2020年12月19日土曜日

紙地図等高線から地形3Dモデルを作成する方法

 紙地図等高線から地形3Dモデルを作成することが、web情報を閲覧しながら試行錯誤して出来るようになりましたので、そのテクニックをメモします。

見様見真似の活動のため間違っている点や非効率の側面があるかもしれませんが、自分自身用のメモとして記録しておきます。

次のweb記事が特段の参考になりましたので石井淳平さんに感謝します。

石井淳平 GRASS GIS v.surf.rstコマンドで等高線からDEMを作成する

試行錯誤活動の中で特にハードルが高く、その突破に時間がかった項目に●をつけました。。

1 技術メモ

1-1 等高線デジタイズ方法(QGIS作業)

・QGISのEPSGは(千葉県なので)6677としました。

1-1-1 等高線資料のQGIS画面ジオリファレンス

(略)

1-1-2 等高線のデジタイズ(等高線ファイル作成)

ア ファイル特性の設定

・QGISでレイヤ→レイヤを作成→新規シェープファイルレイヤ

・ファイル名入力(パス名・ファイル名に日本語不可)

・ジオメトリタイプ→ライン

・追加次元 Z値(+M値)にチェック●

・新規フィールド 名称→elev(日本語不可) 型→小数点付き整数 →フィールドリストに追加●

イ 等高線トレース

・新規レイヤを書き込みできるようにして等高線をトレースする。1本のトレース終了時にID番号(通し番号)とelev値(標高値)を記入する。

(等高線は部分的に存在していても、完全につながっていなくても、標高の間隔が不定でも可。)

・最後にシェープファイルとして保存する。


等高線トレースの様子

1-2 等高線ファイルを含むGRASSマップセットの作成(GRASS作業)

・GRASSでデータベース、ローケーション(EPSGは6677)、(等高線ファイル格納予定)マップセットのフォルダーを作成する。(日本語不可)

・GRASSでマップセットに等高線ファイルをインポートする。(ベクトルデータのインポート)


GRASSにインポートされた等高線ファイルの様子

1-3 等高線→DEM変換作業(QGIS作業…GRASSプラグインによる作業)

・プラグイン→GRASS→GRASSMapsetを開く→GISDBASE(データベース)、位置(ロケーション)、Mapsetについて等高線ファイル格納のものを選択→OK (この状態ではQGISにGRASSの等高線ファイルは表示されない。●)

・プラグイン→GRASS→GRASSツールを開く→GRASSツール→領域(画面で領域を設定する)→解像度で解像度を設定(EPSG6677はm単位であり、東西・南北に1を設定するとドット1つが1m×1mを代表する。東西・南北に0.5を設定する0.5mメッシュ精度のDEMを作成することになる。)●

・GRASSツール→モジュール→Raster→Surface management→Interpolate surface→v.surf.rst→モジュール→オプション(v.surf.rstは検索でも出てくる)

・オプションで入力するベクトルマップ名の選択、Attribute field(interpolated values)(標高フィールド)の選択、Name for output surface elevetion raster map(出力ファイル名 日本語不可)などを選択・入力する。

・最後に実行。(実行するとGRASSツール出力欄が開き作業進行状態が表示され、最後に成功しました。)(この状態ではQGISに出力ファイルは表示されない。●)

・「出力を見る」クリック●→QGISレイヤパネルにDEMレイヤ(ラスターファイル)が入る。ただし、画面には表示されない。!!!●


GRASSツールの画面の様子

1-4 出力DEMファイルの表示・利用(QGIS作業)

・出力DEMレイヤクリック→プロパティ→シンボロジ→モードを連続的を等間隔分類に変更する●(関連してクラスを例えば5に、カラーランプを反転するなどの調整をする)→適用→OK→出力DEMファイルが画面にカラーで表示される。(このレイヤの状態ではDEMとして機能しません。●)

・出力DEMレイヤクリック→エクスポート→名前を付けて保存→ラスタレイヤの保存→出力モードの生データにチェック(形式GeoTIFF●、ファイル名入力、座標参照系(例EPSG6677)OK→GeoTIFFファイルの出力(このファイルがDEMファイルとして3Dモデル構築に使えます。)


出力DEM表示例(QGIS)

1-5 Qgis2threejsによる3Dモデル構築

・Qgis2threejsのDEMで4で作成したGeoTIFFを指定して3Dモデル表示。

・3Dモデルを.gitfファイルで出力。


Qgis2threejs画面例

2 感想

・大小とりどりの「判らないこと」を試行錯誤で「判ること」にする作業は膨大な時間がかかり、結局この作業が出来るようになるまでに丸4日間かかりました。最も時間がかかったのは次の2点です。

1 QGISにGRASSが使えるバージョンと使えないバージョンがあり、使えないバージョンを使っていることに気が付くまでに丸2日間を要しました。

2 GRASS操作は全く始めてであり、基本操作習熟に丸1日間を当てました。

・丸4日間使ったとはいえ、紙等高線→3Dモデル作成スキル習得の価値はきわめて大きなものがあります。このスキルを得た満足感は大きなものがあります。

・このスキル習得により遺跡学習の意欲が強まってきています。

・GRASSのv.surf.rstモジュールは等高線にそって伸縮ゴム布を被せたような3Dモデル作成という機能を持っていますが、その調整が可能であり、今後その調整の様子を理解したいと思います。同時に類似別機能を有する関連モジュールがあり、それらの機能も理解したいと思います。

