2018年3月30日金曜日

趣味活動におけるパソコンソフト操作技術レベル

自分自身の趣味活動(ブログ活動)におけるパソコンソフト操作技術レベルを確認してみました。

趣味活動に使うパソコンソフトの操作技術レベル
「あこがれ」はいつかそのソフトをつかって表現あるいは分析をしたいとあこがれているソフトで、事実上未入門のソフトです。SketchUpとGoogle Earth Engineが該当します。今年中には入門して趣味活動に使えるようにしたいと思います。
InDesignは入門レベルです。抵抗感なく最低限の利用ができるように早くなりたいと思います。
Photoshop、File Maker、QGISはなんとか一応思い通りに利用できるようになりました。
Illustrator、Excelはある程度操作に慣れてきています。
自分の考える上級レベルは次のような状況をイメージします。
1 特殊機能(マクロなど)も利用できる。
2 自分好みに特殊設定して(カスタマイズして)利用できる。
3 超大量データを扱える。
4 他ソフトと関連させて利用できる。
5 高度な自動処理ができる。
使っているソフトすべてについてその操作技術レベルを上級レベルにアップさせるべく意識して趣味活動を行うことにします。

なお、職業生活実務で使ったことのあるソフトはExcelだけであり、他のソフトは全て趣味生活でゼロから利用しだしたものです。

Illustrator…作画ソフト
Photoshop…画像調整ソフト
InDesign…DTPソフト
File Maker…データベースソフト
QGIS…GISソフト
Excel…表計算ソフト
SketchUp…3D画像作成ソフト
Google Earth Engine…衛星写真検索収集分析システム

……………………………………………………………………
上記表を作ってみて、全てのソフトがアメリカ産であることに改めて気が付きました。
奈良時代の知識技術が全て中国産であったことに対応するのでしょう。

2018年3月28日水曜日

地球地図全球版 樹木被覆率データの入手

2018.03.27記事「世界土地被覆図の入手」で世界土地被覆図入手をメモしましたが、データをQGISでいじれる面白さがそうさせているのだと思いますが、気休めでWEBを見ていると国土地理院サイト内の地球地図ページにたどり着き、地球地図全球版樹木被覆率データを入手して、QGISで展開表示することができました。

地球地図全球版樹木被覆率 Version1
地球地図全球版のページでは樹木被覆率について次のように説明してます。
植生レイヤーとして、地球全体を観測した人工衛星のデータ(MODIS)を使用して樹木被覆率を作成しました。樹木被覆率は、ある区域において、樹木で覆われた土地がその区域全体に占める面積の割合を示したもので、樹木の枝や葉の茂っている部分(樹冠)を真上から見下ろした状態(鉛直方向)のとき、地表面に対する樹木の比率を表します。ただし、低温や乾燥の続く期間にすべての葉を落として休眠する樹木(落葉樹)は、年間で最も樹木が生い茂っている期間(最大樹木被覆率)をその地域の樹木被覆率としています。
詳細は、「Vegetation (Percent Tree Cover) - Global version (外部リンク)」をご参照下さい。
ジャレド・ダイヤモンド著「文明崩壊」の学習や世界の風景を楽しむときに有効活用できるデータです。

地球地図全球版樹木被覆率データはVersion1(2003年、解像度30秒)とVersion2(2008年、解像度15秒)があります。

地球地図全球版には樹木被覆率の他に標高(全世界を覆う1m単位の標高データ)、土地被覆(20項目の土地被覆情報データ)がありますから、早速これも活用することにします。

参考 Version1(2003年、解像度30秒)の表示

参考 Version2(2008年、解像度15秒)の表示

参考 解像度の視認 Version1(2003年、解像度30秒)

参考 解像度の視認 Version2(2008年、解像度15秒)

参考 世界土地被覆図の解像度の視認

樹木被覆率Version2(2008年、解像度15秒)を使えば韓国と北朝鮮、ハイチとドミニカなどの自然破壊状況観察比較なども正確にできそうですから、その利用が楽しみです。



