2020年1月31日金曜日

あり得ないカメラワーク

ショーケースガラス面越しに多数写真を撮影して、縄文土器3Dモデルを写真測量ソフト3DF Zephyr Liteで作成して学習を楽しんでいます。
このソフトで3Dモデルを動画撮影できること知り、それを試したところ簡便にできることを知りました。

加曽利EⅡ式深鉢(四街道市中山遺跡)企22 観察記録3Dモデルの動画
撮影場所:加曽利貝塚博物館 企画展「あれもE これもE ―加曽利E式土器(印旛地域編)―」
撮影月日:2020.01.07
整理番号:企22
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 51 images

この動画の素材を対象土器切り抜き前の展示状況全体の素材に置き換えたところ、そのカメラワークが現実にはあり得ないものとなりました。背面衝立や隣接土器の中をカメラが通過します。子供のように不思議な感覚を覚えました。

あり得ないカメラワーク


GigaMeshによる縄文土器展開写真表現例

GigaMeshによる縄文土器展開写真の表現例を検討しました。

検討事例は加曽利貝塚博物館企画展「あれもE これもE -加曽利E式土器(印旛地域編)-」(開催中)で展示されている加曽利EⅡ式深鉢(四街道市中山遺跡)企22です。

1 展示土器撮影写真例

加曽利EⅡ式深鉢(四街道市中山遺跡)企22

加曽利EⅡ式深鉢(四街道市中山遺跡)企22
土器内面までわかるようにカメラを手で持ち上げて撮影しています。

2 観察記録3Dモデル

加曽利EⅡ式深鉢(四街道市中山遺跡)企22 観察記録3Dモデル
撮影場所:加曽利貝塚博物館 企画展「あれもE これもE ―加曽利E式土器(印旛地域編)―」
撮影月日:2020.01.07
整理番号:企22
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 51 images

3 GigaMeshによる展開写真
3-1 土器表面
3-1-1 扇形表現

土器表面扇形表現

土器表面扇形表現 3Dモデル生成部のみ

3-1-2 矩形表現

土器表面矩形表現

土器表面矩形表現 3Dモデル生成部のみ

3-2 土器内面
3-2-1 扇形表現

土器内面扇形表現
土器表面扇形表現と同じ範囲の裏側を反対側視点から見ている情景です。

3-2-2 矩形表現

土器内面矩形表現
土器表面矩形表現と同じ範囲の裏側を反対側視点から見ている情景です。

4 メモ
・3Dモデルは土器を直観的・体験的に観察する上で優れたツールです。
・土器模様全体を平面に投影した土器展開写真があると全体像を一挙に把握できるので、3Dモデルとは別に有用なツールとなります。
・3Dモデルが地球儀なら、土器展開写真は世界地図です。
・世界地図に各種投影法があるようにゆがみの分散の仕方や表現のくせ・好みにより土器展開写真の表現方法はいろいろと考えることができます。GigaMeshでは扇形表現と矩形表現ができます。GigaMeshでは投影の細部調整も可能です。
・ほとんどの土器が円錐体の一部であるという特性から、自分は扇形表現を主に使うことにします。
・GigaMeshでは土器内面の展開写真も作成できるのでおこげ状況などの興味に応じて活用することにします。

2020年1月12日日曜日

土器3Dモデルから断面図作成

縄文土器の内側まで写真撮影できた3Dモデルでは器形を示す断面図を作成することができますので、作成してみました。

1 土器3Dモデルから断面図作成用断片の切り取り

土器の3Dモデル
加曽利EⅢ式深鉢(酒々井町墨木戸遺跡)(加曽利貝塚博物館企画展「あれもE これもE-加曽利E式土器(印旛地域編)-」展示土器)
ブログ「花見川流域を歩く流域を歩く」2019.12.02記事「縄文土器切断3Dモデル」参照

断面作成用断片の範囲指定(赤部分)
オルソグラフィック投影(上から)

断面作成用断片
オルソグラフィック投影(正面)

