です。ナチュラル画像(普通の画像)より鮮やかな色合いの写真です。なお、ここで描画モードをピンライトにすることが特段に重要であると感じています。ピンライトには特殊な効果があります。

レイヤー3番目の「ドラマチックトーン画像(描画モード:差の絶対値)」は画面の中に暗い部分を持ち込みますので、画面から受ける抑揚感が誇張されます。

レイヤー4番目の「リーニュクレール画像(描画モード:デフォルト=通常)」は地物の境界を線でトレースしたような効果を生み、絵画的な印象(あるいは劇画的な印象)が加わります。


2020年9月17日木曜日

クラウドドライブが6テラ突破

 ファイルバックアップに使っているクラウドドライブ(Amazonドライブ)の保存容量が丁度6.0テラバイトになりましたので、記録しておきます。

写真ファイル数…930607、5.185テラバイト

一般ファイル数…281524、0.815テラバイト


6.0テラを突破した画面

この2年ほどの博物館めぐり3Dモデル写真撮影により撮影写真数が急増していますが、写真ファイルバックアップはAmazonプライム会員無料であるので、バックアップが可能となっています。他のクラウドサービスでは撮影写真全部保存は経費の面で不可能だと思います。

日常の趣味活動で作成するファイルは全てその場でクラウドにバックアップする仕組みにしています。したがって、落雷等でパソコンおよびハードディスクが瞬時に全滅してもデータ上の損失は限りなくゼロになっています。このような基盤整備があって初めて安心して趣味活動に専念できます。

クラウドドライブには1986年私用パソコン初購入以来の個人関係・趣味関係全ファイルが収納されていて、事実上自分の頭脳一部として機能しています。

なお、個人所持全ファイルをクラウドにアップロードするのに結局、3年ほどかかりました。(1日30ギガまでしかアップロードできない規制があり、それに対応したアップロード作業が難渋したため。)

2020年9月1日火曜日

2020年8月ブログ活動のふりかえり

 ブログ「花見川流域を歩く」とそのファミリーブログの2020年8月活動をふりかえります。

1 ブログ「花見川流域を歩く」

8月18日に3000記事を通過しました。

8月の記事数は34です。展示施設展示縄文遺物の3Dモデル作成とその観察等により次のテーマについて考察を深め、思考を楽しみました。

ア 「記念墓」について

山田康弘著「縄文時代の歴史」(2019、講談社現代新書)に記述されている「記念墓」について、外来集団が在来集団を支配下におくというプロセス空想に基づいて、仮想的に思考してみました。

イ ヒスイ製勾玉について

加曽利貝塚博物館展示ヒスイ製勾玉についてそれが医療道具であり、同時に薬として多数回微量が削られたと仮説しました。

ウ 縄文中期土偶の3Dモデル観察

縄文中期土偶(千葉市柳沢遺跡)について3Dモデルを作成してはじめてそこに乳房2つがあることに気がつきました。展示現場では現物を見ても、大写し写真パネルをみてもそこに乳房を認識できませんでした。

エ 山形土偶の3Dモデル観察

山形土偶の3Dモデル観察をおこない、地母神殺害・死体バラバラの様子を確認しました。

オ 貝類の観察

ハマグリ、カガイミガイ、オキシジミ、オオツタノハなどの貝製品について3Dモデル観察しました。

カ アリソガイ実験学習の企画

アリソガイ実験学習の企画をメモしました。

キ サンダル状土製品の3Dモデル観察

サンダル状土製品が皮革製品現物のミニチュアであると考え、縄文皮革製品の出土がほとんどないことから特別に興味を持ち3Dモデル観察しました。

ク 畑・灌漑施設表現土器

文様に記号として畑・灌漑施設を表現していると考えられる中期土器を4例にわたって観察しました。畑・灌漑施設の理想の姿(桃源郷)が文様で表現されていると考えました。畑や灌漑施設が存在しない社会にその理想の姿が存在することはできませんから、中期に畑や灌漑施設が存在したことは確実であると考えました。

ケ ミミズク土偶の3Dモデル観察

ミミズク土偶を3Dモデル観察し、顔や乳房や全身の皮を剥いで拷問的に殺害する様子を観察しました。ミミズク土偶出現の後晩期は社会が精神的に病んでいると直感しました。

2 ブログ「花見川流域を歩く 番外編」

3Dモデル活用方法など5編の記事を書きました。

3 ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」

早朝散歩記事24編を書きました。梅雨が終わったので散歩に行ける日が多くなり記事数が増えました。

4 ブログ「世界の風景を楽しむ」

休載しました。

5 ブログ「芋づる式読書のメモ」

山田康弘著「縄文時代の歴史」(2019、講談社現代新書)の学習記事5編を書きました。1巡目学習が8月に終わり、9月一杯は「復習」を楽しむ予定です。

6 8月学習の特徴

時間資源をブログ本編に集中して学習を楽しみました。番外編、自然・風景編、世界の風景、芋づる式は適当に流したか、休みました。

畑・灌漑施設表現土器とかミミズク土偶異様性などは今後学習発展可能性のあるテーマです。

またアリソガイ学習に着手できたことも「実験」というこれまでにない活動であり、今後の学習に期待します。

8月31日にSketchfab投稿3Dモデルが500となりました。

7 9月学習のイメージ

8月学習で図らずも得た問題意識2つ(畑・灌漑施設表現土器とミミズク土偶異様性)とアリソガイ学習に時間資源を集中して学習してみることにします。

ア アリソガイ学習

・予備実験(シカ革の軟化、シカ皮の脱毛)

・アリソガイ出土物観察(閲覧…3Dモデル作成)

・資料調査

・サンダル状土製品閲覧…3Dモデル作成…皮革製品考察

イ ミミズク土偶

・中期土偶→山形土偶・ミミズク土偶・中空土偶の出土量・遷移の大局観を得る。(斉一性が増大しているか)

・遺跡における詳細分布(千葉市内野第1遺跡における詳細分布図の試行的作成→祈願内容に肉薄できるか?)

・「幸福否定」の指標化可能性検討

ウ 畑・灌漑施設表現土器

・類例3Dモデル観察の追加

・資料調査

参考

ブログ「花見川流域を歩く」2020年8月記事

〇は閲覧が多いもの

ブログ「花見川流域を歩く 番外編」2020年8月記事

ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」2020年8月記事

ブログ「芋づる式読書のメモ」2020年8月記事


興味を深めている3Dモデル