2020年8月27日木曜日

縄文学習における展示遺物3Dモデル作成とその活用法

 博物館・資料館に展示されている遺物をショーケース越しに写真撮影し、フォトグラメトリーにより3Dモデルを作成し、縄文学習に活用しています。ショーケース越し撮影という劣悪な撮影環境下で作成された3Dモデルであっても、学習という活動では意外にも大変役立っています。そこで、3Dモデルが学習面においてどのように役立っているか、列挙してみました。

1 グルグル回して眺める。(手に持って観察することの疑似体験)…観察

・展示ショーケース内の展示物を遠くから見るだけではじっくり観察できません。そもそも10分でも20分でも場所を一人占めしてじっくり観察することは一般に許されせん。

・ところが、3Dモデルにしてパソコンで操作すればくるくる回しながら、拡大や縮小を自由に行いながら観察できます。対象物を手にもって観察することの疑似体験を時間制限なしにできます。

・展示現場では気が付かなかった事柄について観察できることもしばしばあります。

・3DモデルはSketchfabにアップロードすれば、webサイト・ブログ・Twitter・Facebookなどに埋め込むことができ、閲覧の自由度は高いです。

参考 全面赤彩された山形土偶頭部(千葉市内野第1遺跡) 観察記録3Dモデル

加曽利B式、最大高7.2㎝、最大幅9.4㎝、最大厚4.2㎝

千葉市埋蔵文化財調査センター所蔵

撮影場所:千葉市埋蔵文化財調査センター

撮影月日:2020.08.21

ガラス面越し撮影

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.003 processing 50 images

2 展示物として通常眺めることができない角度から眺める。(例 真上から)…観察

・例えば展示物を真上から眺めることは通常できません。しかし3Dモデルをつくれば、真上からの写真は無いにもかかわらず、真上から正確な形状を観察できます。

・自由な角度で展示物の写真を作成することができます。


全面赤彩された山形土偶頭部を横から見た様子

展示施設でこのような角度で観察することは困難です。

3 任意の長さを計測する。…分析

・ショーケースの近くにスケールを置いて写真撮影できれば、3Dモデル空間にスケールを置くことができ、3Dモデル全体に実寸法を付与できます。スケールをおかなくても3Dモデル空間に既知の距離があれば実寸を付与できます。

・3Dモデルに実寸法を付与できれば、対象物の任意2点間のユークリッド距離を計測できます。

4 オルソ投影図を作成する。…分析

・3Dモデルを作成すればオルソ投影図を作成できますから、遺物の厳密な形状を知ることができます。通常の写真撮影ではオルソ投影写真撮影は不可能です。

5 6面図を作成する…分析、表現

GigaMesh Software Frameworkを使えば、3Dモデルから即座にオルソ投影6面図を作成できます。


6面図の例 称名寺式土器(千葉市餅ヶ崎遺跡)3Dモデル6面図

6 任意の切断面を作成する。…分析

・3Dモデルは任意の断面で切断することができますから、断面形状の把握や断面図作成に有効です。

・遺物現物に接触することなく遺物を疑似的に切断することができることは遺物形状理解に有用です。

称名寺式深鉢形土器(千葉市餅ヶ崎遺跡) 切断3Dモデル

撮影場所:加曽利貝塚博物館

撮影月日:2019.12.27

許可:加曽利貝塚博物館の許可により全周多視点撮影及び3Dモデル公表

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.523 processing 93 images

7 展開図を作成する。…分析、表現

GigaMesh Software Frameworkを使えば、土器など回転体の展開図を即座に作成できます。

・展開図を作成することにより模様の分布を平面図上で把握できるようになり、便利です。


参考 GigaMesh Software Frameworkで作成した展開写真

8 3Dモデルの動画を作成する。…表現

・3Dモデル作成ソフト3DF Zephyr Liteでは3Dモデルの動画を撮影できますから、3Dモデル紹介に有効活用できます。


参考 全面赤彩された山形土偶頭部(千葉市内野第1遺跡) 観察記録3Dモデルの動画

9 異なる任意の複数3Dモデルを同じ空間に置いて3Dモデルとして直接観察比較する。…分析、表現

・Blenderを使って、複数の3Dモデルを同じ3D空間に置いて3Dモデルとして比較することができます。一種の疑似展示になります。

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以下は専門家レベルで実用化されています。(自分は未着手)