2 断面図作成

断面図
オルソグラフィック投影(右から)
作成できた断面図は原理的に写真測量的正確性を保持しています。

3 参考

土器断片を広くとった場合
(この例では扇形で土器断片を切り取っています。)
土器断片を広くとってしまうと土器円周の影響が断面に出て、扱いづらくなります。

2020年1月10日金曜日

3Dモデル作成時間カウント

パソコンを新しいものに更新してから3Dモデル作成時間が大幅に短縮しましたので、その時間を計測してみました。使用ソフトは3DF Zephyr Liteです。

投入写真 45枚

写真投入から未調整素3Dモデル作成までの時間7分
写真を45枚投入した場合7分の所要時間であることが分かりました。パソコン更新前は40分~50分ほどかかっていましたから時短効果は超絶です。
時短要因としては高速CPU、高速GPU、SSD採用、メモリー増大(16→32G)などがかかわっているようです。
なお、現在は写真を内蔵ハードディスクにおいて作業していますが、写真をSSDにおいても所要時間は全く同じでした。

2020年1月8日水曜日

展示土器3Dモデルの作成方法(3DF Zephyr Lite操作方法)

展示土器3Dモデルの作成方法のうち3DF Zephyr Liteの操作方法が自分なりに定式化して効率化や時短が実現してきていますのでメモしておきます。

展示土器3Dモデルの作成方法(3DF Zephyr Lite操作方法)
1 テクスチャ付メッシュを作成する
3DF Zephyr Liteで写真を取り込み→低密度点群を作成し→3Dモデルを作成し(高密度点群、メッシュ)→テクスチャ付きメッシュを作成します。
ここまでの操作は機械的に進めます。

2 テクスチャ付きメッシュをオルソグラフィック投影する
シーン→カメラ→オルソグラフィック投影でオルソグラフィック投影にチェックを入れます。

オルソグラフィック投影にチェックを入れた様子

3 上からのビューにする
シーン→カメラ→…からのビュー→上で上からのビューにします。

上からのビューにした様子

4 土器正面が正位置に来るように画像を回転する
土器正面が正位置に来るように画像を回転させます。

土器正面が正位置に来るように画像を回転させた様子

5 左からのビューにする
シーン→カメラ→…からのビュー→左で左からのビューにします。(右からのビューにしてもかまいません)

左からのビューにした様子

6 土器が正立するように画像を回転させる
土器が正立するように画像を回転させます。

土器が正立するように画像を回転させた様子

7 正面からのビューにする
シーン→カメラ→…からのビュー→正面で画像を正面からのビューにします。

正面からのビューにした様子

8 画像の傾きをなくす
画像の傾きがなくなるように画像を回転させます。

画像の傾きをなくした様子

9 画像を上からのビューにして不必要な部分を指定する
シーン→カメラ→…からのビュー→上で画像を上からのビューにします。
ツール→選択→手動選択→長方形→マウスで必要な土器付近の範囲指定操作
→ツール→選択を反転で不必要な部分を範囲指定します。

不必要な部分を範囲指定した様子

10 不必要な部分を削除する
デリートキーを押して不必要な部分を削除します。

不必要部分を削除した様子

11 オルソグラフィック投影を解除する
シーン→カメラ→オルソグラフィック投影でオルソグラフィック投影を解除します。

オルソグラフィック投影を解除した様子

12 不必要な部分を削除する
ツール→選択→手動選択→ポリラインにして、マウスで不必要な部分を範囲指定し、デリートキーで削除します。(操作を何回か繰り返して不必要部分を丁寧に削除します。)

