2020年9月25日金曜日

Photoshop輪郭検出試行

 考古出土物の特徴を線画で表現した絵をAIを使って作成できれば、考古学習に役立つように感じます。土器などでは写真にすると把握しにくい特徴が沢山あります。線画で表現すれば特徴を浮き彫りにすることができます。

この記事ではミミズク土偶を例にPhotoshopの輪郭検出機能を使って、それがどの程度効果的であるのか試行してみました。

1 試行対象としてミミズク土偶と実測図

2020.08.26記事「本当は怖いミミズク土偶」で検討した縄文晩期安行3a式ミミズク土偶(千葉市内野第1遺跡)[千葉市埋蔵文化財調査センター展示]を試行対象としました。


ミミズク土偶の展示の様子と実測図

実測図は千葉市内野第1遺跡発掘調査報告書から引用

2 3Dモデル画像の輪郭検出


3Dモデル画像の輪郭検出

実測図は千葉市内野第1遺跡発掘調査報告書から引用

展示物を正面から撮影することは困難ですからフォトグラメトリーにより3Dモデルを作成しました。そのテクスチャ付き3Dモデル正面画像を対象にしてPhotoshop「輪郭検出」機能と「輪郭のトレース」機能を利用して線画を作成しました。

「輪郭のトレース」機能では3回の操作を行いそれを1枚に「乗算」したものですが出来はあまりよくありません。画像の明るいところ、暗いところにトレース機能が影響を受けているようです。

一方「輪郭検出」機能はワンタッチでできる機能で「輪郭のトレース」よりも出来がいいです。また画像の明るいところ、暗いところの影響をあまり受けていません。

3 3Dモデルテクスチャ無しの輪郭検出


3Dモデルテクスチャ無しの輪郭検出

実測図は千葉市内野第1遺跡発掘調査報告書から引用

3Dモデルテクスチャ無し画像は線画ではありませんが、それ自体が情報量を減じた、形状だけを表現した要約資料と言えます。

Photoshop「輪郭検出」と「輪郭のトレース」ともに期待できるような結果を得られませんでした。その理由はおそらくPhotoshopが微妙な色の差異に着目して輪郭を探しているからだと思います。テクスチャ無し画像は色がグレーの濃淡だけであり、Photoshop「輪郭検出」「輪郭トレース」を適用しても大きな価値は生まれないようです。

4 感想

通常写真をPhotoshop「輪郭検出」機能を利用すれば写真を線画として要約することができる可能性を感じ取ることができました。Photoshop「輪郭検出」を、自分が期待するような方向でより粗くできるかどうかさらに検討したいと思います。


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