・考古遺跡学習のみならずGRASSをつかった地形分析に興味が深まります。

・GRASS活用の突破口が開いたことは自分にとって意義の大きなことです。

……………………………………………………………………

2024年9月に同じ話題で新しい記事を書きました。

2024.09.15記事「紙等高線地図から地形3Dモデルを作成する方法

2020年12月15日火曜日

技術メモ QGISで作成した3Dモデルの3DF Zephyr Liteへのインポート方法

1 QGISで作成した地形3Dモデル(.gltf)の3DF Zephyr Liteインポート必要性

QGISで地形3Dモデルを作成し、その様子を動画で記録することができれば便利です。

QGIS3Dモデル画面(Qgis2threejs画面)をマウスでいじっている様子をGameDVR(Windows10付録ソフト)で録画する方法もあります。しかしこれではあまりに簡易であり、もう少ししっかりした動画を作成したくなることがほとんどです。しっかりした動画を手間をかけないで作れるソフトとして3DF Zephyr Liteがとても有用です。そのため、QGISで作成した地形3Dモデルを3DF Zephyr Liteにインポートする必要性が生まれます。

2 QGISで作成した地形3Dモデル(.gltf)の3DF Zephyr Liteインポート方法

QGISプラグインQgis2threejsで作成するは.gltfファイルです。これを直接3DF Zephyr Liteに投入できません。そこで、Blenderで.objファイルに変換して、それを3DF Zephyr Liteに投入します。


.gltfファイルの3DF Zephyr Litへの投入手順

なお、Blenderからエキスポートするファイルは.objファイル(及び.mtlファイル)だけではありません。テクスチャ画像(.pngファイル)も別作業でエクスポートする必要があります。この作業を省略して、単に.objファイルだけエクスポートして、それを3DF Zephyr Liteにインポートすると画像は貼り付きません。

.pngファイルと.objファイル、.mtlファイルは同じフォルダーに置く必要があります。


Blenderでのテクスチャ画像エクスポートの様子

3 3DF Zephyr Liteでの動画作成操作

3DF Zephyr Liteに.objファイルをエクスポートすると3DF Zephyr Liteに3Dモデルは底を正面に向けた状態で結像します。この状態をキズモで正立させてからアニメーターで動画を作成します。

2020年12月1日火曜日

2020年11月ブログ活動のふりかえり

 ブログ「花見川流域を歩く」とそのファミリーブログの2020年11活動をふりかえります。

1 ブログ「花見川流域を歩く」

・11月の記事数は23です。

ア アリソガイ製ヘラ状貝製品学習

・アリソガイ製ヘラ状貝製品の3Dモデル観察を深め、アリソガイの使用法についてまとめました。使用法検討でBlenderによる3Dモデル分析を行いました。

イ 「ちばの縄文」展示の3Dモデル作成

・千葉県立中央博物館企画展「ちばの縄文」展示物の3Dモデルと観察を行いました。自分が縄文社会を理解する上で特段に重要と思う展示物が多く、密かなる興奮を伴う活動となっています。

ウ 加曽利E式土器企画展観覧

・今年で3年目となる加曽利貝塚博物館企画展「あれもEこれもE 加曽利E式土器 北西部地域編」を観覧しました。

2 ブログ花見川流域を歩く番外編

・3Dモデル技術に関するものなど5記事を書きました。

・微小展示物(コハク)の3Dモデル作成にチャレンジし、3回目の撮影でようやく成功しました。

・3DF Zephyr LiteとBlenderをセットにして操作技術習得を進めました。3Dモデルの穴埋めとか、メッシュ間引きとか基礎技術が少し身に付き出しました。

3 ブログ花見川流域を歩く自然・風景編

・17記事を書きました。

・早朝の暗い時間、まだ光量の少ない日の出前後時間の撮影の仕方を工夫して、Photoshopの機能も利用して、より自分の好みに合った鮮やかな写真ができるように努力しています。

4 ブログ世界の風景を楽しむ

・11月は休載となりました。

5 ブログ芋づる式読書のメモ

・11月は休載となりました。

6 11月学習の特徴

・アリソガイ学習、展示物3Dモデル作成観察、3Dモデル作成スキル向上が活動の柱になりました。

・展示物3Dモデル作成観察では鉢ヶ谷遺跡出土中期土偶と小型深鉢土器の観察を行い、鉢ヶ谷遺跡と中部高地との関係について問題意識を深めました。また、養安寺遺跡出土コハクの観察と別途実施している同遺跡出土アリソガイ観察から、養安寺遺跡と有吉北貝塚との関係について問題意識を深めました。

7 12月学習のイメージ

ア 縄文社会消長分析学習

・養安寺遺跡と有吉北貝塚を最初の事例学習対象として、発掘調査報告書の詳細理解を行い、加曽利E式期頃の社会消長理解を深めることにします。

・この学習の中に継続しているアリソガイ学習を含めます。また「ちばの縄文」企画展と「あれもEこれもE」企画展展示物3Dモデル観察もこの学習の一環として行うことにします。

イ 3DF Zephyr Lite & Blenderのスキル向上

3DF Zephyr Lite & Blenderの操作スキル向上に意識して取り組み、この冬に「モノ」にします。

8 地名学習について

10月~11月にかけて数人の方から地名学習記事についてコメントをいただいたり、連絡をいただきました。地名学習については過去に熱中していた時期があり、ブログ記事も多数になります。そのブログ記事が検索でヒットして読んでいただき、興味を持っていただいたのだと思います。

縄文時代にも地名が存在していたことは100%確実であり、その縄文時代の地名(縄文晩期の地名)が連続して弥生時代にも使われたことも確実です。さらに弥生時代の地名も・・・、地名が完全に途切れた時期は房総では(日本では)なかったと想像します。縄文時代の地名(縄文語による地名)が現代にまで伝わっているものが存在することは確かであると思います。