不必要部分を範囲指定した様子

不必要部分を削除した様子

13 境界ボックスを表示する
シーン→境界ボックス→境界ボックスを編集で境界ボックスを表示します。

境界ボックスを表示した様子

14 境界ボックスを編集する
マウスで境界ボックスの傾きを青・緑・橙色円で調整します。さらに境界ボックスの大きさをボックスの面で調整します。

境界ボックスを編集した様子
この状態で3Dモデル作成は完成しました。

15 ファイルを保存し、出力する
ファイルを保存するとともにSketchfab出力などを行います。 

2020年1月4日土曜日

2019年12月ブログ活動のふりかえり

ブログ「花見川流域を歩く」とそのファミリーブログの2019年12月活動をふりかえります。

1 ブログ「花見川流域を歩く」
12月の記事数は29編であり、前月の6編からV字回復しました。主に茅野市の尖石縄文考古館展示土器の3Dモデル作成とその考察・感想記事となりました。
土器に対する縄文人の情念・気持ち、つまり土器に自分の何かを表現しようとする(投影しようとする)気持ちが長野県八ヶ岳付近と千葉県千葉市付近であまりに違うので、土器学習をするうえで大いに参考になります。
生活環境の厳しさや物質的制約が強いと土器に対する情念投影が強くなるような印象を受けます。降雪や寒冷により住居に閉じ込められて、土器づくりに没頭できる時間が多いという条件もかかわるかもしれません。

2 ブログ「花見川流域を歩く 番外編」
パソコン技術記事など4編の記事を書きました。

3 ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」
都合により散歩記事2編だけとなりました。

4 ブログ「世界の風景を楽しむ」
1編の記事となりました。

5 ブログ「芋づる式読書のメモ」
休載となりました。

6 12月活動の特徴
・2019年8月から9月にかけて千葉県及び長野県の縄文土器展示施設を多数訪れ3Dモデル用撮影を行いました。その写真の3Dモデル化が積み残されていたのですが、そのほとんどを12月中に処理し、3DモデルをSketchfabで公開することができました。
・加曽利貝塚博物館の特別許可のもとに称名寺式土器と異形台付土器2点の3Dモデル用撮影を行いました。

7 1月活動のイメージ
・現在加曽利貝塚博物館で開催されている加曽利E式土器企画展の展示土器すべての3Dモデルを作成することにします。また関連講演会の聴講も行いたいと思います。
・12月末撮影称名寺式土器と異形台付土器の3Dモデルを作成分析して記事を書く予定です。
・ブログ開設9周年を迎え、趣味活動の今後の在り方について思考を深めることにします。

参考
ブログ「花見川流域を歩く」2019年12月記事
〇は閲覧の多いもの
ブログ「花見川流域を歩く 番外編」2019年12月記事
ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」2019年12月記事
ブログ「世界の風景を楽しむ」2019年12月記事
ライオン像

把手状装飾付波状口縁深鉢(茅野市棚畑遺跡)

縄文土器展開2D写真の作成

見よう見まねで、縄文土器3Dモデルから2D展開写真を作成しましたのでメモします。
比較的簡易に作れますので、土器外面模様の観察と考察に大いに役立つツールになりそうです。
興味が深まっている「深鉢形土器(飯田市大門町遺跡)上12 観察記録3Dモデル」を対象としました。

1 2D展開写真作成にチャレンジした3Dモデル

深鉢形土器(飯田市大門町遺跡)上12 観察記録3Dモデル
撮影場所:飯田市上郷考古博物館
撮影月日:2019.09.25
整理番号:上12
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 17 images

2 2D展開写真につかったオルソグラフィック投影画像

オルソグラフィック投影画像
3Dモデルをオルソグラフィック投影して30度刻みで回転させて画像を取得しました。

3 2D写真の貼り付け作業

2D写真の貼り付け作業
Photoshopのパペットワープツールを利用して貼り付けました。

4 2D展開写真

「深鉢形土器(飯田市大門町遺跡)上12 観察記録3Dモデル」から作成した2D展開写真
両脇が少し丸みを帯びた写真になりました。遠近ワープツールを使えば別の種類の2D展開写真も作れそうです。
土器表面模様学習のための有力ツールを入手できました。

2020年1月1日水曜日

Sketchfab画面マウスホイール押しによる対象物移動

webにおけるSketchfab画面でマウスホイールを押すと対象物の移動が可能となり、対象物の端でも正面として拡大できることを体験的に知りました。
大変便利な機能ですので、メモしておきます。

Sketchfab画面マウスホイール押しによる対象物の移動
日常使っている高機能マウスだけでなく、有線格安マウス(ホイール付き)でも対象物を移動できました。
偶然にこの操作を知りましたが、それまでは端の部分を拡大すると視線入射角が小さくなり、観察が困難となっていました。