2015年5月9日土曜日

花見川団地の立派な栗並木の出自

見知らぬ方から連絡をいただき、花見川団地にある立派な栗並木が鉄道連隊敷設軌道の枕木用に植えられたものであると言い伝えられていて、それを確かめ、その保全を図りたいという趣旨のお話をいただきました。

鉄道連隊の活動については常々興味を持っていますので(サイト「鉄道連隊の花見川架橋演習」参照)、調べてみました。

1 問題の栗並木
問題となっている栗並木の位置は次の場所にあります。

栗並木の位置
Google earthの過去空中写真による

3 米軍空中写真の情報

米軍空中写真(1949年撮影)

米軍空中写真では、問題の場所は林地の縁になっています。拡大して実体視しても並木はみつかりませんでした。

4 1960年代千葉市都市図

1960年代千葉市都市図
千葉市郷土博物館提供

1960年代千葉市都市図(航空写真測量地図)でも並木表現はありません。(並木のある他の場所では並木表現されています。)

5 結論
花見川団地の栗並木は鉄道連隊の軌道敷設とは関係なく、花見川団地建設以降の修景地物であることが確認できます。

栗並木のある付近の道路(その元は軌道)がカーブしています。

ドライバーの視線が直接建物に当るのではなく、栗並木に当るようにしてドライバーの運転心理を緩和しようという、団地設計者の隠された配慮が浮かびあがります。

栗並木が鉄道連隊と関係無いということで、「夢」が一つしぼんでしまいましたが、立派な栗並木は是非保全していただき、いつまでも花見川団地の風景を良くして、また、ドライバー心理を平静に保つ機能を発揮されるようにしていただきたいと思いました。

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