2018年3月27日火曜日

世界土地被覆図の入手

Natural Earthサイトから世界土地被覆図(ラスタデータ)を2種入手しました。
Natural Earth1は現状の土地被覆図で、Natural Earth2は人の影響がほとんど無かった場合を想定した仮想土地被覆図です。二つの図を比較することによって人が森林を伐採した地域などの概要を知ることができます。
QGIS画面で拡大縮小など自由にいじれますから便利です。
ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、上下)の学習で早速使います。

Natural Earth1(現状土地被覆)

Natural Earth1の凡例

Natural Earth2(人の影響を除外した仮想土地被覆)

Natural Earth1(現状土地被覆)日本列島付近

Natural Earth2(人の影響を除外した仮想土地被覆)日本列島付近

Natural Earth1(現状土地被覆)アメリカ合衆国中西部

Natural Earth2(人の影響を除外した仮想土地被覆)アメリカ合衆国中西部

Natural Earth1(現状土地被覆)ヨーロッパ

Natural Earth2(人の影響を除外した仮想土地被覆)ヨーロッパ

2018年3月20日火曜日

pdf多数ファイルの一括jpg化

1頁もののpdfファイルが多数あり、それを一括してjpgファイルに変換する必要が生まれ、Photoshopで作業しました。

当然バッチファイルで可能であると考え、アクションを設定してバッチファイルを動かしました。
ところが多数のpdfファイルを次々に同じ名称のjpgファイルの上書きしてしまい、どうしても多数pdfファイルをjpgファイルにできません。
WEBでしらべると、Photoshopのバッチファイルではpdfファイルを扱えないようです!!!

更にWEBでしらべると、イメージプロセッサーで可能であることがわかりました。
イメージプロセッサーではアクションを設定することなく次の指定を行うだけでOKです。
・処理画像のあるフォルダーの指定
・処理後の画像を保存する場所の選択
・保存するファイル形式の指定
これで多数pdfファイルを一挙に処理して、同名の多数jpgファイルを生成し、満足のいく結果を得ました。

イメージプロセッサー設定画面
ファイル→スクリプト→イメージプロセッサーで出てくる設定画面

2018年3月18日日曜日

アメリカ地質調査所サイトから北アメリカ水系図データを入手する

QGISを世界地図として利用しだしているのですが、アメリカの水系図が欲しくなりました。
グレートベイスインが閉鎖水域になっているのですが、それを水系図で確かめたくなったということです。
ブログ世界の風景を楽しむ2018.03.18記事「グレートベイスン砂漠とモハベ砂漠」参照
WEBをググルとほとんど労を必要としないで北米水系図shapeファイルを入手できました。
アメリカ地質調査所サイトから北米水系図が入手できます。

アメリカ地質調査所サイトの北米水系図のページ

水系図ファイルをQGISにプロットした様子

グレートベイスン付近を見るとカリフォルニア州、ネバダ州、ユタ州に確かに独立水系が存在しています。QGISを日本だけでなく世界を舞台に使えることが判りましたので、些細なことですが、自分にとって重要な最初の一歩です。

グレートベイスン付近の水系図

アラスカ旅行でユーコン川とササナイト川の間にある壮大な谷中分水界に興味をもちましたが、この付近の水系図をみるとさらにいろいろと興味が深まります。
ブログ世界の風景を楽しむ2017.11.07記事「アラスカの壮大な谷中分水界」参照
水系図として正視すると、谷中分水界という静止的認識ではなく河川争奪という動的な現象として理解したくなります。

アラスカ ユーコン川とササナイト川の谷中分水界付近の水系図

アメリカ地質調査所から水系図をダウンロードしてQGISで活用できることが確認できたということをキッカケにして、世界中の自然・社会文化GISデータをいずれは自由に使えるようになれそうだと直観できました。
QGISが自分の視野を広げています。

2018年3月16日金曜日

ティコピア島――社会と環境のコントロール

ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、上下)の学習 14

ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、上下)を読んでその抜き書きをしたり、感想をメモしたりしています。この記事では「第9章存続への二本の道筋」で書かれている成功事例の一つであるティコピア島について抜き書きをしてその感想をメモします。

