2018年7月27日金曜日

世界は一つの干拓地

ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、上下)の学習 23

ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、上下)を読んでその抜き書きをしたり、感想をメモしたりしています。この記事では「第4部将来に向けて 第16章世界は一つの干拓地」の感想をメモします。
この第16章が本書の結論になります。なお「追記アンコールの興亡」は別記事とします。

1 世界は一つの干拓地
本書の結論を次の項目で詳しく述べています。
・とりわけ深刻な”12の環境問題”
・問題解決と社会の持続可能性
・ロサンゼルス生活と環境問題
・反論への反論-問題から目をそむける数々の定説の検証
・過去と現在-その相違と相似
・希望の根拠-慎重な楽観主義者として

2 とりわけ深刻な”12の環境問題”
次の12の環境問題を詳しく説明しています。
・自然の生息環境
・野生の食糧源
・生物の多様性
・土壌
・エネルギー
・真水
・光合成能力
・毒性化合物
・外来種
・温室効果ガス
・人口増加
・一人当たりの環境侵害量

一人当たりの環境侵害量で例示されている世界夜景地図 ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、下)から引用 

3 反論への反論
深刻な環境問題は全部を解決しないと解決にならないという考えが著者の基本にあり、ロサンゼルスでの生活を例にして身近な問題としてその解決必要性を著者は述べています。
そして、問題解決に抵抗する次の反論への反論を詳しく述べています。著者の考え方つまり文明崩壊に立ち向かう考え方が具体的にわかる記述となっています。
●〝環境と経済の兼ね合いが肝心〟
●〝科学技術が問題を解決してくれる〟
●〝ひとつの資源を使い果たしたら、同じ需要を満たす別の資源に切り替えればいい〟
●〝世界の食糧問題というものは存在しない。食糧はすでにじゅうぶんにある。われわれはただ、その食糧を必要な場所へ届けるための輸送問題を解決すればいい(エネルギーについても同様)〟
●〝世界の食糧問題は、コメその他の多収穫品種を生み出した「緑の革命」によって解決済みだ。そうでなくても、遺伝子組み換え作物によって解決するだろう〟
●〝個人の寿命、健康、財産――経済学用語で言うとひとり当たり国民総生産――などの常識的な指標で見れば、生活条件は何十年ものあいだ向上し続けている〟
●〝ちょっと周りを見渡してみても、芝生はまだ緑で、スーパーマーケットには食品があふれ、蛇口をひねればきれいな水が出てきて、崩壊が忍び寄っている気配などまったくない〟
●〝過去に何度、環境保護論者たちの大げさな破滅の予言がはずれてきたことか。もうそんなものには踊らされない〟
●〝世界の人口の増加率は落ちてきているのだから、人口問題はおのずから解決しつつある。このまま行けば、現在の人口の二倍以下のレベルで落ち着くだろう〟
●〝世界は増えゆく人口を無限に吸収できる。人が多くなればなるほど、多くのものが創り出され、ひいては富が増えるのだから、それは望ましいことだ〟
●〝環境への配慮は、先進国の気楽な金持ちにだけ許される贅沢で、貧苦にあえぐ第三世界の住民にそういうものを押しつけるべきではない〟
●〝環境問題が絶望的な結末を迎えるとしても、それは遠い将来のことで、自分は死んでいるから、真剣に考える気になれない〟

4 過去と現在-その相違と相似
過去の文明崩壊と現代人が向き合っている文明崩壊の大きさの違いについて次のように述べています。
そう、過去の社会が置かれた状況と今日のわたしたちの状況とのあいだに大きな差があることは事実だ。いちばんはっきりした差は、わたしたちがはるかに大きな人口をかかえていて、環境を侵害する力のある科学技術をはるかに多くかかえていることだろう。六十億を超える人間が、ブルドーザーなどの重機や原子力で武装しているのだ。それに比べて、イースター島では、最高でも数万の住民が石の鑿と人間の筋力を振るっていたに過ぎない。なのに、イースター島民は自分たちの環境を痛めつけ、自分たちの社会を崩壊の瀬戸際まで追い込むことができた。この差は、わたしたちにとって、危険を小さくするどころか、大きく膨らませる要素だと言える。」ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、下)から引用 
著者は地球規模での文明崩壊を懸念しています。

同時に個別地域での崩壊も次のデータを示して説明しています。

政治問題を内包する社会と環境問題を内包する社会 ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、下)から引用 

