2018年7月10日火曜日

ドミニカ共和国とハイチ

ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、上下)の学習 18

ジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」(草思社文庫、上下)を読んでその抜き書きをしたり、感想をメモしたりしています。この記事では「第3部現代社会 第11章ひとつの島、ふたつの国民、ふたつの歴史 -ドミニカ共和国とハイチ-」の感想をメモします。
3か月近く間が空きましたが、2018.04.25記事「アフリカの人口危機---ルワンダの大量虐殺」の続きです。

1 対照的なドミニカ共和国とハイチ

ドミニカ共和国とハイチの地図
これまでドミニカ共和国はメジャーリーガーに人材を輩出しているように野球で有名で、ハイチは水害の被害に苦しんでいるというイメージしかありませんでした。しかしジャレド・ダイアモンド著「文明崩壊」を読んでその歴史を詳しく知ることができました。若い頃うろ覚えに知った独裁者トルヒーヨ大統領などの既知の言葉を手掛かりして、興味を深めることができました。
ひとつのイスパニョーラ島に2か国があり、その発展の違いの激しさに驚きました。
現状ではハイチはアフリカを除くと世界で最も貧しい国で、海外からの支援を受け入れるだけの人材・組織もない状況があり、森林破壊が著しい状況にあります。一方ドミニカ共和国は独裁者トルヒーヨやバラゲールが国の近代化をすすめ、また森林保護政策を執りそれが成功している様子が紹介されています。
Google earth proの衛星写真でもハイチの裸地化した土地とドミニカ共和国の森林が国境付近で際立った対照を示します。

ドミニカ共和国とハイチの国境付近

ドミニカ共和国とハイチの国境付近 3D

2 相違を生み出した要因としての社会の対応
ハイチの森林乱伐や貧困問題は最近40年でより深刻化し、ドミニカ共和国との相違を大きくしてます。ジャレド・ダイヤモンドはその相違の要因を様々な角度から分析していますが、私が印象的に感じたのは、ドミニカ共和国では独裁者がトップダウンで軍隊をも使って森林保護に努め、そうした指導者の対応が社会の運命を決めた重要な要因であると述べている点です。つまり社会の運命とはその社会自体に委ねられている(極限すれば指導者に委ねられている)という側面があり、その顕著な例証としてひとつの島にあるドミニカ共和国とハイチの相違を提示しています。

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