展示縄文土器の3Dモデルを作成する場合、多くの場合は多少見づらいことはあっても土器表面の模様や凹凸を認識することができます。
照明が暗くても人の目で認識できる程度の最低限の明るさが確保されているので、原理として撮影写真で模様や凹凸はわかります。従って3Dモデルも作成できます。
ところが鎌ヶ谷市郷土資料館展示阿玉台Ⅳ式深鉢形土器は把手が広がり、胴部が影になり、3Dモデルをつくっても胴部の模様や凹凸が殆どわからないものになってしまいました。
阿玉台Ⅳ式深鉢形土器の3Dモデル
阿玉台Ⅳ式深鉢形土器の3Dモデル 胴部拡大
これでは困りますのでどのようにしたら暗い(黒い)土器表面を明るくできるか検討してみました。
1 別フィルターの写真を使う
当初作成3Dモデルはポップアートという色が鮮やかに発色しているフィルター写真をつかったものです。別フィルター写真としてビビッド(普通写真に近い)、ドラマチックトーン(コントラストが強く暗い部分が明るくなる)で3Dモデルを作成してみました。
いずれもポップアートより土器表面の模様や凹凸が見やすくなりますが、満足できるものではありません。
2 写真の露出を変える
利用写真64枚の露出を同じ割合で明るくなるようにLightroom Classic CCを利用して変更してみました。
この方法で作成した3Dモデルは見違えるような明るい画面となり胴部の模様や凹凸がよくわかるようになりました。
阿玉台Ⅳ式土器深鉢形土器の3Dモデル(露出変更バージョン) 胴部拡大
暗い(黒い)土器表面の模様・造形を見やすくする決め手としての露出変更
3 感想
暗い(黒い)縄文土器の3Dモデルを作成して、その表面の観察がその暗さ(黒さ)に起因している場合、今後は写真の露出を変えて見やすくすることにします。また過去に作成した見づらい3Dモデルもこの方法で作り直すことにします。
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