同時にオランダやティコピア島、江戸時代日本の例をあげ世界が相互依存社会になっている様子を述べています。
そういう利害の衝突を最小限に抑えようと努めている社会の好例が、オランダだろう。オランダ人はおそらく、世界でいちばん環境保護意識の高い国民であり、環境団体への加入率も高い。
オランダ人はみんな、ポルダーで肩を寄せ合っているんだ。金持ちは安全な堤防の上に住んで、貧乏人はポルダーのいちばん底、というようなことはない。堤防とポンプがだめになれば、みんないっしょに溺れてしまう。
今日の世界は、ティコピア島や江戸時代の日本と同様、全体がひとつの自足し孤立した社会集団なのだ。ティコピア島民や日本人のように、わたしたちは今、助けを仰いだり、問題を輸出したりする相手(ほかの島、ほかの惑星)などないということを認識しなくてはならない。手持ちの方策、内部の努力で切り抜けていくしかないということだ。」ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、下)から引用

5 希望の根拠
最後に迫る地球規模の文明崩壊に対して、その問題が解決不能の問題ではないことと、現代では過去の失敗に学ぶ機会に恵まれていることを述べています。

6 感想
ア この図書を読んで地球規模の文明崩壊が10年とか20年とか30年とかくらいの時間後にあり得ることに現実感を持つことができました。
イ この図書で扱われている事例は全て農業社会以降の例であり、余剰生産物が生れ社会の階層化が進んだ事例であることに気が付きました。日本の考古歴史でいえば弥生時代以降の文明崩壊(社会崩壊)にこの図書の分析方法を適用できると考えます。
奈良平安時代下総台地の開発集落崩壊検討でこの図書の考え方を参考にしましたが理にかなった検討であったとふりかえります。(「奈良・平安時代に開発した印西の船穂郷(戸神・船尾)の謎~大結馬牧の姿が見えてきた~」参照)
ウ もともと縄文時代集落消長の要因を知る参考にこの図書が利用できないだろうかと考えて読みだした図書です。そういう意味では参考にはなりますが直接的に期待した結果はありませんでした。縄文時代集落の消長(崩壊)の参考文献にこの図書はならないことがわかりました。余剰生産物のない、自然法則がより直接支配する社会の消長を扱った参考文献を見つけたいと思います。

2018年7月21日土曜日

大企業と環境

ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、上下)の学習 22

ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、上下)を読んでその抜き書きをしたり、感想をメモしたりしています。この記事では「第4部将来に向けて 第15章大企業と環境-異なる条件、異なる資源は誰のものか?」の感想をメモします。

1 大企業と環境-異なる条件、異なる資源は誰のものか?
この章では次の項目に従い、筆者の体験を中心に大企業の環境破壊あるいは大企業の優れた環境対策について詳しく記述しています。日本語で読む大企業と環境に関する多くの文章とは一味も二味も異なる内容です。筆者のグローバルな体験が生み出したあるべき企業観は説得力のあるものです。
・ふたつの油田地帯
・石油会社による環境保護
・鉱業がもたらす環境破壊と汚染
・企業間で異なる環境への取り組み
・林業がかかえる問題
・森林管理協議会の成果
・遠洋漁業と環境問題
・企業と公共性-一般市民はどう関わる?

2 企業と公共性-一般市民はどう関わる? 要約
大企業の業務慣行のひとつに、少なくとも短期的には、環境を損ない、人々を傷つけることによって最大限の利益をあげるという原理がある。
しかし、これに対して当事者ではない一般人が非難の声をあげてもなかなか変化はうみだせない。
企業は株主に対して合法的な手段で最大限の利益をあげる義務を負っているいるからだ。
企業への非難は、人々に害を及ぼして企業利益をあげるような状況を作ったのが、突き詰めれば一般市民の責任だということを無視している。
持続不能な伐採で作られた木製品を買い続けたのは一般市民だ。
狂牛病対策を5年間渋ったアメリカ食肉業界は、ハンバーガーの売り上げが急落したマクドナルドの要求に対して数週間のうちに狂牛病対策を執った。
一般市民の務めは、供給チェーンの環の中で、大衆の圧力に敏感な環を探し当てることだ。そう、食肉業者や木材業者や金鉱会社ではなく、マクドナルドやホーム・デポやティファニーという環を。
読者のなかには、人々に害を及ぼす企業の慣行に対して、わたしが最終的な責任を一般市民に負わせることに、失望したり憤ったりする向きもあるだろう。わたしはさらに、企業が健全な環境対策を採ることによって生じる付加的な経費を、通常の価格構成要素のひとつとして、一般市民が負担するべきだとも思っている。この考えかたは、企業が利益のあるなしにかかわらず高潔な規範に従うべきだという社会倫理を無視しているように見えるかもしれない。わたしは、人類の歴史の全行程において、人が血縁や地縁を持たない他人と遭遇する政治的に複雑なすべての人間社会では、道徳的原理の強制が必要とされるというまさにその理由から、政府による規制が生まれたのだと考えたい。道徳的原理を錦の御旗にするのは、高潔な行動を引き出すために必要な第一歩ではあるが、それだけではじゅうぶんとは言えない。
 わたしにとって、どんな大企業の行動にも一般市民が最終的な責任を負うべきだという結論は、けっして重苦しいものではなく、むしろ前向きの希望に満ちたものだ。わたしの結論は、誰が正しくて誰が間違っているか、誰が廉直で誰が身勝手か、誰が善で誰が悪かという倫理的なものではない。わたしの結論は、過去の見聞に基づく予測だ。一般市民が企業に違う行動を期待し、要求したとき、自分たちの望む行動を採った企業に報奨を与え、望まない行動を採る企業に苦汁を飲ませたとき、企業は変わった。わたしは予測する。過去にそうだったのと同じように、未来においても、一般市民の姿勢の変化こそが、企業の環境に対する振る舞いの変化に必須の要素となることを。」ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、下)から引用