10 3Dモデルを3Dプリンターで印刷造形する。…応用

・完結した3Dモデルならば、3Dプリンターでその形状を印刷造形できます。

・学習資料、教材、グッズ、コレクションなどに活用できます。

11 VR拡張現実の素材として活用する。…応用

・展示施設内でタブレットをかざすと、その場には置いていない貴重な遺物が浮かび上がるなど

・原品の保護とか、貸出中の対応に使えそうです。

・展示物現物がゼロの展示施設(空空間)も可能です。(眼鏡をかけると学校の屋内運動施設が巨大な考古遺物展示場になるなど)

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12 感想

・自分にとって3Dモデル作成の最大意義は1の「グルグル回して眺める。(手に持って観察することの疑似体験)」です。3Dモデルにしてそれを観察することにより、対象物がいわば「心理的意味での自分所有物」となり、自分事として深い観察が可能になります。その心理変化は自分の場合は学習を進める上で大きなものがあります。展示施設で観察している時と3Dモデルを観察している時の集中度や連想力は全く異なります。

・3Dモデル作成の第2番目の意義は7の「展開図を作成する」です。3DモデルをGigaMesh Software Frameworkに投入していわば一瞬のうちに展開図が作成できることは今でも夢のようです。展開図作成により土器模様分析が自由にできるようになりました。GigaMesh Software Framework(ハイデルベルグ大学Hubert Maraさんをはじめとする研究者チームにより作成公表されているフリーソフト)に感謝します。

2020年8月20日木曜日

遺跡名誤字の失敗

 学習上重要な遺跡名の誤字に気が付きブログやSketchfabの3Dモデル、YouTubeの動画について2時間ほどの時間をかけて修正しました。その遺跡を最初に知った時からの間違いで、大きなミスですから記録しておきます。

正 餅ヶ崎遺跡

誤 餅ヶ先遺跡

千葉市餅ヶ崎遺跡は、その場所が現在は千葉市動物公園になっています。加曽利E式貝塚社会が衰退してその底になった称名寺式期頃でもこの遺跡は継続して地域の中心的役割を果たしていた場所であるといわれています。3年程前に初めて知った遺跡です。

この餅ヶ崎遺跡をパソコン自動変換のままに「餅ヶ先遺跡」と最初から誤記してきました。

修正箇所は次のように広範に及びました。

ブログ「花見川流域を歩く」10記事程度

ブログ「花見川流域を歩く」2記事

ブログ「芋づる式読書のメモ」1記事

Sketchfabの6つの3Dモデル

YouTubeの2つの動画

修正したブログ「花見川流域を歩く」2020.03.07記事


修正したSketchfabの「餅ヶ崎」関連3Dモデルのサムネイル

9コンテンツのうち6コンテンツが誤字でした。

このような規模の大きな誤字はその修正にかかる時間ロス以上に、検索で「餅ヶ崎遺跡」を入力した方に当方のコンテンツが表示されないという情報発信における根本的損失を生じてきています。


このような大きなミスが生まれないように、自分の注意力を絶えず喚起させたいと思います。


2020年8月14日金曜日

花見川柏井橋架替工事現場3Dモデル

 花見川柏井橋架替工事現場を脇の仮設橋で直線的に移動して撮影し、3Dモデルを作成しました。

出来上がったものは調整のしようがないので、一切手を加えず、メチャメチャの中に見える構造物3Dモデルを楽しみました。

1 2020.08.14早朝 柏井橋架替工事現場 3Dモデル

2020.08.14早朝 柏井橋架替工事現場 3Dモデル

完全未調整3Dモデル

3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v5.003 processing 81 images