このような意味から現在熱中縄文学習と過去熱中地名学習はリンクします。

なんと地名「千葉」は縄文語「チパ」(イナウの意)に由来し、古語枕詞「ちはやふる」の「ちは」に通じているという地名「千葉」語源説もあります。「地名「千葉」は縄文語起源 梅原猛仮説」参照

地名に関するコメントや連絡に刺激されて、いつか縄文学習が一段落する時があれば、地名学習に回帰してみたくなります。

9 展示物3Dモデル作成記事について

縄文土器等の展示物撮影と3Dモデル作成のスキルはそれを始めた2年前と比べると格段に効率的にできるようになってきています。

一方、それを記事にするときは、その対象物についていろいろ調べることをある程度徹底して行うので、時間がかかります。

そのため、記事にしていない3Dモデル素材が急激に増えています。展示物観覧を生かし切れていません。もったいないような気がします。

そこで、観覧撮影して作成した3Dモデルは原則全て記事にして情報公開して皆様と情報共有することにします。3Dモデル記事全てについて詳しい検討をすることは時間的に無理ですから、記事によっては検討やメモ・感想のないものもあれば、詳しい検討がなされるものもあるという状況を前提にすることにします。

参考

ブログ「花見川流域を歩く」2020年11月記事

〇は閲覧の多いもの

ブログ「花見川流域を歩く 番外編」2020年11月記事

ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」2020年11月記事


ブログ「花見川流域を歩く」2020年11月全23記事のサムネイル


2020年11月30日月曜日

メッシュ間引きと穴埋め 見様見真似の3DF Zephyr Lite & Blender

 見様見真似の3DF Zephyr Lite & Blender操作技術習得が継続しています。

最近気が付いた基本事項をメモします。

1 メッシュの間引き

・作業用メッシュの作成。

プロジェクト「メッシュ」で、本メッシュ→右クロック→クローンで間引き作業をする対象メッシュを作成する(不都合が生じた時に作業メッシュを破棄して本メッシュに戻れるようにしておくため)。

・対象メッシュの不用部除去や穴埋め調整をする。

・ツール→メッシュフィルター→間引き→ターゲット頂点の数を必要なだけ減らす→フィルターを適用

・ワークフロー→テクスチャ付メッシュ作成でテクスチャ付メッシュを作成する。


3DF Zephyr Liteの間引き画面

(参考) Blenderの作業

・編集モード→3Dモデル全部指定→メッシュ→クリーンアップ→形状のポリゴン数削減→画面右下「形状のポリゴン数削減」クリック→比率の数値変更

・3Dモデルのエクスポート

2 穴埋め

2-1 平面の穴埋め(個別穴埋め)

・アイコン「ワイヤフレーム表示を有効化/無効化」をクリックして、対象メッシュをワイヤーフレーム表示する。

・編集中→選択→手で→楕円(あるいはポリライン等)で穴周辺を指定する。

・フィルタリング→選択的穴埋め→数で選択で1を設定→サイズで選択をチェックして最大サイズ調整→塗り潰しを選択をクリック

(参考) Blenderの作業例

・穴に面する辺の1つを指定する→Fキーを打つ(連続して打ち穴を埋める)

2-2 チューブ状穴の穴埋め

チューブ状部分全体を、編集中→選択→手で→楕円(あるいはポリライン等)で選択し、削除する。

穴が開いた2つの平面になるので、それぞれ2-1の方法で穴埋めする。


チューブ状になっている穴の様子

3 プロジェクト「メッシュ」での調整が基本

これまでプロジェクト「テクスチャ付メッシュ」まで一気呵成に作業をすすめ、そのモデルの不用部分を削除して最終モデルとしてきました。しかしこの方法では次の不都合が生じます。

ア 穴埋めはプロジェクト「テクスチャ付メッシュ」ではできない。

イ メッシュの間引きはプロジェクト「テクスチャ付メッシュ」ではできない。

ウ プロジェクト「テクスチャ付メッシュ」で不用部分を削除したモデルのテクスチャ画像は不用部分を含んだ画像であり大容量ファイルとなる。


プロジェクト「メッシュ」で当初生成3Dモデルと切り抜きモデルのテクスチャ画像の大きさの違い

このような不都合があることにようやく気が付きました。そこで、これからの作業はプロジェクト「メッシュ」で一度立ち止まり、そのステップで必要な調整を行い、プロジェクト「テクスチャ付メッシュ」は最後の仕上げとすることにします。

2020年11月26日木曜日

BlenderでUVマッピング展開することによるファイル縮減効果

 3DF Zephyr Liteから.objファイルを出力してそれをSketchfabに投稿しようとしたところファイルの大きさが100MBを超え投稿できませんでした。

しかし、BlenderによるUVマッピング展開によりファイルの大きさを縮減してSketchfabに投稿することができましたので、その方法をメモしておきます。

1 Blenderによる.objファイルのUVマッピング展開(アンラッピング)

・Blenderに3DF Zephyr Liteから出力した.objファイルをインポートする。

・編集モードにする。

・Shading→UV→展開

・ファイル→エクスポート→Wavefront(.obj)→(エクスポート)

2 3DF Zephyr Liteに.objをインポートして再度エクスポートする

・3DF Zephyr Liteで「入力」→「UVマップ付きメッシュを入力」→「ファイルを選択」で1で作成した.objファイルを選択する。

・入力したUVマップ付きメッシュを.objファイルでエクスポートする。このエクスポートファイルが当初ファイルより縮減していました。


Blenderで展開することによるファイル縮減効果

BlenderによるUVマッピング展開によりテクスチャ画像の不要部分が除去されるため、ファイルの大きさが縮減されます。したがって、もともとテクスチャ画像に不要部分が無ければこの方法を適用してもファイル縮減はあり得ません。