3 感想
「企業と公共性-一般市民はどう関わる?」の最後の引用文章はまさにその通りだと思います。自分たちの望む行動を採った企業に報奨を与え、望まない行動を採る企業に苦汁を飲ませる行動が必要です。

花見川風景 2018.07.21

 

2018年7月18日水曜日

Illustratorによる断面図計測

発掘調査報告書に掲載されている断面図の高度をIllustratorの機能を使って正確に計測できますので、図解でメモしておきます。

基準高度、スケールがある場合の断面図任意点の高度を求める方法 1

基準高度、スケールがある場合の断面図任意点の高度を求める方法 2

基準高度、スケールがある場合の断面図任意点の高度を求める方法 3
長方形グリッドツールを使って10マス×10マスの正方形表組をつくり、それを拡大縮小してスケールに合わせて配置すれば高度を正確に読み取ることができます。距離と角度は計測ツールが便利です。

2018年7月16日月曜日

社会が破滅的な決断を下すのはなぜか?

ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、上下)の学習 21

ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、上下)を読んでその抜き書きをしたり、感想をメモしたりしています。この記事では「第4部将来に向けて 第14章社会が破滅的な決断を下すのはなぜか?」の感想をメモします。

1 社会が破滅的な決断を下すのはなぜか?
文明崩壊の多数の例と成功社会の幾つかの例から社会がなぜ破滅的な決断を下すのか、次の項目に従って詳しく分析しています。
・正しい意思決定へのロードマップ
・環境問題の予期
・環境問題の感知
・合理的かつ非道徳的な行動
・環境被害に結びつく価値観
・非合理的行動が生み出す失敗
・失敗に終わる解決策
・希望の兆し-失敗の原因を理解すること

最初の「正しい意思決定へのロードマップ」で集団の意思決定を失敗にいたらしめる要因を次のように整理しています。

●集団の意思決定を失敗にいたらしめる要因
1 実際に問題が生まれる前に、集団が問題を予期することに失敗する可能性
2 問題が生まれたとき、集団がそれを感知することに失敗する可能性
3 問題を感知したあと、解決を試みることにさえ失敗する可能性
4 解決を試みたとしても、それに成功しない可能性

以下本書中で記述されている事例を列挙します。

2 集団の意思決定に失敗した事例
2-1 実際に問題が生まれる前に、集団が問題を予期することの失敗
・オーストラリアへの19世紀イギリス人入植者のキツネとウサギの持ち込み
・グリーンランドのノルウェー人がヨーロッパにおける象牙輸入によるセイウチ牙市場の消滅や海氷増大による船舶交通途絶を予見できなかったこと
・コパンのマヤ族が土壌浸食を予見できなかったこと
・(文字がないので旱魃の歴史が伝わらず)ツチャコ峡谷のアナサジ社会が旱魃に屈したこと
・(旱魃の歴史を文字にしなかったので)古典期低地マヤが旱魃に屈したこと
・アイスランド入植ヴァイキングの土壌の見誤り

2-2 問題が生まれたとき、集団がそれを感知することの失敗
2-2-1 文字通り感知できない事柄
・地力をもたらす栄養分の存否…オーストラリア、マンガレヴァ島、アメリカ南西部各地

2-2-2 遠く離れた管理者
・モンタナ州
・(現場管理者による成功した事例…ティコピア島、ニューギニア高地人)

2-2-3 振幅の大きい上下動に隠された緩やかな傾向(這い進む状態、風景健忘症)
・地球温暖化
・中世グリーンランド人(寒冷化)
・マヤ族、アナサジ族(乾燥化)
・モンタナの氷河
・イースター島の高いヤシの木

2-3 問題を感知したあと、解決を試みることの失敗
2-3-1 合理的行動(利害衝突)
・助成金によるアメリカでのサトウキビ栽培
・助成金によるオーストラリアでの綿花栽培
・モンタナ州西部の不法なカワカマス持ち込み
・モンタナ州鉱業会社の汚染放置の廃業

2-3-2 共有地の悲劇(囚人のジレンマ、集団行動の論理)
・主要海洋漁場の過剰利用、崩壊
・人が定住した島、大陸における大半の大型動物の絶滅
・(幸運例…モンタナの漁場や灌漑系の維持、江戸時代日本・インカ帝国・16世紀ドイツ公国君主による樹木管理)
・(幸運例…ティコピア島島民・ニューギニア高地人・インドカースト構成員の資源管理、アイスランド人)

