2020年2月6日木曜日

縄文遺物3Dモデルの距離測定初体験

縄文遺物3Dモデルに実寸法を付与することができましたので、次のステップとして遺物の寸法を測定してみました。
2020.02.06記事「3Dモデルに実寸法を付与する方法(3DF Zephyr Lite)

次の画面は3Dモデル「正面からのビュー」で対象物上端と下端を指定して縦寸法を測ったものです。値は17.1087㎝となりました。

縦方向寸法の測定

この画面を3Dモデル「左からのビュー」に切り替えたみました。なんと断面形でみると縦寸法と思った線分に角度があります。

縦方向寸法の測定画面の断面画面
つまり値17.1087㎝は2次元空間に投影した縦方向長さではありません。角度の表示がありますので三角関数で計算すると、2次元空間に投影した縦方向長さは17.03㎝になります。人面付土版の縦方向長さは17.03㎝です。
同じ操作を断面寸法→正面画面投影してみますとさらに極端になりました。

この操作から3Dモデルにおける距離測定とはあくまでも3次元空間における距離測定であり、自分が期待する2次元空間に投影した距離測定ではないということです。

次の人面付土版上端部画像でわかるとおり、特定ポイントを「上端部」測定ポイントとして設定することは実は意外と困難であることがわかりました。

人面付土版上端部画像

さらにこの操作で縦方向の鉛直性担保はなんらのガイドもない中でのその場の感覚であることが気になります。
同時に本来は対象物と仮想矩形との接点で計測しなければなりませんが、計測はあくまでも3Dモデルの上でなければできません。厳密にいえばどんなに精密に作業しても、求めたい距離よりも幾分か小さい距離になってしまいます。

自分が3Dモデルでの距離測定で期待する機能は次のようなものです。

3Dモデルで計測したい距離
グリッドはPhotoshopで後付けで画像にオーバーレイ

3DF Zephyr Liteには残念ながら画面背景にグリッドがありませんから対象物の配置(軸の設定)は目見当になります。また補助線や補助ポイントの設定はできません。(ただし3DF Zephyr Proは点設定が、3DF Zephyr Aerialは点と線設定ができますが、それらの上位バージョンは当方にとって高嶺の花です。)

3Dモデルにおける距離計測を初体験してみて、自分がイメージしていた土器形状把握とは3Dモデルにおける距離測定ではなく、3Dモデルを2次元空間に投影した時の距離であるという基本的な原点を強く意識することができました。

3Dモデルの距離計測方法は大いに改善の余地ありと感じました。おそらく3DF Zephyr Liteというソフト、あるいはMeshLabなどのソフトでは効率的に計測できないと結論的に考えました。

土器形状に関して計測したい要素は例えば次のようになります。

土器形状に関して測定したい要素

これらの要素測定がGigaMeshでどの程度効率的にできるか、次の記事で検討します。
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GigaMesh Software Frameworkを使った効率的距離計測体験は次のブログ記事に書きました。
ブログ花見川流域を歩く20200209記事「GigaMesh Software Frameworkによる縄文遺物の効率的距離計測


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