3DF Zephyr Liteによるフォトグラメトリーでは完成3Dモデルのテクスチャ画像には一般に多くの不要部分がありますから、この方法は有用です。

見様見真似の3DF Zephyr Lite & Blender技術習得が継続しています。

参考 Unwrapping a texture generated by 3DF Zephyr


2020年11月15日日曜日

微小対象3Dモデル作成の失敗と成功

 微小対象3Dモデル作成に失敗と成功の体験をしましたのでメモしておきます。

1 微小対象3Dモデル作成の失敗

●最初の撮影と3Dモデル作成

ガラス面越しに展示されているコハク製垂飾(16㎜×10㎜×7㎜)(養安寺遺跡)の写真を19枚撮影し、3Dモデルソフト(3DF Zephyr Lite)に投入したところ6枚が認識されて3Dモデルができました。到底満足できるレベルではなく、3Dモデル作成は失敗となりました。

失敗の原因は撮影枚数が少ないことと、手振れの影響がおおきいに違いないと判断しました。


1回目撮影

●2回目の撮影と3Dモデル作成

撮影枚数を増やし、手振れ影響をできるだけ軽減して撮影しました。55枚写真を3Dモデルソフトに投入したところ3枚のみが認識され、3Dモデル作成は大失敗となりました。

失敗の原因が対象物表面における露出過多による画面のツブレにあることがわかりました。


2回目撮影


撮影写真の諸元

2 微小対象3Dモデル作成の成功

●3回目の撮影と3Dモデル作成

ショーケース全体を撮影するときの露出は0.00が適切ですが、ライトが当たっている微小対象を望遠で拡大して撮影する場合、対象物が明るく光っていて露出を絞る必要があることを現場で確認し、露出-2.00で撮影しました。70枚写真を3Dモデルソフトに投入したところ65枚が認識され3Dモデル作成は成功しました。


3回目撮影


撮影写真の諸元


出来上がった3Dモデル(未調整)


対象物だけを切り出した3Dモデル


カメラ配置

3 メモ

ショーケース全体の露出と対象物を拡大撮影した時の適正露出が異なることを、失敗体験を通じて学習しました。

過去の3Dモデル作成でも難の多いモデルでは撮影における露出の不適正さに起因するものが多いとふりかえります。

2020年11月11日水曜日

アートモードブラケット撮影を利用したHDR風写真の作成方法

 1 CASIOカメラによるアートモード写真

早朝の花見川風景は空に浮かぶ雲が赤く染まる様子など、天空の光景がすばらしい主要要素です。しかし花見川の水面とか両岸の樹林なども合わせて見た目どおり写真撮影したくなります。このような写真をCASIOカメラのアートモード撮影は実現してくれます。

しかし、難点もあります。アートモード撮影ではシャッターを押すと、連写撮影が行われ、その結果としてHDR写真ができます。ブログ掲載等ではあまり問題になりませんが、微妙な手振れ効果がどうしても残ります。


CASIOカメラによるアートモード写真

2 OLYMPUSカメラによるアートモードブラケット撮影

OLYMPUSカメラ(OM-D E-M5 MarkⅡ)のアートモードブラケット撮影ではシャッターを押すと、連写なしで指定したアートフィルター(全23種)で画像が出来上がります。連写における画像間の微妙な手振れ変化はあり得ません。

ただし、アートフィルター画像にはCASIOカメラアートモード写真に匹敵するようなものはありません。


OLYMPUSカメラによるアートフィルター ポップアート


OLYMPUSカメラによるアートフィルター ドラマチックトーン

3 アートモードブラケット撮影を利用したHDR風写真の作成方法

Photoshopを利用してOLYMPUSカメラによるアートフィルター画像をいじっていたところ、CASIOカメラによるアートモード写真に匹敵する、あるいはそれ以上の鮮やかさのHDR風画像をつくる方法を見つけました。描画モード「カラー比較(明)」がとても有効です。複数画像の明るい部分だけを選んでくれます。


OLYMPUSカメラのアートモードブラケット撮影を利用したHDR風画像


OLYMPUSカメラのアートモードブラケット撮影を利用したHDR風画像の作り方(原理)

夜明け頃の風景を通常モードで撮る写真は、露出を絞ると空の光景が鮮やかに撮影できますが、地表は真っ黒になります。露出を広げると、地表の地物は写りますが、空の光景は白くない消失します。その中間の写真は出来ますが、とても満足できません。

このような光量の少ない早朝風景写真ではOLYMPUSカメラのアートモードブラケット撮影を利用したHDR風画像作成がとても有効です。

早朝散歩が毎日楽しくなりました。

2020年11月1日日曜日

2020年10月ブログ活動のふりかえり

 ブログ「花見川流域を歩く」とそのファミリーブログの2020年10月活動をふりかえります。

1 ブログ「花見川流域を歩く」

・10月の記事数は28です。

ア アリソガイ製ヘラ状貝製品学習

・アリソガイ製ヘラ状貝製品の3Dモデル観察を続け、観察そのものは8点(うち2点はハマグリ製)を全部終了しました。より深い検討は11月に継続します。

イ 縄文社会消長分析

・縄文社会消長分析学習をスタートさせ、内野第1遺跡、有吉北貝塚、大膳野南貝塚、養安寺遺跡の遺物・遺構の種類と主な数量を発掘調査報告書から汲み取りマインドマップで整理し、相互の比較を始めました。遺跡の特徴が良くわかります。