2-3-3 主要消費者と社会全体の利害衝突
・熱帯雨林の商業的伐採

2-3-4 支配層と一般社会の利害衝突
・エンロンの経営陣
・マヤの王たち、ノルウェー領グリーンランドの首長たち、現代ルワンダの政治家たち
・(幸運例…オランダの政治家と大衆、ニューギニア高地人のビッグ・マンたち

2-3-5 宗教上の価値観
・宗教上の価値観…イースター島の森林乱伐、ノルウェー領グリーンランド

2-3-6 価値を失った価値観への固執
・オーストラリアの羊の飼育
・モンタナの採鉱と伐採と牧場経営の問題解決を渋る
・ルワンダ人の大きな家族を持つ理想

2-3-7 非合理的行動
・一般庶民の反感…オーストラリアタスマニア州における緑の党のキツネ導入抗議
・短期と長期動機の衝突…熱帯サンゴ礁を擁する地域の貧しい漁師、アメリカ政府の新しい指導者
・群衆心理…十字軍熱狂、チューリップ熱、魔女裁判、ナチスに煽り立てられたドイツ民衆狂乱状態、ピッグス湾事件

2-4 試みた解決策の失敗
2-4-1 問題が解決能力を超えている(法外な費用、努力が足りなすぎる、遅すぎる)
・ノルウェー領グリーンランドの破綻
・アナサジの最終的な失敗

2-4-2 外来種の問題
・モンタナ州のハギクソウ
・オーストラリアのウサギ

3 社会が常に問題解決に失敗するわけではないこと
幾つかの集団は失敗する一方、他の集団はそうならない。

3-1 失敗の原因を理解すれば大きな災いを回避することができる。
そういう理解がうまく利用された特筆すべき事例として、ケネディ大統領とその顧問団による、キューバとアメリカをめぐる連続した二回の危機に対する審議の対照性が挙げられる。一九六一年の春、彼らは浅はかな集団意思決定の罠に落ちて、ピッグズ湾への侵攻開始という破滅的な決断に及んだ。それは不名誉な失敗に終わり、はるかに危険なキューバ・ミサイル危機を招くことになった。アーヴィング・ジャニスがその著書『集団思考』で指摘しているように、ピッグズ湾事件の審議には、間違った決断を導きがちな数多くの特徴が見られた。例えば、表向きの合意の早まった察知、個人的な疑念や反対意見の表明に対する抑圧、集団の指導者(ケネディ)が意見の不一致を最小限にする方法で議論を進めたことなどだ。しかし、その後に続いたキューバ・ミサイル危機の審議では、ふたたびケネディと同じ顔ぶれの顧問の多くが関わったものの、それらの方向性を回避して、議論を有意義な意思決定に結びつく軌道に乗せることができた。その要因としては、ケネディが、疑念を捨てずに考えるよう参加者に命じたこと、好き勝手な意見が言えるまで論議を重ねたこと、複数の下位集団と別々に、会談したこと、自身が議論に影響を与えすぎないよう、ときどき席をはずしたことなどが挙げられる。
 なぜ、二回のキューバ危機の意思決定は、これほど異なる展開を示したのだろうか? 大きな理由は、ケネディ自身が一九六一年のピッグズ湾事件の大失態後に、自分たちの意思決定のどこが間違っていたのかを真剣に考え、顧問団にも真剣に考えるよう指示したことだろう。その考えに基づき、ケネディは、一九六二年の討議での顧問団の動かしかたを、意図的に変更したのだ。」ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、下)から引用

3-2 勇気と洞察力を持った賞賛すべき指導者
江戸時代初期の将軍たちは、日本の森林乱伐をイースター島の段階に達するずっと前に食い止めた。ホアキン・バラゲールは、(いかなる動機があったにせよ)イスパニョーラ島東側のドミニカで環境保護を強硬に支援して、西側のハイチと対照的な成果をあげた。ティコピアの首長たちは、メラネシア全域でブタが珍重されていたにもかかわらず、島に損害をもたらすブタを根絶する決断を取りまとめた。中国の指導者たちは、国の人口過剰がルワンダの水準に達するずっと前に、家族計画を義務づけた。賞賛すべき指導者たちのなかには、ドイツ首相コンラート・アデナウアーをはじめとする西ヨーロッパの指導者たちも含まれる。彼らは第二次世界大戦後、このようなヨーロッパの戦争が再発する危険を最小限に抑えることをおもな目的に据え、単独の国益をなげうって、欧州経済共同体としてヨーロッパの統合に乗り出した。わたしたちは、勇敢な指導者たちだけでなく、勇敢な国民も賞賛しなければならないだろう。フィンランド人、ハンガリー人、イギリス人、フランス人、日本人、ロシア人、アメリカ人、オーストラリア人、その他の人々――彼らは、どの基本的価値観が死守に値するのか、どの価値観がもはや意味をなさないのかについて、賢明な決断を下した。」ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、下)から引用