1 ティコピア島――社会と環境のコントロール
太平洋南西部にぽつんと浮かぶ小さな島、ティコピア島は、ボトムアップ方式が成功を収めたもうひとつの例だ。島の総面積はたったの五平方キロ、人口は千二百人。耕作可能な土地における人口密度は、一平方キロ当たり二百五十人となる。これは、現代的な農業技術を持たない伝統社会としては、稠密といえる人口だ。しかしながら、この島にはほぼ三千年にわたって、途絶えることなく人間が居住している。

ティコピア島民の生存を支えうるだけの主食を輸入することなど、望むべくもなかった。とりわけティコピア島では、乾季の五月と六月、そして予測不能な間合で菜園を破壊するサイクロンの襲来後に備えて、飢餓を避けるためのじゅうぶんな余剰食糧を生産し、貯蔵しなくてはならない――ティコピア島は太平洋の主要なサイクロン・ベルト内に位置し、十年間に平均二十個のサイクロンに見舞われる。つまり、ティコピア島で生き延びるには、三千年にわたってふたつの問題を解決する必要があった。どうすれば、千二百人の住民を養うに足る食糧供給を確実に生み出せるのか? そして、どうすれば、人口を維持可能な水準にとどめておけるのか?

ティコピア島における食糧生産の持続能力は、第2章で論じた環境要因のうちのいくつかを介して向上している。つまり、太平洋上の島々に存在する一部の社会は、ほかの島に存在する社会よりも持続能力が高く、環境悪化による影響を受けにくい傾向があるのだ。
ティコピア島の持続能力に都合よく働いている要因としては、降雨量の多さ、適度な緯度、火山灰(ほかの島々の火山によるもの)とアジアからの黄砂が大量に降り積もる一帯に位置していることが挙げられる。これらの要因は、ティコピア島民に与えられた地理上の思いがけない幸運から成り、どれも好ましい条件ではあるものの、島民自身の功績とは呼べない。

幸運の残りの部分こそ、島民がみずからの行動で勝ち取ったものと言える。島のほぼ全域は、細部まで管理され、他の太平洋上の島々で普及している焼き畑式農業とは一線を画す、持続可能な安定した食糧生産に充てられている。ティコピア島のほとんどすべての植物種は、なんらかの形で人々に利用され、雑草でさえ菜園の根覆いの役を果たし、野生の樹木は飢饉の際の食糧源となる。

ここまでは、ティコピア島の人々が持続可能な食糧供給を確保する方法について述べた。ティコピア島での居住を持続可能にするためのもうひとつの必要条件は、人口を安定させ、増やさないことだ。

ティコピア島の伝統的な人口制限の七つの方法のうち、最も簡単なのは、性交中絶法による避妊だった。もうひとつの方法は、出産の近い妊婦の腹部を圧迫したり、熱した石を腹部に乗せたりして引き起こす堕胎だ。また、別の選択肢として、新生児を生き埋めにしたり、窒息させたり、うつ伏せにしたりして、嬰児殺が実行された。貧しい家族の次男や三男は独身を貫き、結果として余剰となる適齢期の女性たちも、一夫多妻制のもとで結婚するよりも、独身でいることを選んだ――ティコピア島では〝独身〟とは子どもを持たないことを意味し、性交中絶法を行なったり、必要なら堕胎や嬰児殺に頼ったりすることを禁じられてはいない。さらにもうひとつの方法は、自殺だ。一九二九年から一九五二年までのあいだに、首吊りによる自殺が七例(男性六人、女性一人)、海へと泳ぎ出る入水自殺が十二例(すべて女性)あったことが知られている。そういう明らかな自殺よりもずっと一般的なのは、危険を承知で航海に出る〝事実上の自殺〟で、一九二九年から一九五二年のあいだに八十一人の男性と三人の女性の命を奪った。この種の航海は、未婚男性の死因の三分の一以上を占めていた。