・関連して、内野第1遺跡の早期頃の落し穴列や後晩期円盤形土器片の使い方について学習しました。

ウ 三直貝塚展示物観察

・君津市三直貝塚出土土製耳飾や浅鉢、注口土器の3Dモデル観察を行いました。それぞれに同じ模様が家紋のように刻まれていること見つけて学習が深まりました。まだ残りがあり11月に観察が継続します。

エ 称名寺式土器の観察

・称名寺式土器の高密度点群モデルから、土器作成時に内面を棒で自動車ワイパーのようになぞった跡を発見しました。また高精細モデルを作成し、その半裁モデルも作成しました。


称名寺式土器内部のワイパーの跡のような模様(高密度点群モデル)

オ 展示施設観覧

・印旛郡市文化財センターの「最新資料展」及び千葉県中央博物館の「ちばの縄文」を観覧して観察と3Dモデル用撮影を行いました。

2 ブログ花見川流域を歩く番外編

・3Dモデル技術に関するものなど7記事を書きました。

・高密度点群モデルをファイル出力し、Sketchfabに投稿できるようになりました。

・高精細モデルを作成し、その巨大ファイルをSketchfabに投稿するスキルが進歩しました。TwitterでAcsi_Nakabajasiさんから技術アドバイスを受け、大いに役立ちました。感謝です。

・Photoshopで多数レイヤーを重ねる際の描画モードの使い方のスキルが進歩しました。3Dモデル作成用のハイパスはバッチファイルを作成し、風景写真では「カラー比較(明)」を効果的に使っています。

3 ブログ花見川流域を歩く自然・風景編

・19記事を書きました。

・日の出時刻が遅くなり、それに合わせて散歩出発時刻を遅くすることが間に合わないために、暗いうちから散歩に出ることが多く、日の出前の朝焼け写真が多くなりました。

4 ブログ世界の風景を楽しむ

・10月は休載となりました。

5 ブログ芋づる式読書のメモ

・10月は休載となりました。

6 10月学習の特徴

・アリソガイ学習、縄文社会消長分析学習(テーマ渉猟学習)、3Dモデル作成とそのスキル向上を活動の3大テーマとして、それを10月は総合的に実施することができました。3つのテーマともに自分にとっては手ごたえのある成果がありました。

7 11月学習のイメージ

・アリソガイ学習を次の観点から深めます。

3Dモデル観察方法について…顕微鏡をつかうなどのより高度な3Dモデル作成観察の企画と試行

遺跡と時期からみたヘラ状貝製品の有無とその理由

・縄文社会消長分析学習(テーマ渉猟学習)を次のように深めます。

加曽利貝塚、六通貝塚、西根遺跡を学習対象に加え、遺跡相互の比較を行います。

遺跡毎に詳細な地形-遺構分布図を作成し、3Dモデルで表現し、遺跡理解を加速します。

・3Dモデル作成とそのスキル向上を次のように進めます。

三直貝塚展示物3Dモデル作成をまとめ区切ります。

印旛郡市文化財センターや千葉県立中央博物館展示物の3Dモデルを作成します。


参考

ブログ「花見川流域を歩く」2020年10月記事

〇は閲覧の多いもの

ブログ「花見川流域を歩く 番外編」2020年10月記事

ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」2020年10月記事


ブログ「花見川流域を歩く」2020年10月全28記事のサムネイル


2020年10月30日金曜日

アドバイスで大ファイルのSketchfab投稿に成功

1 アドバイスで大ファイルのSketchfab投稿に成功

2020.10.24記事「大きな3Dモデル縮小方法とSketchfab投稿 追補」の趣旨をTwitterに投稿したところ、Acsi_Nakabajasiさんから次の技術アドバイスをいただきました。

「書き出す3Dデータの形式を.objではなく.fbxに、テクスチャ画像をjpgにすれば100MBを超えないように思います。」

早速試してみたところ次の結果を得ることができ、なんと大きなファイルをSketchfabに投稿できました。


Acsi_Nakabajasiさんアドバイスに基づいた試行

1 3DF Zephyr Liteから3Dモデルファイルを.fbxで書き出す。

2 .fbxファイルを3DF Zephyr Liteに読み込む。

3 3DF Zephyr LiteからSketchfabに投稿する。

結果として称名寺式深鉢式土器(千葉市餅ヶ崎遺跡)高精細モデルをwebで共有することができました。

Acsi_Nakabajasiさんに感謝、感謝です。技術アドバイスありがとうございました。

なお、.fbxファイルで書き出すと.objファイルで書き出す場合よりファイルの大きさが60%以下になります。画質等の劣化がない状態でファイル大きさを縮減できる技術になります。

また、書き出した.fbxファイルは100Mを超過してしまい、そのままSketchfabに投入すると拒絶されました。しかし、.fbxファイルを3DF Zephyr Liteに読み込み、そこからSketchfabに投稿すると、拒絶されることなく投稿できました。3DF Zephyr Liteファイル(.zep)になると圧縮されるのかもしれません。