現場写真

現場写真

現場写真

3Dモデルの動画

2 感想
構造物を周回して撮影すればもう少しましな3Dモデルが出来ると思います。
しかし、細かい重機パイプとか空中足場のメッシュなどは写真を増やしても完全な結像にならないと思います。
水面反射の処理がどの程度可能であるのかはまだ知りません。
今回は「飛び出す絵本」をつくったような遊びを楽しみました。


2020年8月4日火曜日

ヒスイ製丸玉の3Dモデル作成ならず

ショーケースに展示されている径1㎝のヒスイ製丸玉の3Dモデル作成にチャレンジし、第1回撮影では結局最低満足レベルを超えることができませんでした。失敗の思い出づくり(?)として記録しておきます。

1 展示の様子

加曽利E式土器装飾品コーナーにおけるヒスイ製丸玉の展示の様子 右下

2 撮影写真

54枚望遠撮影の1枚の拡大写真
白点はショーケースガラス面についているほこりです。(コロナ対策の積極的送風・換気のためほこりが多いようです。)

3 マスカレード作業風景

マスカレード作業風景
対象物だけを演算対象にする準備操作です。
54枚撮影のうちそのままで3Dモデルを作成すると21枚、マスカレード作業をすると44枚の写真がソフトによって「採用」(?)されました。次の3Dモデルは44枚写真から構成されるものです。

4 3Dモデルの動画

3Dモデルの動画
ヒスイ製丸玉の表面に凸凹が出来ています。現物は滑らかな表面になっています。
この撮影ではピントの甘いモノ、手振れのモノが写真に含まれていますので、それを補正するとこの凸凹が消えるかどうか再チャレンジすることにします。

ブログ花見川流域を歩く2020.08.02記事「ヒスイ製丸玉」参照

2020年8月2日日曜日

2020年7月ブログ活動のふりかえり

ブログ「花見川流域を歩く」とそのファミリーブログの2020年7月活動をふりかえります。

1 ブログ「花見川流域を歩く」
7月の記事数は37編です。多様なテーマについて学習を楽しみました。

ア 「4.3Kイベント」
「4.3Kイベント」という概念が虚構であると考えた記事を書きました。誰かによってガセネタ「4.3Kイベント」が考古学専門家世界にばらまかれたようです。
考古事象の時系列変化理由が十分にわからないとき、その理由を気候変動で説明すると楽です。
私から見ると、考古学者という人々は気候変動自体を「自分事」として研究しないにもかかわらず、わからないことはいつも気軽に何でも気候変動で説明してしまいます。

イ 縄文時代人口研究の基本発想
縄文時代人口研究で最も信頼されている研究(小山、1984)について、その基本発想が「動物-気候変動」関係論に立脚していることを嘆く記事を書きました。動物が衰退するのは気候変動によることが多い事からの類推で、後晩期に縄文社会が衰退するのは「気候が冷涼化したから」という説明がなされ、考古学世界にその考えが蔓延しています。
この発想では、縄文社会自身が下した各種決断(選択)は全く考慮されていません。人間社会ならば、古今東西全ての社会が外部要因に対して自らの決断(選択)をして成功したり、失敗したりします。人間社会が、動物のように気候変動に無条件に相関することはあり得ません。
なお、そもそも後晩期の平均気温は現在より1度程度高かったことがグリーンランド氷床データからわかっています。

ウ 縄文社会消長大局観
「4.3Kイベント」を批判し、縄文人口研究を嘆くだけでは学習として片手落ちになりますので、現状自分知識レベルでの縄文社会消長大局観(縄文社会消長の説明)をメモしました。学習仮説と称して、今後知識量を増大させるなかで順次改訂・改良したいと思います。

エ 年縞博物館提供情報
福井県の年縞博物館から三方五湖花粉分析情報を提供していただき、縄文前期~中期の気候変動について学習しました。

オ 千葉中期土偶
千葉の縄文中期土偶について学習し、貝塚地帯は土偶拒否、中部高地から東京(三多摩)は土偶祭祀が盛んな状況を知りました。また九十九里に飛び地的に中部高地由来の土偶祭祀が存在している興味ある事象を知り、問題意識を深めました。

