2019年9月21日土曜日

5mDEMを使った地形精細3Dモデル作成手順

考古遺跡サイトの地形とか、遺跡群が分布する地域の地形とかを精細な3Dモデルで観察したくなることが増えました。
そのような目的で作成する精細地形3Dモデルの基礎となる地形情報で全国入手可能なものは5mDEMになります。
この記事では5mDEMをつかった地形精細3Dモデル作成手順をメモします。

1 3次メッシュ(1㎞メッシュ)の境界情報の入手
5mDEM情報は3次メッシュ毎にファイルとなっています。そのため5mDEMを使うためには3次メッシュの境界図柄とそのコードをGISで表示出来るようにすることが必須です。
e-Stat統計で見る日本サイトの境界データのページから3次メッシュ(1㎞メッシュ)の境界データをダウンロードできます。
3次メッシュ境界データは1次メッシュ毎のファイルになっています。

1次メッシュ(3次メッシュ境界データは1次メッシュ毎のファイルになっている)

3次メッシュ境界データは5種類の型式で提供されています。3Dモデルは平面直角座標系でないと作成できないので、「世界測地系平面直角座標系・shapefile」選択します。

5種類の提供形式

ダウンロードファイルを解凍してQGISに取り込みプロパティのシンボロジーで塗りつぶしを透明にすると次のようになります。

3次メッシュ境界データ 塗りつぶし透明

さらにプロパティのラベルで「単一のラベル」→「ラベル」で「KEY_CODE」を選択するとメッシュコードが表示されます。

3次メッシュコードの表示
この画面を使って3Dモデル作成が必要な範囲の3次メッシュコードを知ります。

2 5mDEMの入手
国土地理院基盤地図情報ダウンロードサービス画面の「基盤地図情報数値標高モデル」から入りファイル選択して5mDEMをダウンロートします。このダウンロードは簡単な登録が必要です。

国土地理院基盤地図情報ダウンロードサービス画面

「地図上で選択」の画面
5mDEMファイルは2次メッシュ(1/25000図郭)単位に一括ダウンロードとなります。
そのため地図上で選択する場合の単位も2次メッシュ毎になります。

3 必要な5mDEMファイルの抽出
一つの2次メッシュには100の3次メッシュDEMファイルが含まれています。その中から必要な3次メッシュを抽出します。
ここでは例としてコード53402212の3次メッシュ1コだけを抽出します。

2次メッシュ(534022)に含まれる3次メッシュファイル(部分)

4 5mDEMの変換(XMLからGeoTIFFへの変換)
国土地理院サイトからダウンロードした標高データ(XMLファイル)をGeoTIFFファイルへ変換することが必要です。
そのために私はエコリス社の基盤地図情報標高DEM変換ツールを使っています。

5 QGISにおける3Dモデル表示
QGISでプラグインQgis2threejsを使えるようにしてその画面を表示した後、5mDEM(GeoTIFF)をレイヤとして追加すると、QGIS画面のうち5mDEMがある部分だけ立体化します。

3次メッシュ(53402212)1コだけの立体表示

6 参考 3次メッシュファイル(XMLファイル)における5m標高データの配列順序

3次メッシュファイル(XMLファイル)における5m標高データの配列順序
通常ではこの配列順序(空間配置)を意識する必要はありません。しかし標高データに異常値があると感じた場合などでは、この配列順序を意識せざるを得ません。





2019年9月2日月曜日

2019年8月ブログ活動のふりかえり

ブログ「花見川流域を歩く」とそのファミリーブログの2019年8月活動をふりかえります。

1 ブログ「花見川流域を歩く」
8月の記事数は35でした。8月1日記事「2巡目縄文土器学習の算段」から2巡目土器学習をスタートして順調に推移しました。
近隣の縄文土器展示室を訪問して観覧し、ショーケース内の縄文土器の撮影を行い、後日3Dモデルとしてより詳細に観察しました。ブログ記事はその経緯等を書きました。
8月に訪問した縄文土器展示施設は12館であり、整理が済んで作成した3Dモデルは82となりました。

2 ブログ「花見川流域を歩く 番外編」
このブログでは縄文土器学習を進める中で行った技術開発や技術的興味を主に記事に書いています。8月は7編の記事を書きました。
8月30日記事「3Dモデルで暗い(黒い)土器表面を明るくする方法」は特筆すべきものです。これまでの暗い(黒い)縄文土器3Dモデルを明るい3Dモデルに抜本的に生まれ変わらせる方法を自分レベルで「発見」したからです。
明るい縄文土器3Dモデルを掲載したとたんに有名な海外考古博物館から「LIKE(いいね)」をいただいたほどです。

3 ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」
早朝散歩記事を16編書きました。
各記事には散歩や自然風景とは必ずしもかかわりのない【グッド&ニュー】(散歩中に思い浮かべた良い感情や考え、素晴らしいアイディアや注目すべき事柄)を必ずかいています。自分としてはそれを書くのが楽しみでもあります。グッド&ニューはページにまとめたものもあります。
このグッド&ニューはろ過されるまえの原初的つぶやき、ツイートです。元祖つぶやきです。
TwitterのツイートやFacebookの投稿は洗練されたつぶやきです。その背後にはそれなりの思考と作業を経て情報を具備したブログ記事が控えています。

4 ブログ「世界の風景を楽しむ」
1編の記事を書きました。

5 ブログ「芋づる式読書のメモ」
7月に続き休載しました。

6 8月活動の特徴
縄文土器展示施設観覧と写真撮影を足で稼いだ活動は認知症進行防止に効果があったと思います。
●8月の展示施設訪問
20190804 松戸市立博物館
20190805 四街道市第二庁舎ロビー
20190807 柏市郷土資料展示室
20190809 印西市立印旛歴史民俗資料館
20190809 印西市立木下交流の杜歴史資料センター
20190814 我孫子市湖北郷土資料室
20190814 流山市立博物館企画展「流山のお宝発見」
20190820 白井市郷土資料館
20190820 習志野市教育委員会
20190820 我孫子市教育委員会1階ロビー
20190823 鎌ヶ谷市郷土資料館
20190826 千葉市あすみが丘プラザ展示室

遺跡分布図の地形3Dモデル、遺跡ヒートマップ図の3Dモデルの技術開発が進んだことも8月の大きな出来事です。多数写真を使った3Dモデル作成ではなく、地形情報(あるいは地形に見立てた別情報)を3Dモデル化できたのですから自分にとっては一種の夢実現です。しかし、展示施設訪問を最優先させたため、強い興味があるにもかかわらず活動の継続は後日の楽しみとしました。

7 9月活動のイメージ
8月に引き続き縄文土器展示施設訪問を優先させることにします。
新たに作る縄文土器3Dモデルは明るいものにするとともに、過去に作成した3Dモデルもできるだけリメイクすることにします。
特定縄文土器をキッカケにする寄り道遺跡学習を幾つか行い、縄文土器学習と縄文社会変遷学習との関連を忘れないようにします。(縄文学習の本丸は縄文社会変遷学習であり、その基礎学習として土器学習を行っています。)
特定遺跡や遺構に関わるミクロな地形3Dモデル作成にチャレンジすることにします。

参考
ブログ「花見川流域を歩く」2019年8月記事
〇は閲覧の多いもの
ブログ「花見川流域を歩く 番外編」2019年8月記事
ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」2019年8月記事
ブログ「世界の風景を楽しむ」2019年8月記事
中峠式深鉢形土器(根郷貝塚)3Dモデル 正面オルソ投影図
鎌ヶ谷市郷土資料館展示