2021年9月27日月曜日

GigaMesh Software Frameworkの使い方 その1 6面図の作り方

 リクエストがありましたのでGigaMesh Software Frameworkの使い方について概要をメモします。この記事はその1 6面図の作り方です。

GigaMesh Software Frameworkはハイデルベルグ大学Hubert Mara博士によって開発された考古学研究者向け3Dモデル分析ソフト(フリーソフト)で3Dモデルから展開図を作成したり、6面図を作成したり多彩な機能を有しています。

一般ユーザーを対象としていないので使い勝手は通常ソフトと異なる点がありますが、とてもシンプルでかつ高機能です。

当方は見よう見まねで実務的にGigaMesh Software Frameworkを使っています。GigaMesh Software Frameworkの仕様や原理原則を十分理解しているわけではありません。ですから以下の説明に勘違いや間違いがあるかもしれませんのでその点はお許しください。

1 GigaMesh Software Frameworkのダウンロード・解凍・起動

ア ダウンロード

Windows10 portable Betaをダウンロードします。


GigaMesh Software Frameworkダウンロード画面

2021.09.26現在gigamesh-200529-windows.zipがダウンロードされます。

イ 解凍

半角英数のパスフォルダーに解凍します。

※GigaMesh Software Frameworkでは日本語パスフォルダー、日本語ファイル名は不可です。

解凍すると次のフォルダーが生まれます。

gigamesh-200529-windows

このフォルダーをクリックすると次の2つのフォルダーが含まれています。

bin

share

binフォルダーをクリックすると多数のファイルとフォルダーが含まれています。

この中にソフト本体であるgigamesh.exeが含まれています。

ウ GigaMesh Software Frameworkの立ち上げ

gigamesh.exeをクリックするとGigaMesh Software Frameworkが立ち上がります。

注意)最初にGigaMesh Software Frameworkを立ち上げるとWindowsが危険だから止めた方がよいと注意喚起してきます。しかし、詳細情報をクリックして立ち上げます。次回からはWindowsの注意喚起はなくなります。

GigaMesh Software Frameworkを立ち上げると次の3つのウィンドウが開きます。


GigaMesh Software Framework立ち上げで開く3つのウィンドウ

3つのウィンドウのうちファイル入力催促画面から3Dモデルファイルを開くとメインウィンドウに3Dモデルが表示され操作可能となります。

コマンドライン画面は、操作が次々に記録される確認用画面でその画面に入力する必要はありません。ただしコマンドライン画面を×で終了するとGigaMesh Software Frameworkが終了してしまいますから残しておきます。

2 Wabefront(.obj)ファイルの事前変換

GigaMesh Software FrameworkでWabefront(.obj)ファイルを使って分析する場合、事前にMeshLab(フリーソフト)を使った変換が必要です。

MeshLabを立ち上げ、対象ファイルを取り込みます(file→import mesh→ファイル選択)。

そのまま、file→export mesh→okで書き出します。Wabefront(.obj)ファイルに新たなmltファイルが加わります。このWabefront(.obj)ファイルをGigaMesh Software Frameworkで使います。


MeshLabにWabefront(.obj)をインポートした様子

Wabefront(.obj)ファイルをMeshLabによる変換をしないでGigaMesh Software Frameworkに取り込むとテクスチャが正しく反映されません。

なお、GigaMesh Software Frameworkに取り込んだ3Dモデルが小さすぎて不都合が生まれた場合には、Wabefront(.obj)ファイルをMeshLabで拡大してから書き出して再度GigaMesh Software Frameworkに取り込みます。

※MeshLabも日本語パス、日本語ファイル名に対応していません。


参考 MeshLab公式サイト・ダウンロード

3 画面操作用キーボード説明図

GigaMesh Software FrameworkホームページのTutorialsの1.3.Navigatingに画面操作用キーボード説明図が掲載されています。


画面操作用キーボード説明図

このキーボード説明図を画面なり、紙なりで常時確認できるようにしておくと画面操作が円滑になり便利です。GigaMesh Software Frameworkでは3Dモデルの回転等の調整は主にキーボードで行います。

4 操作中に不都合が生じた場合の対処方法

このソフトは戻るボタンがありません。操作に失敗した時(不都合が修正できない時)はReLoadボタン(上左端)で当初3Dモデルを取り込んで作業をし直します。

何回も操作し直して好みの結果に到達するのがこのソフトの特徴です。

5 操作例 6面図作成

ア 3Dモデルファイルを開く

file→open→ファイル名指定で3Dモデルファイル(MeshLabで事前変換したWabefront(.obj)ファイル)を開きます。


3Dモデルファイルを開いた様子

画面右のColormapとRenderingの各項目で対象物の表現を様々に変化させることができます。

イ 対象物を正置する

対象物を画面の中で正置します。

主な操作

・背景を主にPolar Gridにして、時にRectangular Raster Gridを使いそれとの対比で正置作業をします。

・対象物を半透明にして(Set Inspection Viewボタン 上真中付近)対象物をグリッドと合わせます。

・マウス右クリック移動で対象物を移動します。

・キーボードで角度を回転調整します。

・キーボード90度回転でどの角度からみても正置になるように確認します。

(縄文土器の場合かならず各種ゆがみがあるので完全な正置は実際上あり得ません。)


対象物を半透明にして底から見ている様子


対象物を正置した様子

ウ 6面図書き出しの設定

・File → Export Image Stack → Camera on Longitudinal Orbit (Vertical Axis).

エ 6面図書き出し

File → Export Screenshots → Screenshot Views(PNG)

次のウィンドウが開きます。


保存用画面

そのままあるいは接頭文字を加えてSave→Tiled renderingウィンドウ→Yesで6つの画像がフォルダー(読み込んだ3Dモデルのあるフォルダー)に書き込まれます。


書き出された6面図用画像

つづく

次の記事では「その2 操作例 展開図作成」を予定します。


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