カ 土偶と地母神殺害再生神話
加曽利貝塚博物館展示土偶等について3Dモデルを作成して、観察しました。地母神殺害再生神話を土偶形状に投影して、土偶形状の意味について考察しました。

キ 土偶祭祀の列島伝播経路
全国土偶悉皆調査(1992)データを分析して、地母神殺害再生神話に基づく土偶祭祀の列島における伝播について考察しました。

ク 有孔円板形土製品
有孔円板形土製品が麻ロープ生産装置の一部を構成する道具(回転させて麻糸を撚る)であることを知りました。関連して、縄文後晩期集落は交易用特産品(贅沢品・奢侈品・祭祀道具等)を生産しないと世間を渡っていけないことを学習しました。

ケ 異形台付土器
異形台付土器について3Dモデルを作成し、それが土器2つを使った大麻煙発生吸引装置のフィギュア(イコン)であることを仮説しました。

2 ブログ「花見川流域を歩く 番外編」
3Dモデル作成技術等記事4編を書きました。

3 ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」
早朝散歩記事8編を書きました。

4 ブログ「世界の風景を楽しむ」
海外で興味を持った場所の地形3DモデルをDEM-Net Elevation APIで作成して反芻し、楽しむ記事を4編書きました。

5 ブログ「芋づる式読書のメモ」
山田康弘著「縄文時代の歴史」(2019、講談社現代新書)の順次学習記事を6編書きました。第5章を7月中に終える予定でしたが、次々に興味が深まってしまい、第5章を完結できませんでした。機械的に完結するよりも学習を深めて楽しむ方を優先させました。
学習を進めるにしたがい、この図書に記述されている情報量の多さ、深さ、最新性や鋭い視点などに感動し、この図書に引き込まれています。具体的遺跡の例示が多いので、それにより自分の視界が広がっています。参考資料リストも大変充実していて、それを利用した資料入手→知識増大が進んでいます。感謝。

6 7月学習の特徴
ア 学習スタイルの定式化
次の3活動項目の連携がうまく取れて、多様なテーマを楽しみ、知識も増えました。

●山田康弘著「縄文時代の歴史」(2019、講談社現代新書)の章・節・小見出し順次学習→キーワード、問題意識の醸成
●関連資料・図書の入手→web書店・web古書店・図書館の活用→知識増大
●加曽利貝塚博物館観覧・展示物撮影→3Dモデル作成→GigaMesh Software Frameworkによる3Dモデル分析等→遺物のデータ化(思考のための素材化)

学習スタイルの一つの定式化つまり考古趣味活動の自分的在り方が浮かび上がったという感じがします。

イ 学習仮説設定の習慣化
疑問やわからないことが生まれた時、それを放置するのではなく、情報・知識不足を承知の上で自分レベルの見立て・仮説設定に努力する癖をつけました。
自分の情報・知識が少なければそれに対応した虚弱で価値の少ない見立て・仮説が、情報・知識が多ければ強固で価値の大きな見立て・仮説が生まれることになります。それは当然なことです。
しかし、見立て・仮説がひとたび生まれると、それに基づいてあらゆる情報を見ることになりますから、情報を見る目が鋭くなります。また見立て・仮説の修正・改良が始まります。つまり学習が加速されます。
7月は、「下手な考え休むに似たり」ということで生産性のない時間が長時間経ち、焦る場面も何回かありました。しかし、頭脳から「ウンウン」音が出るほど思考するうちにこれまで気が付かなかったことに気が付くことがありました。その時は、我ながら思考に時間をかけてよかったと満足感を得ました。
ページ「縄文社会消長仮説の部品」も開設しました。

ウ Blender技術習得活動の欠落
当初予定していたBlender技術習得活動は完全に欠落してしまいました。

8 8月学習のイメージ
ア 7月学習の継続
7月に定式化できた学習スタイル(下記3項目の連携)を継続発展させることにします。
●山田康弘著「縄文時代の歴史」(2019、講談社現代新書)の第5章残とエピローグ学習
●入手資料・図書等の有効活用
●加曽利貝塚博物館等の展示物3Dモデル作成分析