 ティコピア島の首長たちは、氏族の土地やカヌーを管理する領主としての役目を担い、資源を再配分する。しかし、ポリネシアの基準に照らせば、ティコピア島の首長制社会には最小限の階層しかなく、首長たちの力は非常に弱い。首長とその家族は、一般人と同様、みずからの食糧を作り、菜園や果樹園を耕す。ファースによれば、「結局、生産様式は、社会の伝統に内在するものだ。そのなかでは、首長はただの主因であり、解釈者にすぎない。首長と平民は、同じ価値観を共有している。親族のイデオロギー、儀式、そして伝説と神話で強められる倫理観。首長は、かなりの程度までこの伝統をつかさどっているが、独力で取り仕切るわけではない。年長者や首長仲間、氏族の人々、家族さえ含む全員が、同じ価値観を堅持し、首長の行動に助言や批評を加える」。つまり、ティコピア島の首長が担う役割には、次項で論じる大きな社会の指導者たちが担う役割と比べて、〝上から下へ〟の管理という意味合いがずっと希薄なのだ。
ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、下)から引用

ティコピア島の位置

ティコピア島の様子

2 感想
持続可能な食糧供給を可能にする試みを成功させ、同時に人口増加を抑制する方法も編み出すことが社会崩壊を免れる上でとても重要であることが理解できます。
人口増加抑制の方法として自殺まで組み込んでいたという点は自分にとってはじめての知識です。

2018年3月15日木曜日

QGIS3.0を試用してみる

メーリングリストで2月23日にQGIS3.0が公開されたことを知り、早速インストールして試用してみました。

QGIS3.0のロゴマーク

QGIS3.0の画面
画面構成などの変化は少ないのですが、データソースマネージャー(QGISブラウザに替わるもの)のアイコンが新設され、それをクリックして開くブラウザの機能が向上しています。
またプロセシングツールボックスの項目が一新されています。さらにgrass機能項目が全て日本語化されています。そのほか色々改良が加えられています。
一瞥した程度ですが、QGISをヘビーに使う実務者向けに機能向上が図られたという印象です。大歓迎です。
QGIS3.0新機能の説明記事が次のWEBページ(英語)にありました。
My Favorite Features of QGIS 3.0...To Date

なお偶然気が付いたのですが、現在使っているQGIS2.18とくらべるとQGIS3.0にはヒートマッププラグイン及びタイルレイヤプラグインが搭載されていません。
ヒートマップは良く使いますし、タイルレイヤプラグインを利用して地理院地図を背景地図として利用していますから、不都合です。自分でプラグインを探してきて工夫すればこれらの不都合は解決できるとは思いますが、時間の浪費になる可能性もあります。
これらの不都合は早晩解決されると思われますから、またその頃にはQGIS3.0の解説書も出ると思いますから、その頃QGIS2.18からQGIS3.0に移行することにします。
当面QGIS2.18を使いこなすことにします。

QGIS2.18のロゴマーク

QGIS3.0の新機能を見たことにより、QGIS2.18の機能も深く知ることができ、自分にとって新たな発見もあり、試用は良い体験になりました。

2018年3月14日水曜日

ボトムアップ方式が世界でも最大級の成功を収めたニューギニア高地

ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、上下)の学習 13

ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、上下)を読んでその抜き書きをしたり、感想をメモしたりしています。この記事では「第9章存続への二本の道筋」で書かれている成功事例の一つであるニューギニア高地について抜き書きをしてその感想をメモします。

1 ニューギニア高地-数万年にわたる社会の維持
ニューギニアでは、約四万六千年前から人々が自立した生活を営んできた。最近になるまで、外の社会から経済的に重要な物資が流入することはなく、高い身分のシンボルとしてのみ珍重される貿易品目(タカラガイの貝殻やゴクラクチョウの羽など)以外は、どのような物資も受け入れていなかった。

(1930年代になってはじめてニューギニア高地社会が西洋人の目にふれた。)

木立のほとんどない広々とした谷間は、見渡すかぎり、灌漑・排水用の水路で区切られたこぎれいな菜園に整えられ、ジャワや日本を思わせる段々畑の急斜面が広がって、村々は防御柵で囲まれていた。その後、さらに多くのヨーロッパ人が、操縦士の発見を陸路でたどり、住民たちがタロイモ、バナナ、ヤムイモ、サトウキビ、サツマイモ、ブタ、ニワトリを育てる農民であることを知った。現在では、最初に挙げた四種の主要作物(及びその他の副次的な作物)は、ニューギニアが独自に栽培品種化したものであり、ニューギニア高地は、植物の栽培品種化を独自に成し遂げた世界に九カ所しかない中心地のひとつで、七千年近い営農の歴史を持ち、世界屈指の長期間にわたって持続可能な食糧生産を実践していることが明らかになった。

