2021年6月21日月曜日

国土地理院DEMのQGIS即時利用を可能にするプラグイン

 国土地理院サイトからダウンロードした基盤地図情報数値標高モデル(5mメッシュなどのDEM)ファイル(XMLあるいはZIP)を即座にQGISで使えるプラグイン(QuickDEM4JP)が株式会社MIERUNEさん(※)から無償提供されました。その情報をQGIS User Group Japan(Facebook)古川泰人さんの情報発信で知りました。

早速試したところとても使いやすいので紹介します。

※MIERUNEとは「みえるね」であり、QGIS認証機関として日本で初めて、世界で33番目に認証されたとのことです。位置情報に紐付いたデータの可視化をめざす頼もしいQGIS最先端専門家集団さんです。

1 プラグインQuickDEM4JPのインストール

QGISの「プラグイン」→「プラグインの管理とインストール」画面にすでにQuickDEM4JPがリストアップされています。これをインストールすれば使えるようになります。


インストールしたプラグインQuickDEM4JPの画面

2 利用方法

国土地理院サイトから基盤地図情報数値標高モデル(5mメッシュなどのDEM)ファイル(ZIP)をダウンロードします。ZIPファイル1つだけで、その内容がXMLファイルだけならZIPファイルから、あるいはZIPファイルに格納されているXMLファイルを指定して利用できるようになります。


プラグインQuickDEM4JP画面

ZIPファイルあるいはXMLファイルの指定、出力先等を指定します。

3 利用結果例


QGIS画面


Qgis2threejs画面

指定したZIPファイルから即座にGeoTIFFファイルが生成します。これを基にプラグインQgis2threejsクリックで瞬時に地形3Dモデルが生成します。

4 感想

これまでXMLファイルをGeoTIFFファイルへ変換するために、変換ツールを利用していました。

ブログ花見川流域を歩く番外編2019.09.21記事「5mDEMを使った地形精細3Dモデル作成手順

今回MIERUNEさんから提供されたプラグインで変換ツールを改めて使うという手間が無くなりますので、とても便利になります。MIERUNEさんに感謝します。

5 プラグイン著者の説明サイト

国土地理院の標高データ(DEM)をQGIS上でサクッとGeoTIFFを作って可視化するプラグインを公開しました!(Terrain RGBもあるよ)


2021年6月2日水曜日

貝層断面図3Dモデリング

 有吉北貝塚発掘調査報告書掲載貝層断面図・平面図を3Dモデリングして一つの3Dモデルにする実務的スキルをメモします。当方はBlender初心者であるため、より効率的方法があるかもしれませんのでその点はご容赦ください。

1 有吉北貝塚北斜面貝層 貝層断面図・平面図3Dモデル

3Dモデルの仕上がり例です。

有吉北貝塚北斜面貝層 貝層断面図・平面図3Dモデル


3Dモデル動画

2 断面図スキャン・塗色・画像(.jpg)ファイル作成

発掘調査報告書掲載貝層断面図・平面図をスキャンし、図面毎画像(.jpg)ファイルを作成し、塗色します。詳細省略。


有吉北貝塚発掘調査報告書の貝層断面図・平面図のページ

3 個別図面のWabefront(.obj)ファイル作成

個別図面のWabefront(.obj)ファイル作成方法としてPhotoshopを使う方法とBlenderを使う方法があります。Photoshopを使う方法の方が圧倒的に効率的です。

3-1 Photoshopを使う方法

ア 画像(.jpg)ファイルをPhotoshopに読み込みます。

イ Photoshopのワークスペースを3Dに設定します。

ウ メニューバーの3D→レイヤーから新規メッシュ作成→ポストカード

エ メニューバーの3D→3Dレイヤーを書き出し→プロパティを書き出し画面→プロパティを書き出し画面で次の2つの操作をします。

3Dファイル形式→Wabefront(.obj)

テクスチャ形式→JPEG

→OK

→保存場所を指定すると(.obj)ファイル、(.mtl)ファイル、(.mdl)ファイルが生成します。


Photoshop書き出し画面

(Photoshop終了する際に保存する必要はないと思います。)