イ 学習仮説メモの充実
ページ「縄文社会消長仮説の部品」を活用して、自分の学習仮説メモを充実させ、体系化を目指すことにします。

ウ 3Dモデル分析技術の向上
展示物3Dモデル分析技術の向上を図ります。
・GigaMesh Software Frameworkのより高度な活用
・Blenderによる複数対象物の対比的配置、3次元スケールの設置など

参考
ブログ「花見川流域を歩く」2020年7月記事
〇は閲覧が多いもの

ブログ「花見川流域を歩く 番外編」2020年7月記事
ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」2020年7月記事
ブログ「世界の風景を楽しむ」2020年7月記事
ブログ「芋づる式読書のメモ」2020年7月記事
2020年7月ブログ「花見川流域を歩く」37編記事のサムネイル

2020年7月26日日曜日

3Dモデル用撮影における広角(普通)撮影と望遠撮影の併用

展示施設でショーケース等に展示されている縄文土器や石器などの遺物3Dモデルを作成する際の撮影方法が、自分なりに改良されてきていますのでメモします。

1 広角(普通)撮影の功罪
以前はすべて広角(普通)撮影で3Dモデルを作成していました。レンズをいじる必要がありませんし、なによりも広い範囲の展示物を同時に3Dモデルにすることができるので便利です。
1つの3Dモデルを分割して、複数の3Dモデル作成に仕上げることもかなりありました。
しかし、それでは小さい展示物のモデル満足感が少ないことに気が付きました。精度が低いということです。
2020.07.17記事「山形土偶による3Dモデル再現忠実性テスト

2 望遠撮影の有用性
小さい展示物について望遠撮影したところ、仕上がり3Dモデルは広角(普通)撮影よりも確実に良いことを確認しました。そのため最近は望遠撮影が可能な場面ではすべて望遠撮影することにしました。当然ですが多くの場合対象物は1つになります。(望遠にも限界がありますから、小さい対象物が近接して展示されている場合は複数一緒の撮影になります。)

3 実寸法付与のための広角(普通)撮影
ショーケースの外側にスケールを置いてそれを含む3Dモデルにすると、3Dモデルに実寸法を付与できます。これで3Dモデルの有用性が格段に高まります。この撮影は広角(普通)撮影になります。
2020.02.13記事「展示物3Dモデルスケーリングのための撮影法

4 広角(普通)撮影と望遠撮影の併用
2と3の双方の要件を満足させるために、現在はすべて広角(普通)撮影と望遠撮影を併用しています。つまり2回同じ展示物について撮影するということです。
時間はかかりますが、得られる情報満足感は大きいものがあります。

以前のようにより短時間でより多数展示物を3Dモデルにしようという「下品」(?)な気持ちが少なくなりました。
1回の展示施設訪問で作成できる3Dモデルが少なくなりましたが、もっと作成したいと希望するならば、何回でも通って質の高い3Dモデルを作成しようという「上品」(?)な気持ちになりました。


広角(普通)撮影写真 エクスプローラー画面

広角(普通)撮影写真で作成した3Dモデル 未調整画面
ショーケース手前にファイバー製スケールを置いています。

望遠撮影写真 エクスプローラー画面

望遠撮影写真で作成した3Dモデル 未調整画面

2020年7月22日水曜日

離れたドライブやホルダーにあるファイルの所在確認ファイル

離れたドライブやフォルダーにあるファイルがどこにあるのかそのパスを記録したテキストファイルを保存しておきたいことがあります。

自分の場合カメラで撮影した写真はDドライブに保存しておき、ブログ等掲載用に加工して保存する場所はCドライブです。ブログ掲載後時間が経ってから加工前の写真を再び使おうとしたとき、その写真がどこにあるのかすぐに探せないことがあります。
そこで素ファイルがどこに所在しているのか記録しておくと便利です。
その記録方法が十分に確立しましたのでメモしておきます。
次のような状況における技術メモです。
●状況
・素ファイルはDドライブの深い階層下に置いてある。
・素ファイルを加工してブログ掲載用のファイルをCドライブの深い階層の下に置いてある。
・後日、Cドライブのブログ掲載写真を見て、その素ファイルの場所にすぐ移動して素ファイルを再利用したい。
・しかし、素ファイルの場所が(類似ファイルが多数存在するなどにより)思い出せない、探せない。
●解決方法
・Dドライブの写真をCドライブで最初に加工するときに、Cドライブに写真のパスをテキストで記録しておく。
●技術
・エクスプローラーでDドライブのファイルにカーソルを置いて「shift+右クリック」するとメニューに「パスのコピー」があるので、それをクリックする。(そのファイルのパスがメモリーに記憶される。)