なにしろ、年間最大一万ミリもの降雨量があり、地震や地すべりや(海抜の高いところでは)霜が頻繁に襲う地域で作物を育てるために、数千年の時を費やして試行錯誤を重ねてきたのだ。とりわけ、じゅうぶんな食糧生産のために休耕期間の短縮や連作さえ不可欠な人口過密地域では、地力の維持を目的としてありとあらゆる技術が駆使されただけでなく、以下に説明する育林も行なわれた。

高地でのモクマオウの移植は目をみはるほど大規模なので、現在この慣習は、従来の農業における作物の栽培になぞらえて、〝育林(silviculture)〟と呼ばれている(ラテン語でsilvaは森林、agerは畑、culturaは耕作を意味する)。

 こうして木の供給と地力の問題を解決しただけでなく、ニューギニア高地の人々は、人口の増大という問題にも取り組んだ。人口増加は、さまざまな慣習によって制限されるようになり、それはニューギニアの友人の多くが子ども時代になるまで続いていた――おもな手段は、戦争、嬰児殺、避妊や堕胎のための森林植物の利用、禁欲や授乳中の数年間にわたる自然な授乳性無月経などだ。その結果、ニューギニア社会は、イースター島、マンガレヴァ島、マヤ、アナサジ、そのほか多くの社会において、森林乱伐と人口増加がもたらした運命を避けることができた。この高地の民は、気候変動と人間による環境侵害が絶えず状況を変化させてきたにもかかわらず、農業が起こる前の数万年間、そして農業が起こってからの七千年間にわたって、社会を維持してきたのだ。
ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、下)から引用

ニューギニア島の地勢

2 感想
人類が植物栽培を成功させ農業を始めることができた場所の一つがニューギニア島であり、その場所で育林を成功させ、同時に人口増加制限にも成功したことが社会崩壊から免れることができた主因であると著者は説明しています。
ニューギニア島がこのような人類史的な意味のある場所であるということを始めて知りました。

2018年3月8日木曜日

快適なKindle for PCによる読書 その2

2018.02.10記事「快適なKindle for PCによる読書」に引き続きパソコンならでは読書法を見つけましたのでメモしておきます。

パソコンのモニターを4枚横に並べてつかっているのですが、そのうち3枚を使ってkindle読書をしています。

パソコンモニター3枚を使ってkindle読書をしている様子

パソコンモニター3枚を使ってkindle読書をしている様子(printscreen)

このようにすることで文章の全体を俯瞰できて、今自分が読んでいるポイントとこれから読む文章との関係を、長さの点でも、内容の点でもある程度把握しながら読書できます。「文章の全体像はどうなっているのか読んでみないと判らない」というやみくもな読書から解放され、安心して読書をすることができますから、真にその内容に集中できる読書になります。
また、ページをくくる(クリックする)操作が格段に少なくなり、その分でも読書内容に集中できます。

kindle本が増えつつあります。


2018年3月7日水曜日

存続への二本の道筋

ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、上下)の学習 12

ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、上下)を読んでその抜き書きをしたり、感想をメモしたりしています。この記事では「第9章存続への二本の道筋」の出だしの部分について抜き書きをしてその感想をメモします。

1 環境問題解決の二つの道
 ここまでの章では、過去の六つの社会がみずから引き起こした、もしくは運悪く巻き込まれた環境問題の解決に失敗し、結果として崩壊に至った過程について述べた。イースター島、ピトケアン島、ヘンダーソン島、アナサジ族、古典期低地マヤ、ノルウェー領グリーンランド。
しかし、当然ながら、過去のすべての社会が環境破壊に行き着いたわけではない。アイスランド人は、困難な環境下で千百年以上生き延びてきたし、ほかの多くの社会も、数千年にわたって存続している。そういう成功談もまた、教訓を、そして希望や示唆を与えてくれる。
それらの成功談から見て、環境問題の解決には、ふたつの対照的な方式があるようだ。このふたつを、ボトムアップ(下から上へ)方式とトップダウン(上から下へ)方式と呼ぶことにしよう。