4 感想
この14章が文明崩壊という本書の全体要約になります。広い視野、広い知識、バランスの取れた思考に魅了されました。
問題を感知した後その解決を試みる際、短期の動機と長期の動機が衝突する非合理的行動の事例として「アメリカ政府の新しい指導者」が詳しく説明されていますが、現在のトランプ大統領の行動そのものを説明しているようで、特に感心しました。

環境問題解決事例 過去社会

 



2018年7月14日土曜日

搾取されるオーストラリア

ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、上下)の学習 20

ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、上下)を読んでその抜き書きをしたり、感想をメモしたりしています。この記事では「第3部現代社会 第13章搾取されるオーストラリア」の感想をメモします。

1 搾取されるオーストラリア
次の項目について詳しくオーストラリアの資源搾取と環境破壊等の問題が述べられています。
・オーストラリアの重要性-資源の搾取
・最も非生産的な大陸
・予想不可能な降雨量
・他国からの距離の問題
・歴史-入植者と先住民
・価値観の輸入
・貿易と移民
・土地の劣化
・その他の環境問題-林業、漁業、淡水、外来種
・希望と変化の兆し
オーストラリアに最初に入植した人々が見た豊かな森林や草原はいったんそれを消費すると再びもとに戻らない脆弱なもので、かつ降雨量の予測ができないことから資源の搾取と環境破壊が進んだ様子が詳しく分析されています。
筆者は最初に「生態学的に見ると、オーストラリアの環境は並はずれて脆弱で、おそらくアイスランドを除けば、先進国中で最も脆弱だろう。その結果、他の先進国にいずれ大損害をもたらすかもしれず、第三世界の諸国ではすでに顕在化している多くの問題――過放牧、塩性化、土壌浸食、外来種、水不足、人為的な旱魃――が、オーストラリアではゆゆしき段階を迎えつつある。つまり、オーストラリアは、ルワンダやハイチのように崩壊の危機に瀕しているわけではないが、現在の傾向が続けば先進国のどこかで実際に起こるはずの数々の問題の、毒見をしているようなものだ。」とまで書いています。

オーストラリアの地図(標高で色分けした地図)

オーストラリアの地図(森林率地図)

2 希望と変化の兆し
希望と変化の兆しの項で筆者は次のように述べています。
「 希望と変化の兆し
 つまり、オーストラリアは並はずれて脆弱な環境をかかえ、それがさらに、莫大な経済的負担を強いるいくつもの過程で損なわれてきた。それらの損失の一部は、もはや回復不可能な過去の被害から生じている。例えば、数種類の土地の劣化や、在来種の絶滅がそうだ――近年、オーストラリアではどの大陸よりも多くの種が絶滅している。ほとんどの被害は、今日も進行中か、あるいはタスマニア州における原生林伐採の事例のように、さらに増大もしくは加速しつつある。被害の過程のいくつかは、長期の構造的なタイムラグのせいで、もはや食い止めることが不可能に近い。例えば、すでに移動した塩分を含む地下水の、丘のふもとへのゆるやかな流れによる影響は、何世紀にもわたって広がり続けるだろう。多くのオーストラリア人の文化的な姿勢と政府の施策は、過去に損害をもたらし、現在ももたらし続けていながら、変化しないままだ。例えば、水政策の改革に対する政治的な障壁の中に、〝水利権〟(灌漑用水を引く権利)の市場から生まれる障壁がある。この水利権の購入者は、当然のことながら、利用のために高い金を払った水を実際に所有していると考える。しかし、許可証に記載された用水の総量が平年に得られる水量を上回ってしまっているのだから、その権利を所有者全員が行使することは不可能だ。
 悲観的になりがちな人は、あるいは単に現実を冷静にとらえようとする人も、以上に挙げた事実を見れば、オーストラリアが、確実に悪化する環境の中で生活水準を落としていく運命にあるのではないかと疑ってしまうだろう。それは、オーストラリアの将来のこの上なく現実的なシナリオだ。人類滅亡論者が予言するイースター島のような人口激減や、現代オーストラリアの政治家や企業家の多くがのんきに想定する現在の消費率と人口増加の継続よりも、はるかに蓋然性が高い。あとに挙げたふたつのシナリオが非現実的で、最初のシナリオが現実的であるという見通しは、ほかの先進諸国にも当てはまる。唯一の違いは、オーストラリアがどこよりも速く最初のシナリオに行き着く可能性が大きいという点だろう。 幸いなことに、希望の徴候もある。姿勢の変化、農業経営者たちの考えかたの変化、民間主導の活動、政府主導の抜本的な活動の始まり。こういう風向きの変化は、ノルウェー領グリーンランド(第8章・上巻)との関連ですでに検討し、このあと第14章と第16章でも振り返るひとつの主題を例示している。社会に深く根づいた基本的価値観のうち、どれを社会の存続と両立させられるか、そしてどれを捨て去らねばならないかを決断するという難題だ。