「パスのコピー」

・エクスプローラーで作業しているCドライブの任意の場所を「右クリック」してメニューの「新規作成」をクリックして、さらに出てくるメニューの「テキストドキュメント」をクリックする。その場所にテキストファイルができる。

「新規作成」→「テキストドキュメント」

・そのテキストファイルをダブルクリックで開く。さらに「右クリック→貼り付け」する。テキストファイルにDドライブのファイルのパスがコピーされる。
●利用
後日Cドライブのテキストファイルを開けば、素ファイルのパスが出ているので、そのファイルに迷うことなくアクセスできる。

言葉で説明するとなかなか厄介ですが、パソコン操作上は慣れれば大変便利です。
また、上記例とは反対の利用もしています。(素ファイルがどのブログ記事で利用されているかなど)



2020年7月17日金曜日

山形土偶による3Dモデル再現忠実性テスト

2020.06.20記事「カメラ焦点距離と3Dモデル再現忠実性」2020.06.23記事「数センチ程度小展示物の学習用3Dモデル資料について」の続きです。
加曽利貝塚博物館常設展展示山形土偶(千葉市加曽利貝塚)について焦点距離の短い広角撮影と焦点距離の長い望遠撮影の双方を行い、作成した3Dモデルの再現忠実性をチェックしてみました。

1 3Dモデル再現忠実性チェック

山形土偶3Dモデル再現忠実性チェック 1
上 焦点距離14.00㎜(35㎜判換算28㎜) 広角撮影
下 焦点距離150.00㎜(35㎜判換算300㎜)望遠撮影

広角撮影の方が望遠撮影よりぼやけていますが正面からみると極端な違いは感じません。

山形土偶3Dモデル再現忠実性チェック 2
上 焦点距離14.00㎜(35㎜判換算28㎜) 広角撮影
下 焦点距離150.00㎜(35㎜判換算300㎜)望遠撮影

3Dモデルを斜めから見ると広角撮影の目鼻口などの結像が不十分であることがよくわかります。結像にメリハリがありません。また「高さ」がありません。のっぺりした感じの結像になっています。3Dモデルの場合光学写真と異なり情報を計算してもっともらしく描画しているだけです。ありのままではなく、あくまでも近似的な像であるのです。

広角レンズによる撮影と望遠レンズによる撮影では対象物(山形土偶)に関する情報量が違うので、再現忠実性が異なるということです。

このことから、写真下の望遠レンズ撮影3Dモデルも光学撮影像と比べると完全な再現が行われていないということになります。3Dモデルといわれるものの原理は、どんなに精密機器を使ってもあくまでも近似的モデルです。近似的でも目的に対して実用的であれば有用であるということです。

山形土偶3Dモデル再現忠実性チェック 3
上 焦点距離14.00㎜(35㎜判換算28㎜) 広角撮影
下 焦点距離150.00㎜(35㎜判換算300㎜)望遠撮影

広角撮影像は正しく結像していません。横沈線がずれています。
実はこの3Dモデルは土偶から離れた場所にある石棒の3Dモデルを作成したとき、その3Dモデルの端にこの山形土偶が生成されていたので切り抜いて作成したオマケです。通常は広角撮影でもその対象物を目標に撮影すれば、これほどひどいものにはなりません。

参考 3DF Zephyr Liteの画面におけるカメラ表示
上 焦点距離14.00㎜(35㎜判換算28㎜) 広角撮影
下 焦点距離150.00㎜(35㎜判換算300㎜)望遠撮影
3Dモデル作成ソフト3DF Zephyr Liteではカメラの位置だけでなく画角も表示していることを知りました。