高精細3DモデルのSketchfab画面 1


高精細3DモデルのSketchfab画面 2


高精細3DモデルのSketchfab画面 3

2 高精細3Dモデル

称名寺式深鉢形土器(千葉市餅ヶ崎遺跡) 高精細3Dモデル 

撮影場所:加曽利貝塚博物館 

撮影月日:2019.12.27 

許可:加曽利貝塚博物館の許可により全周多視点撮影及び3Dモデル公表 

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.008 processing 93 images 

3Dモデル 3DF Zephyrをアップロード v5.009

技術資料j2q 称名寺式土器高精細半裁モデル1 

【参考】 称名寺式深鉢形土器(千葉市餅ヶ崎遺跡) 観察記録3Dモデル 

撮影場所:加曽利貝塚博物館 

撮影月日:2019.12.27 

許可:加曽利貝塚博物館の許可により全周多視点撮影及び3Dモデル公表 

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.008 processing 93 images 

3Dモデル 3DF Zephyrをアップロード v5.009

技術資料i2q 称名寺式土器高精細半裁モデル2 

【参考】 称名寺式深鉢形土器(千葉市餅ヶ崎遺跡) 観察記録3Dモデル 

撮影場所:加曽利貝塚博物館 

撮影月日:2019.12.27 

許可:加曽利貝塚博物館の許可により全周多視点撮影及び3Dモデル公表 

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.008 processing 93 images 

3Dモデル 3DF Zephyrをアップロード v5.009

3 高精細モデルと高精細モデルの縮小モデルの画質比較


高精細モデルと高精細モデルの縮小モデルの画質比較


 

2020年10月24日土曜日

大きな3Dモデル縮小方法とSketchfab投稿 追補

 2020.10.22記事「大きな3Dモデル縮小方法とSketchfab投稿」を追補します。

1 高精細3Dモデルの縮小とSketchfab投稿手順の別方法

2020.10.22記事の方法とは別の、ステップが一つ少ない方法が見つかりましたのでメモします。


高精細3Dモデルの縮小とSketchfab投稿手順の別方法

MeshLabとPhotoshopを使う点では同じですが、OBJ/MTLファイルを使えば、変更(縮小)ファイルをSketchfabに直接投稿できることがわかりました。

2 高精細3Dモデルの縮小モデルの精細さ


高精細3Dモデルの縮小モデルの精細さ

高精細3Dモデルの縮小モデルの相対的精細さを詳しく検証すると、デフォルト3Dモデルより劣ることがわかりました。

したがって、Sketchfabで3Dモデルの情報共有をする場合は、今後デフォルト3Dモデルで行うことにします。高精細3Dモデルは自分のパソコン内における検討分析資料として使うことにします。

3Dモデルを動画として書き出せば、精細さのレベルを落とさないで情報発信できます。

3 感想

・当初高精細モデルの縮小モデルの方がデフォルト3Dモデルより精細さが高い(優れている)と想定しました。しかし現実はデフォルト3Dモデルの方が精細さが良いですから、高精細3Dモデルの縮小モデルはあまり必要がありません。

・見様見真似で進める3Dモデルテクニック習得ですから、必ずしも予定調和的に物事が進まないこともありうるということです。


2020年10月22日木曜日

大きな3Dモデル縮小方法とSketchfab投稿

 ブログ「花見川流域を歩く」2020.10.18記事「称名寺式土器の高精細3Dモデル(正面半裁)」で3Dモデルのファイル大きさが100MBを越えていて、Sketchfab投稿(プラス会員上限100MB)ができないことを嘆きました。しかし、嘆いてばかりいては学習になりませんから、3Dモデルファイルを縮小できればよいのではないかと想定して、ファイル縮小方法をいろいろと試行錯誤してみました。2日間ほど時間を空費してから、ようやく自分が現在利用できるソフトで次のような方法を見つけることができましたのでメモします。(もっとスマートで簡単な方法があるに違いありません。)

1 3DF Zephyr Liteで高精細3Dモデルを作成する(モデルの大きさが100MB以上となりSketchfab投稿不可)。

2 3DF Zephyr Liteから3DモデルをPLYファイルで書き出す。PLYファイルとPNGファイルが生成する。(PNGファイルの大きさの方がはるかに大きい。)

3 MeshLabでPLYファイルの大きさを縮減する。


Filters→Remeshing, Simplification and Reconstruction→ Quadric Edge Collapse Decimation


Quadric Edge Collapse Decimation

(デフォルトでメッシュ数半分に縮減する設定になっている。)

4 PhotoshopでPNGファイルの大きさを縮減する。(PLYファイルとPNGファイルの合計が100MB以下になるようにする。)


イメージ→画像解像度

「幅」「高さ」数値を小さくする。

5 縮減したPLYファイルとPNGファイルを3DF Zephyr Liteにインポートして3Dモデルを結像させる。

6 3DF Zephyr LiteからSketchfabに3Dモデルを投稿する。

参考 縮減したPLYファイルとPNGファイルをSketchfabに投入しても正しい3Dモデルを結像しません。(テクスチャのない3Dモデルになってしまいます。)

高精細3Dモデルを作成してファイル大きさが100MBを越えても、ファイルを縮小して、ある程度質が落ちますが、Sketchfab投稿によりwebでの情報共有ができるようになりました。学習が技術面で一歩前進しました。


操作フロー


2020年10月19日月曜日

Photoshop描画モード「カラー比較(明)」を使った風景加工写真

 早朝の光量が少ない時間では空の雲・光をクッキリと写すと地表地物が真っ黒になり、反対に地表地物を明るく映すと空が真っ白になってしまいます。その中間の露出等を選んでも十分に満足ができません。

そこで、ブラケット撮影で3つのアートフィルター写真を撮り、それをPhotoshop描画モード「カラー比較(明)」を使って加工すると、初歩的ですが自分が得たい画像に近い画像ができます。忘れないうちにメモしておきます。


Photoshop描画モード「カラー比較(明)」による加工写真

描画モード「カラー比較(明)」:上下のレイヤーの色を比べて、より明るい方の色を適用する。


加工写真(2020.10.19早朝 花見川青い水管僑付近)

2020年10月18日日曜日

高精細3Dモデル作成作業手順(3DF Zephyr Lite)