… … …

 オーストラリアでは、今や世界じゅうを巻き込み、幾何級数的に加速する二頭立ての競馬が極端な形で試行されている――〝加速〟とはどんどん速度を増すこと、〝幾何級数的な加速〟とは核分裂連鎖反応のように、等しい時間間隔で、二倍から、四、八、十六、三十二……倍の速さへと加速していくこと。一方の馬は、世界全体と同様、オーストラリアでも、幾何級数的に加速している環境問題の悪化。もう一方の馬は、やはり幾何級数的に加速する国民の環境への懸念と、民間及び政府の対抗措置の発展。どちらの馬がレースを制するのか? 本書の読者の多くは、まだじゅうぶんに若く、じゅうぶんに長生きをして、その結果を目にすることだろう。」ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、下)から引用

3 感想
この本を読むまでは砂漠が国土の大半を占めることは知っていましたが、農業適地での農業は将来展望があるものだと考えていました。オーストラリアからの肉など輸入品から受ける印象は国土の豊かさを暗示していると考えていました。以前コメ不足騒動の時に食べたオーストラリア産コメは外米のイメージはなく、うまくて安くて好印象を持ちました。しかし現実は環境破壊の代償としての農産物輸出という側面があることを知りました。

2018年7月13日金曜日

中国の未来-環境破壊と環境保護

ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、上下)の学習 19

ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、上下)を読んでその抜き書きをしたり、感想をメモしたりしています。この記事では「第3部現代社会 第12章揺れ動く巨人、中国」の感想をメモします。

1 揺れ動く巨人、中国
次の項目について詳しく記述してあり、ヨーロッパと中国を地理空間的、歴史的などの視点で比較しています。
・中国の重要性
・中国経済と環境問題
・大気、水質、土壌の汚染
・在来種を脅かす外来種と巨大ダム
・環境と人間への影響
・他国への影響
・中国の未来-環境破壊と環境保護
ひとつひとつの指摘は気がつけばすでに知っていたことも多いのですが、とても新鮮に感じました。
中国にはスペインやイタリアなどに該当する半島がないので国家統一が速かったなどの記述はこれまで聞いたことがないものでした。

中国の地理空間

中国が日本で廃品を回収して輸入していますが、日本にとっては便利で、中国では産業として稼いでいるのですが、中国の環境破壊がすすむ要因になっていて、日本人として複雑な心境になります。

中国に輸入されたゴミ ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、下)から引用

隣国の様子がとても詳しく述べられていて、それがアメリカ人の記述であり、日本人として恥ずかしいような気持になりました。中国や韓国の様子を詳しく知ろうとしない自分が存在していることに気が付きました。無意識的に中国や韓国の現代社会に興味をもとうとしないのは、政治的環境からの影響を受けているのだと思います。

2 中国の未来
中国の未来について一番興味が湧きます。
中国の統一性の強みとリスクは、現代にも受け継がれており、中国はその環境と国民に影響を及ぼす主要な政策において、振り子のように揺れ続けている。その一方で、中国の指導者たちは、ヨーロッパやアメリカの指導者たちにはほとんど不可能な規模で、問題を解決することに成功してきた。例えば、ひとりっ子政策の強制による人口増加率の抑制や、1998年の全国的な伐採禁止などがそうだ。またその一方で、中国の指導者たちは、ヨーロッパやアメリカの指導者たちにはほとんど不可能な規模で、大混乱を招いてみせもした。例えば、大躍進政策での無秩序な変革、文化大革命での国家教育制度の解体、そして(一部の人の言い分によれば)三つの巨大プロジェクト(訳註・三峡ダム、南水北調計画、西部大開発)による新たな環境侵害などが挙げられる。
 中国がかかえる現在の環境問題の実情について、ただひとつ確信を持って言えるのは、時間的なずれと、勢いづいた被害の進行のせいで、事態は改善するよりも速く悪化するだろうということだ。悪化と改善の両方に作用するひとつの大きな要因は、世界貿易機関(WTO)に加盟した結果、中国の国際貿易の拡大が期待されることだ。これによって、関税が引き下げあるいは撤廃となり、車、織物、農産物、その他多くの日用品の輸出入が拡大する。すでに、中国の輸出産業は最終製品を海外へ送り出し、その製造に関わる汚染物質を国内に残す傾向がある。おそらく、これからそういう状況がますます募っていくだろう。ごみや車など、輸入品のいくつかはすでに環境を悪化させている。そういう状況も、さらに募るだろう。その一方、WTOに属するいくつかの国は中国よりもずっと忠実に環境基準を守るので、それらの国々に輸出品を受け入れてもらう条件として、中国は国際基準を採用する必要に迫られるはずだ。また、農産物の輸入が増えれば、肥料や農薬、生産性の低い農耕地の利用を減らすことができ、石油や天然ガスを輸入すれば、石炭燃焼による環境汚染を減らすこともできる。WTOへの加盟が諸刃の剣となりうるのは、輸入を増やして中国国内の生産を減らすことによって、単に環境被害を自国から海外へ移行させるだけになりかねないという点だろう。すでに、自国の森林伐採から木材の輸入へ移行することで、それは始まっている――つまり、他国にお金を払うことで、森林乱伐の有害な影響を引き受けてもらっているわけだ。