2 3Dモデル

みみずく形土偶と山形土偶 観察記録3Dモデル
みみづく形土偶:縄文後期安行2式、千葉市加曽利貝塚 南貝塚史跡整備第2調査区
山形土偶:縄文後期加曽利B3式、千葉市加曽利貝塚 南貝塚(Ⅴトレンチ)
撮影場所:加曽利貝塚博物館
撮影月日:2020.06.02
ガラス面越し撮影
3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v4.530 processing 93 images

山形土偶(千葉市加曽利貝塚) 観察記録3Dモデル
縄文後期加曽利B3式、千葉市加曽利貝塚南貝塚(Ⅴトレンチ)
撮影場所:加曽利貝塚博物館 常設展示
撮影月日:2020.07.14
ガラス面越し
撮影 3Dモデル写真測量ソフト 3DF Zephyr で生成 v.5.001 processing 39 images

2020年7月1日水曜日

2020年6月ブログ活動のふりかえり

ブログ「花見川流域を歩く」とそのファミリーブログの2020年6月活動をふりかえります。

1 ブログ「花見川流域を歩く」
6月の記事数は28編です。
加曽利貝塚博物館観覧で撮影した写真から3Dモデルを作成して考察した記事をメインの書きました。石器だけでなく土偶にも関心が及びました。
縄文時代人口問題の興味も深まり記事を書きました。気温低下により後期晩期の人口が減少したという説に疑問があり、まだ十分に学習を展開できていません。
前田耕地遺跡、見高段間遺跡の学習をおこないました。
国宝土偶「縄文のビーナス」について集中的に検討しました。「子どもへの投資」という新しい視点からの学習です。

2 ブログ「花見川流域を歩く 番外編」
Blender操作入門記事や3Dモデル作成技術に関する記事など6編を書きました。

3 ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」
早朝散歩記事15編を書きました。

4 ブログ「世界の風景を楽しむ」
ナスカ地上絵とストーンヘンジなどについて7編の記事を書きました。趣味活動全体のなかでこのブログは息抜き的活動として位置付けています。しかし、ついつい面白くなって深めようとしてしまい、趣味活動全体の時間・エネルギー配分をゆがめてしまう元凶になることがあります。

5 ブログ「芋づる式読書のメモ」
山田康弘著「縄文時代の歴史」(2019、講談社現代新書)学習記事を6編書きました。この図書の第4章は6月に学習するという計画を実行することができました。

6 6月学習の特徴
山田康弘著「縄文時代の歴史」(2019、講談社現代新書)の「前期・中期」学習を軸にして、そこから派生する諸問題を寄り道学習としてブログ本編で記事にしました。その際、技術的興味はブログ番外編で記事にしました。同時に、散歩は自然・風景編、海外息抜きは世界風景でしました。目指したブログ活動スタイルが6月になって定着できたようです。

7 7月活動のイメージ
基本は6月活動と同じで、軸学習は「第5章 後期・晩期」に移行します。
コロナの規制も緩やかになりつつあるので、展示館訪問→石器等の3Dモデル作成→3Dモデルを使った学習を近隣展示館や遠方の展示館に広げることにします。
中途半端な技術習得になっているBlenderについて集中取り組みして、基本操作ができるようになりたいと思います。

参考
ブログ「花見川流域を歩く」2020年6月記事
〇は閲覧が多いもの

ブログ「花見川流域を歩く 番外編」2020年6月記事

ブログ「花見川流域を歩く 自然・風景編」2020年6月記事

ブログ「世界の風景を楽しむ」2020年6月記事

ブログ「芋づる式読書のメモ」2020年6月記事

3Dモデルを作成した主な土偶・人面土版
地理院地図3Dモデル(色別標高図+陰影起伏図)
垂直倍率:×9.9
アノテーションからブログ記事にリンク

ブログ「世界の風景を楽しむ」2020.06.26記事「世界歴史考古3Dモデル80の地球型3D配置モデル」で紹介した3DモデルAround the World in 80 Models Posts by Abby Crawfordの仕組みを早速自分の手持ち資料に適用してみた技術試作物です。