 ブログ花見川流域を歩く2020.10.17記事「高精細3Dモデルの作成」で作成した高精細3Dモデル作成の3DF Zephyr Liteにおける作業手順をメモします。

1 「3Dモデル作成」ステップ


3DF Zephyr Lite「3Dモデル作成」ステップの画面

高密度点群作成画面とサーフェスモデル化画面におけるプリセットをそれぞれ「高精細」に設定しました。

2 「テクスチャ付メッシュ作成」ステップ


3DF Zephyr Lite「テクスチャ付メッシュ作成」ステップの画面

テクスチャ中画面のプリセットを「高精細」に設定しました。

なお、テクスチャ中画面の右上にある設定をアドバンスドにすると最大頂点数等を設定できる画面に移行します。

3 デフォルト3Dモデルと高精細3Dモデルの頂点数、メッシュ数、出力した時のファイルの大きさ


デフォルト3Dモデルと高精細3Dモデルの頂点数、メッシュ数、出力した時のファイルの大きさ

3Dモデル投稿サイトとしてSketchfabを利用していますが、次のような投稿ファイル大きさ制限があります。

フリー(無料):50MB

プラス会員(有料):100MB

プレミアム会員(有料):200MB

自分は現在プラス会員なので、テスト3Dモデル(称名寺式土器)の高精細3Dモデル191MBはそのままではSketchfabに投稿できません。今後プレミアム会員になるかどうかじっくり財布と相談することにします。

またプレミアム会員になっても200MB以上のモデルは投稿できませんから、その場合の情報発信代替案を現在から検討しておく必要があります。

次のような便宜的方法がありうると考えます。

1 ファイル大きさが制限を越えないレベルで最大頂点数を設定して、できるだけ精細な3Dモデルを作成し情報発信する。

2 通常の(デフォルトの)3DモデルをSketchfabに投稿し、高精細モデルは自分専用の分析資料とする。高精細モデルの動画を作成してそれを情報発信する。

3 対象物(土器など)を半分に切断して、2つの半裁高精細3DモデルをSketchfabで情報発信する。


2020年10月13日火曜日

CloudCompareを使った高密度点群ファイル出力

 3Dモデル成分である高密度点群をSketchfabにアップしたくなったのですが、利用している3Dモデル作成ソフト3DF Zephyr Liteでは高密度点群をファイル出力ができません。

上位版の3DF Zephyrでは高密度点群ファイル出力ができるようですが、高価(3900ユーロ+税)なため手がでません。

なんとか高密度点群ファイル出力ができないものだろうかとwebをまさぐりました。そのうちに、CloudCompare(フリーソフト)を介して便宜的にできる方法を見つけ出しましたので、メモします。

Sketchfabには高密度点群を無事アップすることができました。https://skfb.ly/6VDps

1 3DF Zephyr Liteで3Dモデルをobjファイルで出力する


3DF Zephyr Liteにおける高密度点群の表示

(高密度点群は3DF Zephyr Liteではファイル出力できない。)

2 CloudCompareでobjファイルを読み込み高密度点群の表示にする。


CloudCompareでverticesだけを表示した画面


参考 CloudCompareでテクスチャとverticesを一緒に表示した画面

3 高密度点群のポイントサイズを好みに設定する。

4 保存→ファイルの種類lascoud(lasファイル)で保存する。

5 lasファイルをSketchfabに投入する

6 感想

高密度点群ファイル出力の方法を考える中で、CloudCompareというとても有用なフリーソフトを知ることができ、ラッキーです。

2020年10月1日木曜日

2020年9月ブログ活動のふりかえり

 ブログ「花見川流域を歩く」とそのファミリーブログの2020年9月活動をふりかえります。

1 ブログ「花見川流域を歩く」

・9月の記事数は29です。

・アリソガイ製ヘラ状貝製品の学習が本格稼働し始めました。アリソガイは縄文中期だけの製品であり、道具としての利用目的を知るための学習を進めています。アリソガイ関連事象として皮なめし、貝灰(後晩期)などを想定していて、学習が発展する可能性が大です。

・3Dモデル作成のオマケとして気楽に土製耳飾の3Dモデルを作成して記事を書き始めました。ところが、土製耳飾は顕著な身体変工を伴う通過儀礼の祭具であることをはじめて知りました。さらに9割は片方しか出土しない理由は集落社会の呪術イベント(例 シャーマン殺し)などと関連しているらしいことを知りました。土製耳飾は単なる装飾品ではなく、呪術社会の様子を知る重要指標であることに気が付きました。

・サンダル状土製品の3Dモデルを作成してよく観察しました。その結果、当初見立てていた皮革製サンダルではなく、注口付き片口土器のミニチュアであることがわかりました。

2 ブログ「花見川流域を歩く 番外編」

・Photoshop技術など6記事を書きました。

3 ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」

・早朝散歩記事16編を書きました。

4 ブログ「世界の風景を楽しむ」

・皮なめし関連モロッコ国の記事1編を書きました。

5 ブログ「芋づる式読書のメモ」

・休載しました。

・山田康弘著「縄文時代の歴史」(2019、講談社現代新書)の読み直し、復習記事は折に触れて書きたいと考えています。

6 9月学習の特徴

・ブログ記事作成活動のエネルギーは本編に集中し、他のファミリーブログは自然・風景編を除いて置き去り状態としました。本編活動が面白くなり、それにエネルギーを集中するのは自然の理にかなっています。

・自然・風景編記事作成は天気が許す限り早朝散歩・撮影を行っている生活習慣のアウトプットです。なお、散歩で思考した事柄(ほとんどすべて考古学習関連事項)を必ず記事にメモしています。