3-2 Blenderを使う方法

ア 画像(.jpg)ファイルのサイズを確認

例 Photoshopの画像解像度で幅、高さを確認します。

イ 画像ファイルと同じ形状の平面メッシュ作成

Blender立ち上げ→立方体削除→ヘッダーの「追加」→メッシュ→平面→正方形の平面が生成します。

【Layout】平面を指定した状態で、「N」打鍵でトランスホームパネルがでます。

トランスフォームパネル→寸法でX(左右方向幅)とY(上下方向高さ)を画像(.jpg)ファイルサイズ(あるいは相似形)に変更します。

ウ 平面メッシュにマテリアル設定

平面を指定した状態で、プロパティ→マテリアルプロパティ→新規をクリック

マテリアルが設定されます。マテリアルを設定しないと画像ファイルを貼り付けることができません。

エ 平面メッシュに画像(.jpg)ファイルを貼り付け

Shading画面に移動する

【Shading】シェーダーエディター画面で、追加→テクスチャ→画像テクスチャ

画像テクスチャノードが生成します。

画像テクスチャノード→開く→画像ファイルを指定→画像ファイルノードのカラーとプリンシプルBSDFノードのベースカラーを線で結びます。


シェーダーエディター画面 1

さらに、追加→ベクトル→マッピング

マッピングノードが生成します。

マッピングノードのベクトルと画像テクスチャノードのベクトルを線で結びます

さらに、追加→入力→テクスチャ座標

テクスチャ座標ノードが生成します。

テクスチャ座標ノードのUVとマッピングのベクトルを線で結びます。

これで画像が平面メッシュに貼り付きました。


シェーダーエディター画面 2

オ Wabefront(.obj)ファイルエクスポート

ファイル→エクスポート→Wabefront(.obj)→トランスフォームで前方をX、上をZに設定し、保存場所とファイル名を設定して「OBJをエクスポート」をクリック

保存場所に(.obj)ファイル、(.mtl)ファイル、(.mdl)ファイルが生成します。

4 複数図面の立体組み立て

ア Blender立ち上げ、立方体削除

イ 図面インポート

ファイル→インポート→Wabefront(.obj)→ファイル指定画面でファイルの指定とトランスフォームで前方をX、上をZに指定→OBJをインポート

Wabefront(.obj)ファイルがインポートされます。

(オブジェクトが見えない場合)ヘッダーの「オブジェクト」→原点を設定→ジオメトリを原点へ移動

これでオブジェクト(図面)が画面中央に移動します。

ウ 画像の回転・移動

(画像を指定した状態で)プロパティ→オブジェクトプロパティ→トランスフォーム→回転でXYZに数値を入れて立体的位置を指定し、ツール→移動で必要な移動をします。

エ 組み立て

イとウの繰り返しにより複数図面を立体的に組み立てます。

5 不用部削除

図面が立体的に組み立てられた後、不用部の削除が可能です。

編集モードにするとメッシュが表示されます。

メッシュを指定して部分削除することが可能です。(削除方法には頂点、辺、面など多数の方法があり、それぞれ削除のされ方が異なります。)

オブジェクト指定→右クリック→細分化でメッシュの細分化が繰り返し可能です。メッシュを細分化して削除すれば、削除部のギザギザを緩和することができますが、作業の手間は増えます。


不用部を削除したBlender画面

6 ファイルの保存とWabefront(.obj)ファイルのエクスポート

Blenderファイルを保存します。(部分修正に備えるため。)

組み立てた図面の必要部分を指定して、ファイル→エクスポート→保存画面で「内容」を選択物のみ、「トランスフォーム」で前方をX、上をZに、保存場所とファイル名を設定して「OBJをエクスポート」クリック

