2020年6月20日土曜日

カメラ焦点距離と3Dモデル再現忠実性

展示考古遺物で小さいものの3Dモデルを作成する場合、カメラ焦点距離変化がどの程度再現忠実性にかかわるのか体験実験をしてみました。

1 3Dモデル再現忠実性実験対象の対象

縄文後期初頭?円錐形土偶(千葉市加曽利貝塚)
加曽利貝塚博物館展示
胴部長径3.2㎝、短径2.7㎝、高さ3.9㎝(3Dモデルから計測)

2 実験した焦点距離
利用カメラはolympus om-d e-m5 mark2。

ア 14.00㎜(35㎜換算28㎜)(カメラズームレンズの最短焦点距離)

焦点距離14.00㎜(35㎜換算28㎜)写真

イ 150.00㎜(35㎜換算300㎜)

焦点距離150.00㎜(35㎜換算300㎜)写真

3 3Dモデルの再現忠実性 結果

オルソグラフィック投影 正面から 左焦点距離150.00㎜、右焦点距離14.00㎜

オルソグラフィック投影 左から 左焦点距離150.00㎜、右焦点距離14.00㎜

オルソグラフィック投影 右から 左焦点距離150.00㎜、右焦点距離14.00㎜

オルソグラフィック投影 上から 左焦点距離150.00㎜、右焦点距離14.00㎜

4 体験実験の感想
焦点距離による3Dモデル結像の違いを対照比較すると、焦点距離150.00㎜の方が14.00㎜と比べて再現忠実性がはるかに高い結果となりました。3Dモデル作成ソフト(3DF Zephyr Lite)が対象物結像に使う情報量の差であると考えます。
この実験により、3Dモデル結像再現忠実性について感覚的に体感できたことはすばらしいことです。
これまでは縄文土器という比較的大きな遺物展示物の3Dモデル作成活動がメインであったため、ズームレンズの利用はわざと封印して、それで結果的にはバランスのとれたモデルがつくられてきたのだと思います。しかし、対象物が数㎝×数㎝×数㎝程度のものの撮影はこれからはズームレンズで拡大して撮影することを多用することにします。
なお、撮影途中で焦点距離を変化させると3Dモデル作成ができなくなりますので、1度設定したズームレンズの位置は最後まで変更できません。

5 3Dモデル

縄文後期初頭?円錐形土偶(千葉市加曽利貝塚) 観察記録3Dモデル
加曽利貝塚北貝塚1-1区Dトレンチ出土
撮影場所:加曽利貝塚博物館
撮影月日:2020.06.17
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.530 processing 38 images
カメラ焦点距離 150.00㎜

簡易版3Dモデル 縄文後期初頭?円錐形土偶(千葉市加曽利貝塚)
加曽利貝塚北貝塚1-1区Dトレンチ出土
撮影場所:加曽利貝塚博物館
撮影月日:2020.06.17
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.530 processing 47 images
カメラ焦点距離 14.00㎜

0 件のコメント:

コメントを投稿