展示施設でショーケース等に展示されている縄文土器や石器などの遺物3Dモデルを作成する際の撮影方法が、自分なりに改良されてきていますのでメモします。
1 広角(普通)撮影の功罪
以前はすべて広角(普通)撮影で3Dモデルを作成していました。レンズをいじる必要がありませんし、なによりも広い範囲の展示物を同時に3Dモデルにすることができるので便利です。
1つの3Dモデルを分割して、複数の3Dモデル作成に仕上げることもかなりありました。
しかし、それでは小さい展示物のモデル満足感が少ないことに気が付きました。精度が低いということです。
2020.07.17記事「山形土偶による3Dモデル再現忠実性テスト」
2 望遠撮影の有用性
小さい展示物について望遠撮影したところ、仕上がり3Dモデルは広角(普通)撮影よりも確実に良いことを確認しました。そのため最近は望遠撮影が可能な場面ではすべて望遠撮影することにしました。当然ですが多くの場合対象物は1つになります。(望遠にも限界がありますから、小さい対象物が近接して展示されている場合は複数一緒の撮影になります。)
3 実寸法付与のための広角(普通)撮影
ショーケースの外側にスケールを置いてそれを含む3Dモデルにすると、3Dモデルに実寸法を付与できます。これで3Dモデルの有用性が格段に高まります。この撮影は広角(普通)撮影になります。
2020.02.13記事「展示物3Dモデルスケーリングのための撮影法」
4 広角(普通)撮影と望遠撮影の併用
2と3の双方の要件を満足させるために、現在はすべて広角(普通)撮影と望遠撮影を併用しています。つまり2回同じ展示物について撮影するということです。
時間はかかりますが、得られる情報満足感は大きいものがあります。
以前のようにより短時間でより多数展示物を3Dモデルにしようという「下品」(?)な気持ちが少なくなりました。
1回の展示施設訪問で作成できる3Dモデルが少なくなりましたが、もっと作成したいと希望するならば、何回でも通って質の高い3Dモデルを作成しようという「上品」(?)な気持ちになりました。
広角(普通)撮影写真 エクスプローラー画面
広角(普通)撮影写真で作成した3Dモデル 未調整画面
ショーケース手前にファイバー製スケールを置いています。
望遠撮影写真 エクスプローラー画面
望遠撮影写真で作成した3Dモデル 未調整画面
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