この認識は、おもに、異なる社会的変遷をたどった異なる大きさの太平洋上の島々に関する考古学者パトリック・カーチの研究から派生したものだ。ごく小さなティコピア島(面積約五平方キロ)では、三千年を経た今も居住生活が維持されている。中程度の大きさのマンガイア島(約七十平方キロ)は、イースター島と似た経路をたどり、森林乱伐という誘因によって崩壊した。そして、三つの島のなかで最大のトンガ(約七百五十平方キロ)は、三千二百年にわたって、どうにか持続的に機能している。なぜ、小さい島と大きい島が環境問題の制御に成功を収めたのに対し、中程度の大きさの島は失敗したのだろうか? カーチの主張によれば、小さい島と大きい島は正反対の方式を採って成功したが、中程度の大きさの島はどちらの方式も実行できなかったのだという。

 小さい島もしくは陸地を占有する小規模の社会は、環境管理にボトムアップ方式を採ることができる。領土が小さいので、住民すべてが島全体の事情に通じ、島内のあらゆる開発に影響されるという自覚があって、帰属意識や共通の利益をほかの住民と分かち合っている。したがって誰もが、隣人とともに妥当な環境対策を採れば、恩恵を受けられることを知っている。これがボトムアップ方式であり、そこでは人々が自分たちの問題の解決に一致協力して取り組む。

 これと正反対の方式が、ポリネシアのトンガなど、中央集権的な政治体制を採る大きな社会に適したトップダウン方式だ。トンガはあまりにも広大すぎて、群島全体はおろか、大きな島々のうちのひとつでさえ、個々の農民が把握することはむずかしい。群島内の遠く離れた場所で何か問題が起こって、それが農民の生活に破滅をもたらしうるとしても、初期段階で農民が知るすべはない。たとえそれを知った場合でも、お決まりの「われ関せず」の姿勢でかたづけてしまう可能性もある。自分にとってはさして重大ではない、あるいはその影響が及ぶのは遠い未来だ、と考えるからだ。また逆に、自分の地域に問題(例えば森林乱伐)が生じても、別の地域に樹木はたくさんあると決め込んで、おざなりな態度をとるかもしれない。実際にどうなのかは知らないままに。 それでも、

トンガは今なお、ひとりの最高首長、すなわち国王のもとに中央集権国家が成り立つほどの大きさを誇っている。その国王は、地方の農民たちとは違って、群島全体を見渡すことができる。また、農民たちとは違って、群島全体の長期的な利益に配慮すべき動機がある。なぜなら、国王はみずからの富を群島全体から得るのだし、長年この島を治めてきた支配者たちの列に加わったからには、自分の子孫によるトンガの末永い支配を望むだろうからだ。したがって、国王や中央政府は、環境資源をトップダウン方式で管理し、臣民全員に、彼ら自身では系統的に処理できなくても、長い目で見て彼らのためになるような指示を与える。

 成功への二本の対照的な道筋を説明するため、次に、ボトムアップ方式が効果を発揮したふたつの小規模社会(ニューギニア高地とティコピア島)と、トップダウン方式が効果を発揮したひとつの大規模社会(現在では世界第十位の人口を有する国となった日本の、江戸時代)の話を手短に紹介しよう。三つの例すべてにおいて、対処を要した環境問題は、森林乱伐、浸食、そして地力の劣化だった。とはいえ、過去の多くの社会が、水資源や鳥獣及び魚介類の乱獲という問題を解決するために、同様の方式を採用してきた。

文明崩壊事例と環境問題解決事例 過去社会

2 感想
この図書では結論として環境問題を解決する道筋は二つあり、一つはボトムアップ方式で小地域で可能であり、もう一つはトップダウン方式で大地域で可能であるとしています。つまり社会の空間の広さによってコミュニケーションのありかたが異なり、そのために社会崩壊要因に対する方策が異なる、あるいは生き延び方が異なることが示されています。
町内会などでのボトムアップ方式の有効性と国家レベルでのトップダウン方式の有効性は、常日頃感じているところです。