組み立てた貝層断面図・平面図3Dモデルの(.obj)ファイル、(.mtl)ファイル、(.mdl)ファイルが生成されます。

7 3DF Zephyr Liteへのインポート

自分は3DF Zephyr Liteに5で作成したWabefront(.obj)を読み込み、そこで動画を作成したり、Sketchfab投稿をしたりしています。


3DF Zephyr Lite画面

8 作業フォルダー

上記2~6の作業を1つのフォルダーでしています。

9 感想

Photoshopで超気軽に画像のWabefront(.obj)ファイルが出来るので、貝層断面図・平面図3Dモデル作成に気が付いたしだいです。

2021年6月1日火曜日

2021年5月ブログ活動のふりかえり

 ブログ「花見川流域を歩く」とそのファミリーブログの2021年5月活動をふりかえります。

1 ブログ「花見川流域を歩く」

・5月の記事数は29です。

ア 有吉北貝塚土器学習の区切り

有吉北貝塚出土加曽利EⅡ式土器、EⅢ式土器学習を行い、曲がりなりにも有吉北貝塚出土土器学習を通しで全部目を走らせ、区切ることが出来ました。5ヵ月かかったことになります。土器学習でやりたいこと、残したことは多くありますが、有吉北貝塚学習戦略上あえて強制的に区切りました。土器学習追補活動は随時行います。

イ 有吉北貝塚北斜面貝層学習の開始

有吉北貝塚北斜面貝層学習を開始しました。埋没ガリー地形復元とか、それと貝層・他の遺物との空間的関連などを知り、北斜面貝層形成史を紐解くことにします。

ウ 八千代市立郷土博物館企画展の観覧

八千代市立郷土博物館で開催中の企画展「印旛沼南西岸の縄文文化~やちよの縄文~」を観覧してきて、関連記事を書きました。

2 ブログ「花見川流域を歩く番外編」

・3Dモデル関連の技術メモなど4記事を書きました。

5月は3Dモデル技術の習得が急速に進みました。主な習得技術は次の通りです。

ア Sketchfab設定技術習得

・アノテーションに画像をはめ込む

・アノテーション移動をショートカットで迅速に行う「k」「j」

・3Dモデル構成オブジェクト別の透明度設定

・VR用設定

イ 地理院地図3Dモデルの3DF Zephyr Liteインポート

ウ 組み立てパネル3Dモデル作成

・地層断面図パネルをBlenderで組み立て3Dモデルを作成する。(6月に記事化予定)

3 ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」

・早朝散歩記事を9編書きました。

4 ブログ「世界の風景を楽しむ」

・DEM-Net Elevation APIによる地形3Dモデルを楽しむ記事を2編書きました。

5 ブログ「芋づる式読書のメモ」

設楽博己著「顔の考古学 異形の精神史」の学習記事2編を書きました。

6 5月学習の特徴

ア 土器学習を区切る

有吉北貝塚出土中期土器を対象に、実測図・写真をカード化して学習を実施してきました。参考として埼玉編年(1982)土器分類のカード化学習、加曽利貝塚博物館企画展展示土器の3Dモデル化学習を同時に行いました。なんとなくですが中峠式から加曽利EⅢ式あたりの土器のイメージが自分の中に形成されてきたことは大きな学習成果です。もっと多くの作業をして学習を深めたいという欲望もありますが、学習戦略から総合的に判断して、とりあえず土器学習を区切りました。

イ 3D技術習得に弾みがつく

5月は3Dモデル作成・表現技術習得に弾みがつきました。VR・AR技術などに対する関心も芽生え、学習視野が広がりました。

7 2021年6月学習のイメージ

ア 有吉北貝塚北斜面貝層学習

北斜面貝層をフィールドにして次の3項目3Dモデル作成にチャレンジします。

・埋没ガリー地形の3Dモデル作成

・純貝層・混土貝層&混貝土層の3Dモデル作成

・土器片、石器、アリソガイ製ヘラ状貝製品等遺物別の分布3Dモデル作成

イ 3Dモデル作成技術の習得

ア作業で必要とする3Dモデル作成技術の向上を目指します。

VR・AR技術に関心を持ち、情報を収集します。

参考

ブログ「花見川流域を歩く」2021年5月記事

〇は閲覧数が多いもの

ブログ「花見川流域を歩く 番外編」2021年5月記事

ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」2021年5月記事

ブログ「世界の風景を楽しむ」2021年5月記事

ブログ「芋づる式読書のメモ」2021年5月記事


2021年5月ブログ「花見川流域を歩く」記事サムネイルのモザイク表現