2021年9月30日木曜日

GigaMesh Software Frameworkの使い方 その2 展開図の作り方

 この記事は、2021.09.27記事「GigaMesh Software Frameworkの使い方 その1 6面図の作り方」のつづきです。縄文土器を例に展開図の作り方の概要をメモします。詳しくはGigaMesh Software Frameworkサイトのマニュアルやビデオを参照してご研究ください。


この記事に出てくる主なボタン

1 展開図作成

1-1 土器の正置

土器を上から見て、その回転軸がPolar Gridの中心になるように正置します。


土器回転軸とPolar Grid中心を合わせた様子

(土器はSet Inspection Viewボタンで半透明にしてある)

1-2 軸設定

Set the rotational axis using the central pixelボタンをクリックします。

次のウィンドウが開きます。


軸設定ウィンドウ

Yesをクリックします。土器を動かすと次のように緑色の軸が設定されています。


土器に軸が設定された様子

1-3 展開範囲設定

Select Cone(Axis and two outer Points)ボタンをクリックします。

Ctrlキーを押しながら土器の上端部と下端部をクリックします。

次のウィンドウが開きます。


展開範囲設定ウィンドウ

Yesをクリックします。土器にピンク色で展開範囲がコーンで設定されます。


コーンが設定された様子

1-4 セットデータ

Edit→Cone/Cylinder-Extra→Cone-Set dataをクリックします。次のようなウィンドウが開きます。


Dialogウィンドウ

OKをクリックします。

1-5 (切断の)始点設定

Select single vertex(SelPrim)ボタンをクリックします。

土器表面で切断始点1点をCtrlキー押しながらクリックで設定します。この時画面には何も表示されません。

1-6 展開

Edit→Cone-Unroll Meshをクリックします。

次のSet cutting planeウィンドウが開きます。


Set cutting planeウィンドウ

Noを選択します。そうすると次のStraighten rollout-Cylinderstyleウィンドウが開きます。


Straighten rollout-Cylinderstyleウィンドウ

ここでは例としてNoをクリックします。

Flip rolloutウィンドウが開きます。


Flip rolloutウィンドウ

Noをクリックします。

展開図(作成のための3Dモデル)が画面に表示されました。


展開図1が表示された様子

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Straighten rollout-CylinderstyleウィンドウでYesを、次のFlip rolloutウィンドウでYesをクリックすると次の展開図が画面に表示されます。


展開図2が表示された様子

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2  展開図の6面図書き出し

File → Export Image Stack → Camera on Longitudinal Orbit (Vertical Axis).にチェックを入れます。

File → Export Screenshots → Screenshot Views(PNG)で書き出し用ウィンドウが開きますので、適当な接頭文字を加えてSaveをクリックすると展開図の6面図が書き出されます。展開図には土器表面の展開図のみならず、土器内面の展開図も含まれます。このなかから必要な図を利用します。


展開図の6面図

3 展開図作成のための3Dモデルの書き出し

File→Save asで展開図作成のための3Dモデルをplyファイルで書き出すことができます。

7で6面図として書き出した展開図とはこの3Dモデルをオルソ投影した図です。


展開図作成のための3Dモデル(3DF Zephyr Lite画面)

技術資料 GigaMeshによる縄文土器展開図作成に伴う3Dモデル 例

これほどの高機能3Dモデル分析ソフトを無償で公開しているGigaMesh Software Framework主宰者Hubert Mara博士に感謝申し上げます。

12 件のコメント:

  1. giga meshの使い方がわからず、参考にさせていただいております。3Dのデータ(obj)をMeshLabで変換してからGigaMeshに取り込むと、元カラーデータが失われ白黒になってしまいます。色情報は後ほどimportするのでしょうか。ご教授いただけましたらありがたいです。

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    1. このコメントは投稿者によって削除されました。

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    2. 池田奈津江さん コメントありがとうございます。
      GigaMesh Software Framework画面の右上にcolormapという項目があり、一番下にtexturedというチェック欄があいります。ここをチェックするとカラーになると思いますので、試してみてください。
      もし改善しなければ、もっと詳しく画面の様子を教えてください。

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    3. araki様 ご教授いただきありがとうございます。texturedを押してみましたが、(ファイルのopen前、open後とも試しました)白黒から変化しませんでした。ちなみに、Mesh Labで何かしらの設定をされていますでしょうか。

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    4. 使い方その1のブログにある「MeshLabにWabefront(.obj)をインポートした様子」の写真を拝見したところ、右下のcolor設定が「vert」になっているようですが、私の画面では、「face」のままでvertが選択肢にでてきません。不具合の原因ではないかと気になっております。たびたびで申し訳ありません。。

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    5. 池田奈津江さん Wabefront(.obj)ファイルのテクスチャファイルがJPGだとmeshlab書き出しも正常にできません。GigaMesh Software Frameworkも受け付けません。テクスチャファイルをPNGファイルにして試してください。ダメなら状況を教えてください。

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    6. すみません。。テクスチャファイルについて理解不足です。VL700で撮影しました3D データ(vld)を、objに変換してexportしましたら、多数のPNGファイルが出力されましたが、JPEGファイルはありませんでした。 ちなみに、MeshLabでimportした際には、カラーのままですので、arakiさんの画面写真と同じになるよう…Filter⇒Color creation and proccessing⇒Transfer color⇒Face to Vertexに設定して出力、GigaMesh Software Frameworkに取り込んでみましたが、ダメでした。

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    7. 池田奈津江さん
      自分の場合次のような操作でGigaMesh Software Frameworkが使えます。
      ●GigaMesh Software Frameworkを置いている場所のパスに日本語がないことが大前提です。
      1 次のような画像テクスチャファイル4つを伴うWabefront(.obj)ファイルをつくりました。(自分の場合はフォトグラメトリソフト3DF Zephyr Liteで作成。)
      "C:\data\gigamesh\data\20231204test\c6gss.mtl"
      "C:\data\gigamesh\data\20231204test\c6gss.obj"
      "C:\data\gigamesh\data\20231204test\c6gss_tex0.png"
      "C:\data\gigamesh\data\20231204test\c6gss_tex1.png"
      "C:\data\gigamesh\data\20231204test\c6gss_tex2.png"
      "C:\data\gigamesh\data\20231204test\c6gss_tex3.png"
      2 このWabefront(.obj)をMeshLabに投入して、次の操作をしました。
      filters→normals,curvature and orientation→transform:scale,normalize→(出てくるウィンドウで)apply→(そのウィンドウを消して)→file→export mesh→OK
      この操作をすると次のファイルが添付されるとともに、テクスチャファイルが書き換わります。
      "C:\data\gigamesh\data\20231204test\c6gss.obj.mtl"
      3 新しいファイルが加わったWabefront(.obj)ファイルをGigaMesh Software Frameworkに投入すると、自分の場合は、正常に操作できます。
      試して見てください。

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    8. ご丁寧にありがとうございます。とても勉強になります。じっくり試してみます。

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  2. このコメントは投稿者によって削除されました。

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  3. 御礼が遅くなり失礼いたしました。なんと、GigaMesh Software Frameworkを置いている場所のパスに日本語がありました。その後、カラーの問題も解決し、現在、実測図作りでフル活用しております。すばらしく便利なソフトをご紹介、わかりやすく教えていただきありがとうございました。

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