・千葉市埋蔵文化財調査センターでサンダル状土製品の3Dモデル用撮影、千葉県教育庁森宮分室でアリソガイ製ヘラ状貝製品等の3Dモデル用撮影をさせていただきました。この2回の撮影で質の高い趣味活動原材料を入手できました。

7 10月学習のイメージ

7-1 アリソガイ学習の本格的取り組み

閲覧遺物の3Dモデル分析によりアリソガイ学習に本格的に取り組み、次のステップについて展望を持てるようにします。

7-2 「縄文社会消長分析」テーマ渉猟学習のスタート

・10月から「縄文社会消長分析」テーマ渉猟学習と銘打って心機一転して新たな意気込みで活動に取り組むことにします。「縄文社会消長分析」テーマ渉猟学習活動は現在、次のようなイメージを持っています。

ア 房総の縄文中期と後晩期の社会消長を比較してその違いを知り、社会変化の様子を知ることを主目的とした「縄文社会消長分析」学習を2021年~2022年に本格的に行うこととし、その具体的テーマを見つけることとします。

イ 縄文社会消長分析は縄文中期と後晩期の千葉県内遺跡数か所の発掘調査報告書からデータを汲み取り、独自分析して、比較することによる方法により行うことをイメージしています。

ウ 画像分析技術や3Dモデル作成技術を学習に積極的に適用し、学習の技術面を特色づけることとします。そのために、関連技術習得につとめます。

7-3 「縄文社会消長分析」テーマ渉猟学習の当面の活動

・最初の活動として縄文社会を知るための指標(項目)を確認整理する活動を行い、その結果(項目リスト)によりこれまで利用したことのある発掘調査報告書の概要を整理把握して、問題意識を深めることにします。これまで利用したことのある主な発掘調査報告書は次の通りです。

・史跡加曽利貝塚発掘調査報告書

・有吉北貝塚発掘調査報告書

・六通貝塚発掘調査報告書

・大膳野南貝塚発掘調査報告書

・西根遺跡発掘調査報告書

・内野第1遺跡発掘調査報告書

・三直貝塚発掘調査報告書

・10月~12月で「縄文社会消長分析」活動の具体的テーマを設定し、2021年当初からそのテーマで活動することにします。

参考

ブログ「花見川流域を歩く」2020年9月記事

〇は閲覧が多いもの

ブログ「花見川流域を歩く 番外編」2020年9月記事

ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」2020年9月記事

ブログ「世界の風景を楽しむ」2020年9月記事


ブログ「花見川流域を歩く」2020年9月全29記事のサムネイル

2020年9月30日水曜日

貝殻成長線や擦痕の強調表示画像処理

 千葉市有吉北貝塚出土の縄文中期アリソガイ製ヘラ状貝製品の普通写真をPhotoshopハイパス機能を利用して画像処理すると貝殻成長線や擦痕が見事に浮かび上がってきました。

撮影写真がまるでピンボケのように逆に感じてしまいます。

画像処理技術恐るべしと感じました。

撮影写真→画像処理写真のアニメ (有吉北貝塚372図2)


参考 現生アリソガイの撮影写真→画像処理写真のアニメ

2020年9月25日金曜日

Photoshop輪郭検出試行

 考古出土物の特徴を線画で表現した絵をAIを使って作成できれば、考古学習に役立つように感じます。土器などでは写真にすると把握しにくい特徴が沢山あります。線画で表現すれば特徴を浮き彫りにすることができます。

この記事ではミミズク土偶を例にPhotoshopの輪郭検出機能を使って、それがどの程度効果的であるのか試行してみました。

1 試行対象としてミミズク土偶と実測図

2020.08.26記事「本当は怖いミミズク土偶」で検討した縄文晩期安行3a式ミミズク土偶(千葉市内野第1遺跡)[千葉市埋蔵文化財調査センター展示]を試行対象としました。


ミミズク土偶の展示の様子と実測図

実測図は千葉市内野第1遺跡発掘調査報告書から引用

2 3Dモデル画像の輪郭検出


3Dモデル画像の輪郭検出

実測図は千葉市内野第1遺跡発掘調査報告書から引用

展示物を正面から撮影することは困難ですからフォトグラメトリーにより3Dモデルを作成しました。そのテクスチャ付き3Dモデル正面画像を対象にしてPhotoshop「輪郭検出」機能と「輪郭のトレース」機能を利用して線画を作成しました。

「輪郭のトレース」機能では3回の操作を行いそれを1枚に「乗算」したものですが出来はあまりよくありません。画像の明るいところ、暗いところにトレース機能が影響を受けているようです。

一方「輪郭検出」機能はワンタッチでできる機能で「輪郭のトレース」よりも出来がいいです。また画像の明るいところ、暗いところの影響をあまり受けていません。

3 3Dモデルテクスチャ無しの輪郭検出


3Dモデルテクスチャ無しの輪郭検出

実測図は千葉市内野第1遺跡発掘調査報告書から引用

3Dモデルテクスチャ無し画像は線画ではありませんが、それ自体が情報量を減じた、形状だけを表現した要約資料と言えます。

Photoshop「輪郭検出」と「輪郭のトレース」ともに期待できるような結果を得られませんでした。その理由はおそらくPhotoshopが微妙な色の差異に着目して輪郭を探しているからだと思います。テクスチャ無し画像は色がグレーの濃淡だけであり、Photoshop「輪郭検出」「輪郭トレース」を適用しても大きな価値は生まれないようです。

4 感想

通常写真をPhotoshop「輪郭検出」機能を利用すれば写真を線画として要約することができる可能性を感じ取ることができました。Photoshop「輪郭検出」を、自分が期待するような方向でより粗くできるかどうかさらに検討したいと思います。