… … …

結末はどうなるのだろうか? 他の国々の例と同様、中国も、加速する環境被害と加速する環境保護運動のあいだで振り子のように揺れ動いている。その巨大な人口と成長し続ける巨大な経済、そして過去から現在に至る中央集権制のせいで、中国の振り子には、ほかのいかなる国よりも強い弾みがつくことになる。その結果は、中国のみならず、世界全体にも影響を及ぼすだろう。本章を執筆するあいだ、わたし自身の心も、気の滅入るような事実の連続に絶望したり、中国がすでに採用した迅速で徹底的な環境保護政策の実施に励まされて希望を抱いたりと、振り子のように揺れ動いた。国の大きさとその独特の政治体制によって、中国ではトップダウンの意思決定が、ほかの国々よりもはるかに大きな規模で機能してきた。ドミニカ共和国のバラゲール大統領の影響力など、すっかりかすんで見えるほどだ。わたしが思い描く最良の筋書きの将来では、中国政府はいずれ、環境問題が人口増加問題以上に重大な脅威であると認識することになる。そして、中国の国益のためには、家族計画政策と同じくらい大胆かつ効果的に、環境政策を実施すべきだという結論に達するだろう。」ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、下)から引用

環境問題については中国は国益のために大胆な政策を実施するだろうというのが筆者の結論です。北京の大気汚染に対する対応などからはそうした筆者の最良の筋書きの結論が正しいのかもしれません。

なお、中国の覇権がアメリカを上回っていくような事態は、民主主義のない中国ではないだろうということをジャレド・ダイアモンドが日経取材に答えています。

参考 207.11.28日経 独裁中国 米に追いつけず

2018年7月12日木曜日

ピンボケスキャンの理由

原稿台ガラス方式通常タイプのスキャナーを使って図書の画像をスキャンすることが時々ありますが、その画像がぼんやりしてピントが合っていない場合が時々あります。その理由がよくわからなかったのですが、ようやくその理由が判りました。
図書スキャンをするとき見開き中央部分の影になってしまう部分をできるだけすくなくするために図書を原稿台に力いっぱい押し付けています。その時原稿台が極わずかに歪んで、その結果ガラス面がその分下方に落ち込み、スキャナーが本来合わせているピント面(ガラス上面)ではない位置に図書が来てしまうのだと思います。恐らく1㎜程度のガラス上面の低下がピンボケの理由だと考えます。

原稿台に本を強く押した場合と弱く押した場合のスキャン仕上がり

2018年7月10日火曜日

ドミニカ共和国とハイチ

ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、上下)の学習 18

ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、上下)を読んでその抜き書きをしたり、感想をメモしたりしています。この記事では「第3部現代社会 第11章ひとつの島、ふたつの国民、ふたつの歴史 -ドミニカ共和国とハイチ-」の感想をメモします。
3か月近く間が空きましたが、2018.04.25記事「アフリカの人口危機---ルワンダの大量虐殺」の続きです。

1 対照的なドミニカ共和国とハイチ

ドミニカ共和国とハイチの地図
これまでドミニカ共和国はメジャーリーガーに人材を輩出しているように野球で有名で、ハイチは水害の被害に苦しんでいるというイメージしかありませんでした。しかしジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」を読んでその歴史を詳しく知ることができました。若い頃うろ覚えに知った独裁者トルヒーヨ大統領などの既知の言葉を手掛かりして、興味を深めることができました。
ひとつのイスパニョーラ島に2か国があり、その発展の違いの激しさに驚きました。
現状ではハイチはアフリカを除くと世界で最も貧しい国で、海外からの支援を受け入れるだけの人材・組織もない状況があり、森林破壊が著しい状況にあります。一方ドミニカ共和国は独裁者トルヒーヨやバラゲールが国の近代化をすすめ、また森林保護政策を執りそれが成功している様子が紹介されています。
Google earth proの衛星写真でもハイチの裸地化した土地とドミニカ共和国の森林が国境付近で際立った対照を示します。