2020年6月23日火曜日

数センチ程度小展示物の学習用3Dモデル資料について

2020.06.20記事「カメラ焦点距離と3Dモデル再現忠実性」と同じ実験を別の小土偶で行い、小展示物の学習用3Dモデル資料の作り方について考えてみました。

1 カメラ焦点距離の違いと3Dモデル資料の違い
ア 焦点距離の違いによる写真の様子

焦点距離14.00㎜(35㎜換算28㎜)写真例
展示ショーケース外側にスケール(ファイバー製折尺)を置いて撮影しています。

写真情報

焦点距離150.00㎜(35㎜換算300㎜)写真例

写真情報

イ 3Dモデル結像

焦点距離14.00㎜(35㎜換算28㎜)写真による3Dモデル結像(切り抜き前)
展示ショーケース外側に置いたスケール(ファイバー製折尺)をつかって3Dモデルに実寸法を付与できます。

焦点距離150.00㎜(35㎜換算300㎜)写真による3Dモデル結像(切り抜き前)

ウ 対象土偶の3Dモデル切り抜き

焦点距離14.00㎜(35㎜換算28㎜)写真による3Dモデル結像(切り抜き後)

焦点距離150.00㎜(35㎜換算300㎜)写真による3Dモデル結像(切り抜き後)
焦点距離の短い写真で作成した3Dモデルは対象物の凹凸が平滑化されてしまい、焦点距離の長い写真から作成した3Dモデルと比較するととても使えるものではありません。
しかし、焦点距離の短い写真から作成した3Dモデルだけを見るかぎり、それで満足してしまうかもしれません。

2 学習用3Dモデル資料の作成方法
ア 3Dモデルカタログ資料の作成
多くの展示館では小展示物を所せましと多数展示する傾向があります。これらの展示物全部に対して個別の深い興味を持つことはまれです。したがって展示物全体をカメラ固定最短焦点距離で撮影して3Dモデルを作成し、それを3Dモデルカタログ資料として活用することが考えられます。個別展示物の3D再現性は大いに限界があることを知っていれば役立つ学習資料になると考えます。
また3Dモデルを作成するためには多数写真を撮影しますから、その写真のなかから有用なものをトリミング拡大して使うことも可能になります。写真には再現忠実性の問題はありませんからピントが合っていれば使い勝手のよい資料になります。

イ 3Dモデルに実寸法を付与するための資料
1の3Dモデルカタログ資料作成において、展示ショーケースの前にスケールを置けば3Dモデルに実寸法を付与できます。

ウ 3Dモデル本資料の作成
特別興味のある対象展示物が小さい場合はカメラ焦点距離を長くして(ズームレンズで拡大して)撮影し3Dモデルを作成することが必須です。(と気が付きました。)

3 まとめ
展示物に対する興味の強弱によって異なってくると思いますが、当面次のような考えで展示物学習用3Dモデルを作成することします。
ア なんとなく興味のある小展示物…3Dモデルカタログ資料作成
イ 興味がある小展示物…3Dモデルカタログ資料作成+3Dモデル本資料作成

4 参考 3Dモデル作成用撮影時間
上記3Dモデル本資料作成ではカメラシャッターを64回押しましたが、その時間は5分17秒でした。次から次へと観覧者が訪れる混在する展示館での3Dモデル用撮影はできませんが、5分間くらいは人が途切れる程度の展示館では3Dモデル用撮影が他の観覧者の邪魔になることはほとんどないとおもいます。現実にはほとんどの展示館で開館時間の大半が無人といってよい状況がありますから、無人時間を狙って行う私の3Dモデル用撮影に対して展示物達は喜んでいると思います。

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この記事の対象遺物である縄文後・晩期土偶(千葉市加曽利貝塚)は次の記事で詳しく検討しています。
ブログ花見川流域を歩く2020.06.22記事「もっこふんどし着装縄文後・晩期土偶