ボトムアップ方式での環境問題解決社会の事例としてニューギニア高地とティコピア島が、トップダウン方式の事例として江戸時代日本が述べられているので、それぞれ別記事で学習することにします。

つづく

2018年3月5日月曜日

便利なカメラ内臓水準器

サブカメラとして使っているミラーレス一眼カメラ(オリンパス OM-D E-M5 MarkⅡ)を利用して便利に感じている点としてファインダー内蔵水準器をあげることができます。
メインカメラであるカシオカメラ(ZR700)には水準器はないので、斜めに傾いた写真になり補正しなければならない場合もあります。カシオカメラのほうが好みの画像がとれますから残念です。
カシオカメラ画像の補正にオリンパスカメラ画像を使うこともあります。

オリンパスカメラファインダー内の水準器(緑色のゲージ 水平方向、垂直方向)

カシオカメラで傾いてしまった写真

同時刻にオリンパスカメラで水平を確認して撮った写真

2018年3月2日金曜日

2018年2月ブログ活動のふりかえり

ブログ「花見川流域を歩く」とそのファミリーブログの2018年2月活動をふりかえります。

1 ブログ「花見川流域を歩く」
2月は大膳野南貝塚後期集落検討記事を20書きました。
「後世の削平」が竪穴住居に強選択的に働き、漆喰貝層有竪穴住居と漆喰貝層無竪穴住居の出土物数量に極めて大きな歪みをもたらしていることに気が付きました。その結果これまで解釈できなかった異常な数値の意味が推測できるようになりました。
この検討の中で異なる生業2集団が貝塚に共存していたという事実の発見にたどり着きました。新発見とよべる学習成果です。

2 ブログ「花見川流域を歩く 番外編」
ジャレド・ダイアモンド「文明崩壊」の学習記事をメインとして合計9記事を書きました。

3 ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」
早朝散歩に関する記事21を書きました。

4 ブログ「世界の風景を楽しむ」
Geomorphology from spaceの風食地形に関する学習記事を含め7記事を書きました。

5 ブログ「芋づる式読書のメモ」
縄文の思想(瀬川拓郎、2017、講談社現代新書)の学習記事2編、猪の文化史考古編(新津健、2011、雄山閣)の学習記事4編を書きました。
猪の文化史考古編の学習は猪造形の画像を拡大して楽しんでいます。

6 2月活動の特徴
ブログ花見川流域を歩くで「後世の削平」の影響に気が付き、その結果過去記事に不適切となった考察が含まれていたことがわかり、とりあえず13記事についてリストアップして2018.02.18記事「出土物統計の不適切考察記事について」に掲載しました。
これらの記事について訂正も考えましたが、ブログの趣旨が学習の実況中継であり、学習成果の掲示ではないので、記事そのものはそのまま存置しました。

7 3月活動のイメージ
大膳野南貝塚の収斂を目指して学習を急ぎたいと思います。4月以降の早い時期に大膳野南貝塚学習の総とりまとめを行うつもりです。

参考
ブログ「花見川流域を歩く」2018年2月記事
○は閲覧が多いもの
ブログ「花見川流域を歩く 番外編」2018年2月記事
ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」2018年2月記事
ブログ「世界の風景を楽しむ」2018年2月記事
ブログ「芋づる式読書のメモ」2018年2月記事
花見川風景


2018年3月1日木曜日

QGIS レイヤパネルを元のサヤに戻す方法

QGISのレイヤパネルを独立させることはできるのですが、それを元のサヤに戻す方法が判りましたのでメモしておきます。

QGISのレイヤパネルを元のサヤに戻す方法
レイヤパネルを独立させるのは単純にドラッグすればよいだけですが、元のサヤに戻すのは左側からドラッグしなければならないのです。

なおもしレイヤパネルを画面右側に配置したいなら右側からドラッグすればできます。

独立させたレイヤパネルを画面右側に配置する方法
独立したレイヤパネルを画面に配置する時のドラッグは地図画面(マップキャンバス)をこじ開けるような感覚で行います。地図画面が移動して隙間が空きます。