ドミニカ共和国とハイチの国境付近

ドミニカ共和国とハイチの国境付近 3D

2 相違を生み出した要因としての社会の対応
ハイチの森林乱伐や貧困問題は最近40年でより深刻化し、ドミニカ共和国との相違を大きくしてます。ジャレド・ダイヤモンドはその相違の要因を様々な角度から分析していますが、私が印象的に感じたのは、ドミニカ共和国では独裁者がトップダウンで軍隊をも使って森林保護に努め、そうした指導者の対応が社会の運命を決めた重要な要因であると述べている点です。つまり社会の運命とはその社会自体に委ねられている(極限すれば指導者に委ねられている)という側面があり、その顕著な例証としてひとつの島にあるドミニカ共和国とハイチの相違を提示しています。

2018年7月8日日曜日

QGISが利用されている国

QGISの利用がいつのまにか毎日になり、QGISそのものにも興味が湧いてきます。

QGISのロゴ

QGISのヘルプに開発者マップが掲載されているので、それでだいたいの利用国が判りました。

QGIS開発者マップ
QGISをボランティアで開発している人々の国を表しています。

WEBをさまよっていると次のユーザー、トレーナー、デベロッパー分布図を見つけました。

QGISユーザーマップ
QGISの大口ユーザー、QGIS公認トレーナー、QGIS公認開発コンサルタント業者の分布を表しているようです。
これをヨーロッパで見ると次のようになり、とても密です。地方公共団体などQGIS大口ユーザーとQGISで食べている人々つまりトレーナー会社やQGISアプリ開発サービス事業会社が多いということになります。

QGISユーザーマップ

さらにWEBをさまよっていると金の情報も見つけました。寄付金に関する情報です。

QGIS大口寄付者の数

QGIS国別寄付額(ユーロ)
寄付金額でみると北欧やイギリス・スイス・スペインを始めとするヨーロッパがQGISの本拠地であり、次いで日本、オーストラリア、カナダ、アメリカ、ブラジル、インドなどが続くという展開になります。
おそらくQGIS利用者数もこのような順番になるのではないかと想像します。

2018年7月6日金曜日

2018年6月ブログ活動のふりかえり

ブログ「花見川流域を歩く」とそのファミリーブログの2018年6月活動をふりかえります。

1 ブログ「花見川流域を歩く」
6月は大膳野南貝塚学習の中間とりまとめのための記事を21編書きました。中間とりまとめは10項目を予定していて、そのうち5項目をペーパー(論説)の体裁にしてpdfで公表しました。
◎1 漆喰貝層有無2集団の関係
◎2 諸磯・浮島2集団の関係
◎3 集落消長の理由
◎4 貝塚・集落の構造
◎5 貝殻・獣骨・土器片出土の意義
〇6 埋葬の様相
7 竪穴住居祭壇の様相
8 狩猟方法イメージ
9 個別テーマ
10 背景学習
◎…6月に公表、〇…7月6日までに公表
公表ペーパーはサイト「考古と風景を楽しむ」に掲載しています。

サイト考古と風景を楽しむヘッダー

まとめをする思考とブログ記事を書く思考ではその楽しみ方が大いに異なります。ブログ記事は「思考した結果を記事にする」のですが、まとめは「ぺーパーをまとめるための思考をする」のであり、思考を楽しむポイントが反対になります。6月はいつもと異なる「まとめるための思考」を大いに楽しむことができました。頭のなかで離れていた情報に関連性を見つけたことが多々ありました。
またこれまで書いた大膳野南貝塚学習記事が豊富であることと、今更ながら気が付いたことですが大膳野南貝塚発掘調査報告書の充実度・詳細度のレベルが極めて高いので、ペーパーとりまとめストーリーの自由度が極めて高いという気持ちになりました。さらに文字と画像をペーパーに流し込むというInDesignの操作も久しぶりに楽しみました。

2 ブログ「花見川流域を歩く 番外編」
4編の記事を書きました。趣味活動エネルギーのほとんどを大膳野南貝塚学習中間とりまとめに注力したために開店休業に近くなりました。

3 ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」
早朝散歩記事を21編書きました。早朝、肉体的に快適な散歩をする中で趣味活動の思考を深めていて、大膳野南貝塚学習中間とりまとめのストーリーは全てここで生れています。

4 ブログ「世界の風景を楽しむ」
1編の記事を書きました。開店休業状態です。

5 ブログ「芋づる式読書のメモ」
2編の記事を書きました。開店休業状態です。

6 7月活動のイメージ
大膳野南貝塚学習中間とりまとめ10項目完成を最優先事項として取り組みます。
なお趣味活動の流れは年内をめどに中間とりまとめ→重要事項の重点補足学習→大膳野南貝塚学習総とりまとめをイメージしていて、2019年1月頃から大膳野南貝塚学習を離れ、別テーマに移行する予定です。

参考
ブログ「花見川流域を歩く」2018年6月記事
〇は閲覧が多いもの
ブログ「花見川流域を歩く 番外編」2018年6月記事
ブログ「芋づる式読書のメモ」2018年6月記事
花見川風景